明日は明日の風が吹く

昨日の記事で三篠のボアブランさんにお邪魔したことをお伝えしました。
でですね、そこで何年振りでしょうか、Nutscoさんにお会いしました。
以前から会う機会があればと思っていたんですが、なかなかタイミングが合わずにいたんです。
で、今回はNutscoさんにはこちらから連絡はしていなかったのですが、ボアブランさんから連絡してくれたのかもしれません。
そこは確認し忘れたんですが、Nutscoさんもお忙しいらしく、お店の前でほんの1分ほどのコンタクトでした。
で、Nutscoさんとの話の内容はというと、

修理です。

[1回]

と言ってもそんなに難しい話ではありません。
どうやらヘリコイドの動きがスムーズじゃないと言うことです。
動かしてみますと、確かにゆるくなったり硬くなったりしています。
ヘリコイドの機能自体は大丈夫なようですので多分ヘリコイドグリスの劣化でしょう。

このレンズはテッサー50mmです。
ツアイスイエナですので東ドイツのものです。
やっぱりここでも東側のレンズのヘリコイドグリスの問題が出ているのでしょうか。

でも絞りには油は回って来ていないようです。
グリスが溶け出したのではなく、乾いてしまったと言う感じですか。

ではまずこのレンズを観察してみましょう。


レンズ全体が小さく作られていたので、最初はLマウントと思っていたんですが、どうやらマニュアル絞り専用のM42マウントのようです。
最初このおしりを見て、距離計連動カムが無いので目測なのかと思ってしまいました。


最短撮影距離は50cm。
一般的な数値ですね。


このレンズを使う時は露出を決める時に、まず絞りの数値のところに覚え書きのような形で、赤いポッチのあるリングを合わせておきます。
絞りを5.6にしたいのなら、赤いポッチを5.6に合わせます。
そしてピントを合わせる時は開放にしてピントを合わせ、続いてフレーミングを決め、
いよいよシャッターを切る段階になって手動で絞り込みます。
この時、ファインダーから目を放して絞りリングを確認しなくても、赤いポッチを設定したところで絞込みが止まるようになっていますので、ファインダーをのぞいたまま撮影ができると言うわけです。
つまり赤いボッチのリングは絞込みのストッパーと言うことですね。

でもこのレンズの最も特筆すべきところは、絞りが14枚羽根である事です。
どの絞りに設定してもいつもほぼ真円に近い絞りになっています。
すごいですね。

で、先にも書きましたが、このレンズ、鏡胴が結構小さめです。
試しにプラクチカ ノバにつけてみると、

ただでさえ大きめのノバのボディーが、より一層大きく見えます。
うん。
似合いません。

ではこのレンズを直しに掛かりましょうか。

その前に余談ですが、Nutscoさんは、もう1本テッサー50mmを置いていきました。
こちらもツアイスイエナの物ですが、自動絞りの付いた新し目のものです。
これは要らないからくれるんだそうです。
Nutscoさんありがとうございます。
これもプラクチカ ノバにつけてみますと、

鏡胴が大きいのでノバが小さく見えますね。
うん、結構似合ってます。
このレンズはピントリングが空回りしているようですので、また後で直してみましょう。

それにしてもテッサーと言うレンズは色々と姿を変えて、世界中で愛されているレンズのような気がします。
それだけ良く写ると言うことでしょうか。
うちにもいくつかのテッサーがあります。


このブログでの古株、コンタフレックスもテッサーが付いています。
せっかくですのでツーショットです。

他にも、コンタックスヤシカマウントの45mmとか、スーパーセミイコンタの7cmとか。
東ドイツ製、西ドイツ製、日本製と、色々あって面白いですね。

ではでは、修理の様子はまた今度。