明日は明日の風が吹く

沖縄の天気って、一日のうちの何処かのタイミングで何処かの場所で雨が降ることがよくあります。
なので天気予報が難しいですよね。
で、よくあるのが、「晴れ時々くもり、のち所により一時雨」
うん、間違いではありません。
と言うことで昨日の続き。
曇ったレンズは晴れるのか。

レンズ中群を外すとこから。

[1回]

矢印のネジを外して、この金属部品を外せば、中群の回り止めが無くなって外せます。
ですけど、外す前に反対向きに回して、どのくらいまでねじ込めるのか確認しておいた方がいいでしょう。
今度組んだ時に、組み付け位置が合っているのか確認できるためです。
で、ズームをちょこちょこっといじれば、引っかかるところも無くなって外せます。

ではでは中群を見てみましょう。
表面はなぜか汚れてますね。
これはレンズクリーナーで拭いてと。
もしかしてこれで綺麗になったかな？


が、そうは問屋が卸さない。
やっぱそうですか。
矢印のあたり、うっすら白くなっているのが分かりますでしょうか。
これね、レンズの貼り合わせ部にちっちゃい気泡ができてるんですね。
つまり中途半端にはがれかかってる。
これをちゃんと直そうと思うと、貼り合わせを一旦剥がして、改めて貼り合わせないといけません。
が、これがね、なかなかうまく剥がせないし、そもそもレンズを枠から外しにくいし、剥がしてしまうと光軸的なことも気になるところ。

やっぱ交換するしか無いですかね。
では修理に出しますか。

でも、
ちょっとその前に、
やっぱり悪あがき。

この貼り合わせというのは、古いレンズだとバルサムというノリで貼ってあるんですね。
で、このバルサムというのは、高温にしてやると緩んできて、そういう状態にして貼り合わせるんです。
で、そういう張り合わせが剥がれかけた時って、熱を加えるだけで、ある程度直ったりもするんですよ。
もしこのレンズの貼り合わせが、バルサムか、それに近い性質のノリで貼られているとしたら、熱を加えることでいくらか改善するかもしれません。


はい、ドライヤーで炙りましょう。
周辺の樹脂部品の変形が気になるところですが、
その辺りをちょっと気にしながら、ゆっくり長く温度を上げていきます。

何分間かそういう状態を維持してみます。

で、良くなったかというと、

矢印のあたりに、少しまだ残ってますが、
ほぼ気にならないレベルまで改善されたんじゃないでしょうか。
気休めに、もうちょっと加熱しておきましょう。

ではでは、熱が冷めるのを待って、元のように組んでいきますよ。

組み方は、昨日の記事の逆でお願いします。

と言うことで組み上がりました。

では試写してみましょうか。
ちょっとは良くなったかな？


おお、いいじゃん。
白けてないですね。

もっと悪い条件ではどうでしょうか。

うん、悪く無いですね。
真ん中下あたりにゴーストっぽいのが出てますが、それ以外はオッケーでしょう。
現役復帰していいですかね。

参考までに、もう一本の広角ズーム、タムロン17-35mmと同じ露出で比較してみましょう。

タムロンの方が若干コントラストが高いですが、これはレンズの性格の差でしょうか。
こちらは、光源まわりにフレアがあるみたいですね。

と言うことで、なんとか実用に戻すことが出来ました。
よし、じゃぁ、キヤノンの20-35mmも、また仕事に使ってみよう。