尾道発 - カメラ屋の独り言 - Presented by せいのカメラ店
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
今までに何度かチャレンジしていますが、交換レンズの最短撮影距離を短くできるかという試み。今回はこのレンズでやってみましょうか。 AF NIKKOR 50mm F1.8。もう古いレンズですが、とりあえず最新のカメラでもオートが効きます。
[3回]
ではバラしにかかりますか。 まずはマウントを外します。矢印の三箇所のプラスネジを外しましょう。しかし何故か一箇所だけ黒いネジになってますね。 マウントが外れたら、矢印の3つの部品がポロポロと外せます。そしたら次は、ヘリコイドを分離するんですが、 無限遠にした時の位置を確認しときます。レンズ側の赤矢印の面と、鏡筒側の黄矢印の面がほぼツライチですね。組むときはこれを目安にします。では青矢印のプラスネジを外して、回り止め2箇所を取ります。 ということでヘリコイド分離。今回はレンズ側には手を加えません。鏡筒のピントリングの改造です。 では鏡筒のこちらから。矢印の三箇所のプラスネジを外すのですが、その前に、 こんなかんじで、マーキングしときましょうか。バラしてしまうとピントリングとヘリコイドの位置関係が変わりますので、同じ位置に組むための目安です。AFレンズですので、距離指標はあまり正確でなくてもいいかもしれませんが、やっぱりこのへんはきっちりしときたいところ。 ピントリングを外したら、矢印のネジ三箇所を外して、もういっちょ分離します。 そしたら鏡筒の内側の矢印の部分に注目。二箇所このような出っ張りがありますが、一箇所は無限遠側のストッパー。もう一箇所のこの矢印のところが、最短撮影距離側のストッパーです。ですのでこの出っ張りを、ニッパー等で躊躇なく切り落とします。 はい、こちら、切り落とし後。しかしこうなると、ストッパーがなくなってしまいますので、どこかにストッパーを設けないといけません。無くても一周すれば無限縁側で止まりはしますが、そこまで回せるほどヘリコイドに余裕がありません。それに加えて、問題はこちら。 この矢印の部分なのですが、これはマウント側の絞り連動ピンの動きをレンズ側の絞りに伝える部分です。で、ヘリコイドを繰り出しすぎると、このピンの長さの限界を超えて外れてしまうんですね。かと言ってこのピンを伸ばすと、ヘリコイドを縮めた時につっかえてしまって無限遠まで行かなくなるという、結構ギリギリの設計になってるんです。突き当たるところに穴掘れば伸ばせますが…ということで現状で届く範囲でとどめておきます。では、そのためのストッパーをどうするか。 ということでこの部品に活躍してもらいましょう。矢印の部分を折り曲げてみます。 はい、こんな感じに。3mmほど立ち上げればいいでしょうかね。そのへんはテーゲーで。ではこれを組み込んで、ちゃんと動くかどうか確認します。 が、ヘリコイドを回すと、ほんの少し干渉してしまいますね。なので、曲げた部分を当たらなくなるまで少し削りましょう。これでオッケー。ではレンズを組み直して、AFの動作と絞りの動作、オートで適正露出になるかも確認しましょうか。うん、ちゃんと動作してますよ。ただちょっと、 最短撮影距離まで回すと、黄矢印のように隙が出ますね。ま、いっか。ついでになんとなく指標のために、最短撮影距離のところにマーキングしておきましょう。このレンズの元々の最短撮影距離は45cm。そこからある程度は余分に回るようになりました。果たして最短撮影距離はどのくらいになったのでしょうか。 う、開放で撮ると被写界深度浅いですね。拡大してみましょう。 えーっと、概ね38cmですか。7cmほど余分に寄れるようになりましたね。できれば30cm以内にしたかったところですが、そこまでは対応できそうにありませんので、これで良しとしときましょう。微妙な結果になってしまいましたが、AF-NIKKOR 50mm F1.8の最短撮影距離を縮めることに一応成功ということで。