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尾道発 - カメラ屋の独り言 -  Presented by せいのカメラ店



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これまでスメ8の記事を「クラカメ」のカテゴリーに入れていましたが、新しく「スメナ8M」のカテゴリーを作りました。
スメ8関係の記事は「カテゴリー」で「スメナ8M」をクリックすれば一覧表示されます。

ということで、昨日の記事でシャッターユニットの動作が良くなったハチ公ことスメナ8Mですが、でもまだフィルムを入れるとシャッターが重くなる症状は改善していません。
なんでなんでしょう。
巻上げやシャッターセット及びレリーズ関係の辺りが怪しいですね。
ではその構造を見てみましょう。
R0011119.jpg
まず、フィルムが巻き上げられると、フィルムのパーフォレーションによって、上の写真の半透明の樹脂の部品が赤矢印の方向に回転します。

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するとその突起が黒いレバーを緑矢印の方向に押します。

この黒いレバーは、
R0011120.jpg
この写真の赤矢印のスプリングによって、先程の半透明の部品の方にテンションが掛けられています。
また、この黒いレバー状の部品は青矢印の部品に連結しています。
この青矢印の部品は、先端が巻き上げダイヤルに伸びていて、半透明の部品によって押されると巻き上げダイヤルに引っ掛かって、巻上げを止めるようになっています。
これらのレバーは、巻き上げダイヤルに押し当てられることで、それ以上押すことができなくなりますので、半透明の部品もそれ以上回らなくなります。

そして、緑矢印のシャッターボタンを押すと、レバーも押し下げられ、
R0011121.jpg
半透明の部品の下に潜り込むことで元の位置に戻り、巻き上げのロックが解除されろと同時に、半透明の部品も回るようになります。

と言うことは、巻き上げの最終段階では、巻き上げダイヤルに当たってそれ以上動かない状態のレバーを、半透明の部品が押し続ける状態になり、この二つの部品の間にテンションが掛かりっぱなしの状態になっていると言うことになりますね。
その状態でシャッターボタンによってレバーを押し下げるわけですから、かなりの摩擦が起こってシャッターボタンが重くなると言うことではないでしょうか。

では、そのテンションを取り除いてみましょう。
ようは、テンションがいっぱい掛かる前に半透明の部品の回転を止めればいい訳です。

R0011122.jpg
と言うことで、レバーのここら辺に適当な何かを貼り付けて、回転止めにしてみましょう。

これを組んでテストフィルムを入れてシャッターを切ってみると。
グーー!
いいじゃないですか。
フィルム入れてもフェザータッチです。

でもこの状態ではちょっとだけですが、板厚分段差がありますのでここに半透明の部品が引っ掛かる事があるみたいです。
考え方はこれでいいことが実証されましたので、この方法を踏襲して、レバーの方を削ってみますか。

方法を模式図で説明すると、
100519002.jpg
まずこちらが、前の写真の貼り付け方式の考え方。
この図はレバーと半透明の部品が接触するポイントを上から見た様子です。
青い四角が貼り付けたプレート。
上に描いたレバーは巻き上げダイヤルに当たって、これ以上半透明の部品から離れられない状態とします。
この時、半透明の部品の突起部分は上図のように右斜めの位置になっているはずです。
そこまで回るちょっと手前にプレートを貼り付ければ、半透明の部品がレバーを押すテンションはキャンセルされることになります。

では削るパターンではこうです。
100519001.jpg
レバーの位置は前の模式図と同じ。
ここから、半透明の部品が通る軌跡の範囲を削り取って、適当なところで止めるようにします。
その例が赤い線。
こうすれば貼り付けパターンと同じ作用をするはずです。

R0011124.jpg
で、削ったのがこれ。
これだけでいいのです。

R0011125.jpg
カメラに取り付けるとこうなります。

R0011126.jpg
で、巻き上げるとこうなって、レバーには大きなテンションが掛からず、回転を止めることができます。

では組みなおしてフィルムを入れてみましょう。

おお!!
軽くなりました。
フェザータッチです。
でもシャッターのレリーズのタイミングと、巻き上げ停止解除のタイミングが合っていませんね。
シャッターが切れてももうちょっと押し込まないと巻き上げ停止が解除されません。
これも調整機構がありません。
なので、さっき加工したレバーをほんの少し下に曲げて、これでOKです。
タイミングが逆の場合は上に曲げます。

ということで、はい、ハチ公のシャッターボタンのフェザータッチ化、完成です。
次はどこいじりますか。

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