明日は明日の風が吹く

古いレンズを使ってデジカメで撮影を楽しんでいる人も少なく無いと思いますが、この古いレンズって面白いんですよね。
レンズごとに味があって、しかも写りが綺麗。
私も何本かのレンズで時々遊びますが、集めだすとキリが無くなります。
そんな中で比較的安価に入手できて写りがいいのがツアイスイエナとキヤノンSマウントでしょうか。
キヤノンSマウントはライカLマウント互換です。
ですので色々と使い道もあったりします。

ということで今回は、キヤノン35mm,F2の修理です。

[5回]

何やらテープで貼ってありますが、これは鏡胴が分離してしまっているわけでなく。

破損した絞り連動ピンが貼ってありました。
オーナーの話によると、絞り連動ピンの破損で修理に出したものの、修理不能と言われたらしい。
詳しい状況が分からなかったのですが、直せないということもないでしょうと思って送って頂きました。

レンズをひっくり返してみると、

あれ、
ヘリコイドとレンズを固定するリングネジが緩められたままですね。
先に修理に出したところが、組むこともままならなくなったのか、それともまた分解しやすいように緩めておいたのか。

まぁ、どっちにしてもとりあえずこのリングネジを外して、レンズとヘリコイドを分離してみましょう。

はい、分離しました。
では詳しく見てみましょうか。


まずはヘリコイド側ですが、赤矢印の位置決めの部分が、なぜか曲がってますね。
そしてその上に何故かベアリングが乗っています。
ベアリングが挟まった状態で先ほどのリングネジを閉め込んでしまったのか、原因はよく分かりませんが、曲がった部分は直さないといけませんね。

それとこのベアリングは？

ああ、コレですね。
絞りリングのクリック用のベアリングが無くなっていますね。
これははめればいいでしょう。

しかし、

問題はココですか。
赤矢印は絞り連動ピンとつながる部品ですね。
強い力が加わったためか、曲がってしまっています。
それと、黄矢印のところ。
一見穴だけのようにも見えますが、よく見ますと穴の中が詰まっています。
これは多分、絞り連動ピンのネジ部が折れて、ここのネジ穴に残ってしまっているんでしょう。
うーん、これ、取れるのかなぁ？

その他には、フィルターがよく締まっていて外れません。
もしかしたらこのフィルターを外そうとして、絞りリングに無理な力が加わったのかもしれませんね。
それから、ヘリコイドもグリスの劣化のせいか、硬くなっています。
それから、多分絞りもバラさないといけないでしょうからついでに絞り羽根もクリーニングしましょうね。
あとは、レンズも少々汚れているようですのでこれもついでにクリーニングと。

さて、ではバラしていきましょうか。