ミノルタの名玉、M-ROKKOR 28mmの前玉が曇るという持病は周知の事実ですが、それを自分で直したいという人のためにこのブログで情報発信しております。
その影響もあってか、各方面からまた使えるようになったという声も聞こえてきます。
そういう話を聞くと、このブログで情報発信していてよかったなと思えてきます。
それで、私自身もレンズが曇って売りに出しているレンズを時々買って、直したりしています。
それで今回もそんなレンズをネットオークションで買ってみたんですが、
あれ?
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==========================[9回]
化粧リングを外してみると、前玉のカシメを起こした跡が有りますよ。
でもレンズは曇ってますが…
もしかして自分でレストアしてみたものの、残念ながら状態が悪くて復活できなかった個体でしょうか?
と思ったんですが、よく見ていますと、起こされたカシメはガタガタになってます。
修理が終わったのなら、カシメ直すと思うんですが。
もしかしてこれは、
カシメを起こしてレンズを外そうと思ったものの、うまくカシメを起こすことができずにほっとかれた物なんじゃないですか?
そうか、雑な作業をしてしまったおかげで、余計に外れにくくなってしまったんでしょう。
前群の鏡胴とレンズのはめ合いは結構ギリギリに作ってありますからね。
いい加減にやってるとそんなことも起こってしまうかもしれません。
それに、無理に外そうとしたためか、レンズ周囲には細かい割れが何箇所か有りますね。
ああ、このブログの記事が悪影響を及ぼしてしまったんですね。
なんか悲しい。
でも仕方が有りません。
これもなんとか救済できないかやってみましょう。
が、しかし、カシメ部分を広げようと試みたんですが、もうかなり傷んでしまっていて、レンズと鏡胴に隙間を作ることができなくなっています。
では穴あけ法を流用して、開けた穴からレンズを押し出せないかと思ってやってみましたがやはりダメ。
となれば、鏡胴が使えなくなったとしても前玉が取り出せれば他のレンズに流用できますからなんとかして取り出してみましょう。
そこで、黄矢印のように、周囲のネジ部にノコを入れて、枠部分が広げれるようにしてみましょう。
と思ってやっていましたら、
ああ、あああ、
大失敗。
枠部分をちょっとこじったら、大事なレンズが割れてしまいました。
周囲に細かい割れがあったのも原因かもしれません。
いやー残念。
これではもう使えませんね。
こうなったら仕方がない。
とにかくレンズを外してみて、こういう場合の安全な外し方が出来るのかどうかやってみます。
周囲のネジ部に切れ込みを入れた上で、矢印の部分にもノコを入れて枠の半分が分離できないかやってみます。
と、
枠部の半分を取ることができ、前玉を外すことができました。
カシメが悪くなって外せなくなったレンズも、ここまでタレば外すことができますね。
レンズも外れましたので、こうなった原因を調べてみます。
すると、黄矢印の枠部の内側、レンズと接触する部分ですが、
カシメを起こす作業の影響でしょう。
少し内側に膨らんでしまったようで、そのためにレンズとの隙間がなくなり外れなくなってしまったようです。
で、せっかく外れた前玉を試しにクリーニングしてみますと、持病のブツブツもほとんど無く、綺麗になるでは有りませんか。
ああ、なんとももったいない。
このブログでカシメを起こして直せるということを伝えていなければ、こんなことも起こらなかったことでしょう。
カシメ起こしに関する記事は封印した方がいいのかもしれませんね。
今後こういう悲しい個体が出現しないことを祈るばかりです。
しかし最も悪いのは、作業に失敗して難しい状態になっているにもかかわらず、それを隠してネットオークションに出すことです。
それと分かっていればもっとうまく対応できる可能性はあったと思います。
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