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尾道発 - カメラ屋の独り言 -  Presented by せいのカメラ店



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「ダイヤルMを廻せ」と言う映画がありますが、その題名の「ダイヤルM」って何なんでしょうか。
映画の原題は「Dial M for Murder」。この映画は殺人を依頼する内容ですので、その依頼のためにかける電話番号の最初が「殺人」と言う意味の「Murder」の頭文字の「M」と言うことでしょうか。
アメリカの電話は昔から数字にアルファベットがふってありますよね。今では携帯電話にも表記されていますが。
その番号が「M」と言うことは、「6」をダイヤルすると言うことですかね。
この映画はしっかり覚えるほどは見ていないので分かりませんが、シーンの一つに「6」をダイヤルするところがあるのかも知れません。
そんなこと考えていたら「ダイヤルMを廻せ」を見たくなってきました。

ところで2日の記事で紹介しましたフジカ35オートMですが、今回はバラしてみます。
R0013637.jpg
とは言っても不具合は連動距離計だけのようですので、軍艦部だけの分解になろうかと思います。

ところで、フジカ35オートMの「M」って何でしょうか。
このカメラの前に発売された「フジカ35オートマジック」と言うカメラがあります。
その発展型としてこのカメラが出ましたので「マジック」の「M」でしょうか。
出来ればもっとシャレた意味があって欲しいところです。

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※Ver.1では今後更新されません。
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では早速軍艦部カバーを外します。
R0013628.jpg
まずは感度設定ダイヤルを外しますが、真ん中の黒いところがアルミのシールになっていますので、これをはがすときにどうしても傷めてしまいます。ですのでできるだけ気を付けてはがすか、あきらめて代用品を用意しましょう。
後は真ん中のマイナスネジを外せば上の写真のようになりますので、2つのマイナスネジを外してダイヤルを取ります。

続いて左側面にある巻き戻しレバーを外して、カバー周囲にある5本のマイナスネジを外せば、軍艦部カバーが外れます。

R0013631.jpg
開けてみると、軍艦部のほとんどをファインダーが占めています。
これだけ基線長をかせげば、きっとピント精度もいいのでしょうね。
ただそこまでの性能が必要なレンズなのかと言う疑問はありますが。
もしかすると逆に、スペースが余ったから基線長を伸ばしたとか。

R0013632.jpg
前から見るとこんな感じです。
感度設定の部分になんか回路が見えますね。

R0013630.jpg
感度設定ダイヤルなどが糸やリンケージで物理的にメーターと連動しているカメラもよくありますが、フジのこのあたりのカメラは電気的に連動しています。
なので接点やら抵抗やらがいっぱい付いています。

でも今回の主役はファインダーです。
R0013634.jpg
上側のカバーは2本のマイナスネジを外せは取れます。
見たところ特に痛んだところは無さそうですね。
ではファインダーユニットを外してみましょう。
3本のマイナスネジで留まっているだけです。

R0013636.jpg
こちらが外したファインダーユニットの裏側です。
突き出したロッドがピントリングからの動きに連動して、ここにある真鍮製の2つの部品を動かすようです。
どうもこのあたり全体が粘っているようですね。
関連する部品を外して洗ってやりましょう。

R0013635.jpg
こちらがファインダーユニットを外したボディー側です。左下の方に見えるレバーと突き出したロッドがピントリングの動きに合わせて前後します。
右と前方には露出計のメーターを含んだプログラムシステムが見えてますね。
ちょっと見ただけでも複雑そうなのが分かります。
今回は露出関係に不具合は無さそうなのでここはバラしません。

R0013639.jpg
ファインダー前面のガラスも汚れていましたので外して洗います。
ちょっと無理をすれば外せますので、気を付けて外します。

R0013640.jpg
で、笑ってしまったのがこの部品。
セレンのサンシェードと言えばいいのでしょうか。斜めからの光を遮るフードのような仕事をする部品です。
これってプラスチックの一体ものではないのです。
一枚一枚の金属製のフィンを井形に組み込んで作ってあるんです。
だからバラバラになります。

R0013638.jpg
ではファインダーを水洗いしましょう。
でも今回は洗浄にガラスマジックリンと、その後乾燥にエアーダスターを使ったんですが、ちょっと強すぎたようです。
ハーフミラーが少しはがれてしまいました。
薄めた中性洗剤ぐらいにして強い風は避けたほうが良さそうです。
でもまぁ洗う前よりはよっぽどきれいになりました。

連動距離計関係の部品も洗って可動部にちょっとだけグリスアップして、そしたら軽く動くようになりました。
ではそれぞれを組み直して、それが出来たら距離計の調整をしましょう。

R0013642.jpg
調整はアクセサリーシューを外して行います。
赤矢印のマイナスネジを廻せば、二重像の左右のズレが調整できます。
緑矢印の方は上下のズレの調整用です。

では外装もついでに磨いて、
R0013641.jpg
フジカ35オートM、リフレッシュ完了です。

このカメラ、意外とよく写ると言う話を聞いています。
ちょっと期待して試写してみましょうか。

もし露出の不具合やら、光線漏れやらがあるようでしたらもう一度直しましょう。

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