明日は明日の風が吹く

うちにずっと前から転がってるチェキがあるんですが、どういうわけか動かないんです。
フィルムが途中まで出て止まった状態のまま何年も放置されています。
あまりにもかわいそうなんで、治るかどうか、やってみましょう。

でも電子パーツがダメだったらちょっと難しくなりますね。

[24回]

とりあえず途中で止まったままのフィルムを無理やり引っ張り出して、入っていたフィルムカートリッジを取り出します。
で、この状態で電池を入れてみると、フィルム排出動作が長めに動作した後、レンズが3回ほど沈胴して止まります。
メインスイッチを押すとそれの繰り返しです。
ちなみにフィルムカートリッジを入れておくと、まず2枚排出されて、沈胴します。

こりゃやっぱり電子パーツのどこかがダメになってますね。
コンデンサーがパンクしてるぐらいなら分かるかもしれないけど、ICとかがダメだったらちょっと自分には治療できない範囲になりそうです。

でもまぁとりあえず開腹します。

まず頭の蓋を取ります。
プラスネジ2本で留まっています。


外すとこんな感じです。
とりあえずこれ以上は外さなくていいですね。

続いて周りのカバーを外すには

これら6本のネジを外します。
黒いのは電池の蓋を開けたところに、頭の大きい3本はボディーのサイドに、残りの2本のうち、長い方はファインダーの横から、短い方はファインダーの後ろから、という位置関係です。

このネジを外すと、

前カバーが外れます。

このとき、シャッターボタンとその下の板バネが

ポロッと落ちやすいですので気を付けて下さい。

この状態で見えるところをじっくり観察してみましょう。

電子パーツが原因だとすれば、十中八九ここですよね。
でもいくら見ても悪いとこなんか分かりませんね。
他の部分も見てみましたけど、うーん。
見ただけじゃぁやっぱり分かりませんね。

仕方が無いので、後カバーを外してカメラの中身だけにしてもうちょっと余分に見てみましょう。
後カバーを外すには、

下のほうにあるこのネジを外して、

裏蓋の開閉レバーを細いドライバーとかでこじって外します。

そうすれば中身はごっそりと出てきます。


外した後ろ側のカバーが

こちら。

ではどこか悪いところは無いか、なめるように見回しましょう。
でもやっぱり見たってほとんど分からないんですよね。

と、

よく見ると、サイドのつなぎの基盤がちょっと折れてないですか?
矢印の部分。
で、さらによく見ると、基盤のランドが切れてますね。
ははーん。動作不良の原因はこれですね。
多分カメラを落としたか何かでショックで基盤が割れてしまったようです。

基盤を交換すれば直せるんでしょうが、交換用の基盤も部品取り用のカメラもありません。
では、線をつなげましょう。

この基盤の全ての配線を、リード線でつなぎなおします。
結構しんどい作業です。
でもこれで治ったらとっても楽しいですね。
そう思うことにして、地道に作業を続けます。

そうすれば、

作業はいつかは終わります。
では早速組みなおして、電池を入れて、スイッチオン!

レンズが出てきて撮影準備が整ったようです。
ではレリーズ。

ガガガガガ!

ギヤがコマ飛びするような音がしてフィルムは排出されず、そのまま止まって動かなくなりました。
なんで？
もう一度前後のカバーを外して、その状態で電池を入れてスイッチオン。
レンズが出てきて撮影準備OK。
ではレリーズ。
フィルム排出の動作はちゃんと行われました。

なんで？

もう一度組みなおしてスイッチオン。レリーズ。
またガガガガ。

以上のことから推測すると、カバーを付けるとダメみたいですね。
でもそんなことってある?
しばらく考えていたらピンと来ました。
上の方で紹介した6本のネジの写真。
頭の小さい銀色のネジは、長いのと短いのがありました。
もしかしてこれが逆?
そうかも。
外してみるとやっぱりそうでした。ファインダーの横から短いの、後ろから長いのが入っていました。
この後ろから入った長いネジが内部のギアと干渉していたんですね。

ネジの位置を入れ替えて、スイッチオン。レリーズ。
どうやらちゃんと動いてるようです。
治りました。


撮影も問題なさそうですね。