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尾道発 - カメラ屋の独り言 -  Presented by せいのカメラ店



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12月30日の記事で絞りとシャッターを分解掃除して気分が良くなったコンタ君(Contaflex Super B)ですが、せっかくなのでピントの再調整もしました。
するとですねぇ。
困った事に、ファインダーのスプリットイメージがほんの少し合わないんですよ。
つまりファインダーでフォーカス位置がずれているということです。
無限遠にすると、スプリットイメージでの確認で無限遠を通り越してしまいます。
ほんの少しなのであまり影響がないと言えなくもないですが、せっかくだからちゃんと合わせたいとことです。

コンタ君はスクリーンとプリズムがアッセンブリーになってますので、このアッセンブリーのボディーへの締結部分でシム調整すれば合わせられるはずです。
そこまでバラすのなら、せっかくなのでスクリーンもぜひ換えたいところです。

何でスクリーンを換えたいかと言うと、コンタ君のスクリーンは真ん中にスプリットイメージ、その周りにマイクロプリズム。そしてその周り全体が、マットでなく、素通しなんです。
つまり、全体的にどんな感じにピントが合って、どんな感じにボケているのかが全く分からないのです。
だからマットのあるスクリーンに換えると楽しそうですよね。
IMG_1388.jpg
これはスクリーンとプリズムのアッセンブリーから既にプリズムを外した状態です。

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ここからスクリーンを外すには、
IMG_1389.jpg
この針金状の部品を引き抜きます。

この部品を抜きかけの状態がこちら。
IMG_1390.jpg
矢印Aが、さっき抜きかけた針金状の部品で、その先端が矢印Bの穴に引っかかる形で留まっています。
針金状の部品を抜き取れば、スクリーンは外れます。

スクリーンは、コンデンサレンズと一緒にここに固定されています。
また、スクリーンは合焦面が上側になっています。
通常と言いますか、私が知っている限りすべての一眼レフは、スクリーンの合焦面が下にあります。
ですのでこれはかなり特殊です。

この場合、スクリーンを交換しようと思うと、スクリーンの厚みも考慮しないと、全くピントがずれてしまう可能性もあるわけです。

では外したスクリーンを見てみましょう。
IMG_1406.jpg
このスクリーンのもうひとつ特殊なところは、ブラケットの形に合わせて矢印のところに段がついていることです。
交換用に使うスクリーンに、わざわざこんな段を付けるわけにもいきませんので、合焦面の位置調整にはより注意を払わなければいけないようです。

ではとりあえず厚みを計ってみましょう。
IMG_1392.jpg
先程の段のところを計ります。

IMG_1393.jpg
1.1mmですね。

今回交換用に使おうと思ったのは、ミノルタXD用かX700用と思われるスクリーンです。
ビニール袋に入って部品取りの引き出しの中に転がっていたので使う事にしました。
ビニール袋に「XD」と、マジックで書かれていたんで、XD用かなと思います。
でも、前に私が使っていたX700のスクリーンを全面マットに交換していましたので、もしかしたらX700に元々付いていたものかもしれません。

ではこれも厚みを計りましょう。
IMG_1395.jpg

測定結果は、
IMG_1394.jpg
1.5mmです。
と言う事は、その差0.4mm。
0.4mm分シムを抜けば、同じ状態になるはずです。

ところで今回使うスクリーンですが、これもまた特殊なんです。
スクリーンのセンターにあるはずのスプリットイメージがオフセットしているんです。
しかしこのオフセットの影響で、スクリーンの片側を短く切れば、ちょうどコンタ君のスクリーンとほぼ同じ大きさになって、しかもスプリットイメージの位置がセンターになるんです。
なんてすばらしい。

ということで、交換用のスクリーンを加工して、組みなおしてみました。

しかーし。
今度は無限遠にしてもスプリットイメージでは無限にたどり着いていません。
シム無しでもだめです。
元々付いていたシムが0.4mmでしたので、これを外せばちょうど良くなると思ったんですが何でダメなんでしょうか。

まぁ仕方がありません。ブラケットの方を加工しましょう。

ボディーへの締結部分を、
IMG_1397.jpg
一旦起こして、もう少し上の部分で曲げなおします。

IMG_1401.jpg
矢印Aの部分が元々の曲げ位置。
矢印Bの部分が曲げなおした位置です。

これで、プリズムとスクリーンのアッセンブリーが取り付け下端位置まで下げられるようになりました。

この状態でピントを見てみると、無限遠をわずかに通り越しました。
これならいくらかシムを入れれば調整できます。
0.2mmを入れてみると、もう少し足りないようです。
0.4mmでちょうどいい感じです。
これならグッドです。

いろんなところに向けてピントを合わせてみると、ピントの合っているところとボケているところがよく分かって、仕上がりイメージがとてもつかみやすくなってます。
この改造はお勧めです。
皆さんもぜひ。
と、言ってもContaflex使ってる人は何人居られるのでしょうか。

そうそう、それと、スクリーン交換当初に、スクリーンの厚みの差分の0.4mmのシムを抜いたのにぜんぜんピントが変わってしまった原因ですが、どうやらコンタ君に元々付いていたスクリーンには結構な曲率があるようです。
つまりレンズになっている。
並べて比較してみると、
IMG_1416.jpg
ご覧の通り。
と言っても分かりますでしょうか。
比較に使ったスクリーンはまた別のもので、ミノルタX-1用を分解したものです。
向かって左がContaflexのもの。右がX-1用。
Contaflex用の方が、スクリーンの向こう側が明らかに拡大されて見えますよね。
X-1用も少しは拡大されているような感じはしますが、かなり違います。
多分このせいでピント位置がずれたんですよ。
色々特殊なんですね。
もしこのスクリーンで合焦面がプリズム側でなく、一般的なミラー側に設定されていたとしたら、今回の改造ではファインダーから見たスクリーンがボケて見えてしまって改造不可能だったはずです。

でもとりあえず、スクリーンの交換はうまくいきました。
コンタ君はさらにご機嫌です。

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