明日は明日の風が吹く

修理の依頼を受けたミノルタSR-1ですが、各部のクリーニングも終わって、ファインダーも綺麗に見えるようになって気持ちいいですね。
ですがレンズの方にはちょっとした問題が有るようです。
内部にちょっとだけカビが有ることはよくあることですが、それ以外に、自動絞りの動作が重いという感じがあります。
それと、ピント調整のヘリコイドの動きが軽すぎる。
なんだか全体的に油が切れてカサカサしたような状態に思えます。
ではそれらが直るかどうか、バラしてみましょう。

まずは化粧リングから外します。

[1回]

そしたらレンズ前群が外せます。

外したレンズ前群がこちら。

こちらは特に汚れた感じが有りませんので軽くクリーニンづしておけばいいでしょう。
前群を外した中を見てみますと、

後群の表面あたりに少しカビが有るようです。

そして外した後群がこちら。

後群は2群3枚になっていますので、それもバラしてクリーニングしましょう。

では後は絞り制御部とヘリコイドですね。

赤矢印が絞りの連動ピン。
これが円周に沿って左右に動くのですが、ストレス無くシャキシャキ動きません。
ちょっと固い感じです。

ではまずは黄矢印の2本のマイナスネジを外して、黒いカバーを外します。
それと、フランジ部の銀色のリングも外しますが、これは青矢印のように、側面からマイナスネジで固定してありますのでそれをゆるめます。
緩めたらナットを外す要領でこの部品を回せば外れます。

フランジ部の部品が外れたら、絞りリングの後ろ面が見えてきます。

矢印の部品で絞りの動きと連動するようになっていますので、これを外します。
この部品の位置や、裏表、そして連動する部分との連動の仕組みを確認してから外すことをおすすめします。

そしたら次は鏡胴とヘリコイドを分離ましょう。

写真では見えにくいですが、矢印の部分にカニ目のリングネジがありますのでこれを外します。


これで絞り連動ピンも絞りから分離されましたので、それ単体の動作状況が確認できます。
鏡胴内に残った絞りの方の動きは軽いようですので、やっぱり制御品の辺の動きが重いのでしょうね。

連動ピンを操作してみると、やっぱり重いようです。
ですので赤矢印の隙間部分にほんの少し注油しましょう。
これで動きは劇的に軽くなりました。

あと、ピントのヘリコイドですが、これ以上バラさなくてもグリスアップが可能でしたので、ヘリコイド部にヘリコイドグリスを付けます。
動きを確認しながら適量付けて、適度の抵抗が出るようになればOKでしょう。

と言う事でレンズのレストアも終了です。
組み直してカメラに取り付けて、動きやピントも確認します。

かなり快適になりましたね。