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尾道発 - カメラ屋の独り言 -  Presented by せいのカメラ店



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昨日の記事でもお分かりのように、最近寒いですね。
日本海側では寒気と雪で大変なようです。
今日の尾道は最低気温は下がらなかったものの、どんよりした天気でなんだか寒いです。
今晩も気温は上がらず、明日はもっと冷えるようです。
ところで、12日の記事で紹介しました古いテッサー50mmを直していきましょう。
DSCF6386.jpg
ではまずは化粧リングから。

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※Ver.1では今後更新されません。
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このレンズは前玉がかなり奥まっています。
こんなに奥になってケラレないのかと心配になりますが、これで製品になっているのですからそんなことは無いのでしょう。
でもそのおかげで、化粧リングは結構メガホン型になっています。
上の写真でレンズの左に置いてあるのが化粧リングです。
レンズの奥にはコーン型のゴムの塊のようなのが見えますが、化粧リングなどを外す時はこれを使っています。

DSCF6387.jpg
続いてレンズ前群を外すと、絞り関係の部品が見えてきます。
今回の修理はヘリコイドの動きの悪さを直すのが目的です。
絞りはちゃんと動いていますし、このレンズは自動絞りではありません。
ですから絞りを分解する必要もありませんので、前側からの分解はここまでとしときましょう。
ある意味分解しなくてもいいのではないかとも思われますが、レンズが汚れたり傷ついたりしても面白くありませんので外しておきます。

では今度は裏側から、
DSCF6385.jpg
この2本のマイナスネジを外せば、マウント部分が外れます。
が、
DSCF6388.jpg
いきなりヘリコイドを外すことになりますので、外す前に締め込み方向にいっぱい回してみて、どの位回るかを確認しておくと、後で組む時に少しは楽になります。

先程外した2本のマイナスネジは、先が長くなっていて、上の写真の赤矢印の溝にはまる構造になっています。
このことでマウント部の位置決めをしています。

外したマウント部の方をもう少し詳しく見てみましょう。
DSCF6389.jpg
赤矢印のマイナスネジは、ピントリングの回り止めです。
これを外すとピントリングの回転制限が無くなり、マウント部から外すことができます。
で、ここで、ヘリコイドを良く見てみますと、緑矢印で示したように、片側だけで5本あります。
1周で10本です。
つまりこのレンズのヘリコイドのネジ部は10本のネジで構成されていることになります。
つまりどう言う事かというと、ヘリコイドがはまる位置が10通りあるということです。

このレンズのような古い一眼レフ用のレンズは、ピントの微調整機能が無いものが多いです。
一眼レフですので、ピントはファインダーで確認できます。ですので、ピントリングの表示が少々ずれていても問題になりませんし、カメラによっても個体差がありますので、無限遠などをシビアに合わせてしまうと他のカメラでは無限遠がでないと言うことも起こってきます。

ですがある程度は合わせておきたい訳ですから、そのためにヘリコイドのはまり位置を増やして調整に対応させているのではないでしょうか。

ではピントリングを外してみます。
DSCF6391.jpg
こちらのネジ部は普通に1本ですが、ピッチが狭く、1回転しても繰り出し量はわずかです。
これもピントの微調整に役立っていると思います。

で、ヘリコイドの動きの悪さはやはりグリスの劣化のようです。
乾きかけて硬くなっていました。

ピントリングのネジ部と、ヘリコイド部の古いグリスを全部洗い落として、新しいグリスを塗ります。

と、その前に、絞りリングの動きも見てみると同じように動きが悪いですね。
じゃぁついでにこっちもバラしてみましょうか。
DSCF6392.jpg
このようにヘリコイドが独立して外せます。
ちょっと分かりにくいですが、緑矢印のところにカニ目のリングネジがあります。
ただしこのリングネジ、奥に入った感じですので、工具を選びます。
それと、ネジロックが塗ってあるようで、すごく硬くなっていました。

で、ヘリコイドを外した下には青矢印のようにスペーサーと思われるリングが入っています。
そしてレンズ後群は赤矢印の一番外側のカニ目を外せば外すことができます。

そして絞りリングを外すには、黄矢印で示したカニ目ネジを外せばいいと思うんですが、これにもネジロックがしっかり付いていて、いくら力を入れて回そうとしても外れません。
仕方が無いので絞りが付いたままエレクトロニッククリーナーで、ガンガン洗い流しました。
そして絞りリングの可動部の隙間に、他に広がらないようにほんの少しだけ注油しました。
そしたらだいぶ動きもよくなりましたので良しとしましょう。

では改めて、ヘリコイド部にヘリコイドグリスを塗って、組みなおします。
ヘリコイドのはまり位置はピントリングの表示で無限遠より少し行き過ぎて止まる所で決めました。
その状態でピントが合うかどうかトライアンドエラーを何回か繰り返し、ピントリングはいっぱい締めこんだところから、無限遠表示を通り過ぎてもう1回転して無限遠の表示になる位置にしたら大体よくなりました。

言葉だけで書くと分かりにくいと思いますがすいません。
動画で解説した方がいいですね。
今後はそれも考えときましょう。

と言う感じで組み上げまして、ピントリングの無限遠位置からほんの少し戻ったあたりで実際の無限遠が出るようになっています。
ヘリコイドの動きもよくなりましたし、絞りリングの動きもOKです。

では、テッサー50mmの修理、完了です。

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◎ ネームリング回しのゴム

初めまして!化粧リングを回すためのゴムアダプタを探してまして、こちらのページにたどり着きました。私もシルバーのTessarやフィルター径49mmのZebra Tesarをメンテナンスしたいと思っております。私が通販で見つけられたのは「ジャパンホビーツール」さんのもので少し三角錐のような形をしてました。もし、こちらで紹介されているのが違うメーカーで、差し支えなければ教えていただけないでしょうか?どうぞ、宜しくお願い致します。

こん 2011/09/26(Monday)10:51:44 Edit
◎ Re:ネームリング回しのゴム

こんさん、コメントありがとうございます。
うちで使っているものは、こんさんの言われる、ジャパンホビーツールさんのものと同じです。
http://pronto.blog.shinobi.jp/Entry/416/
上記でちょっとだけ紹介しています。
この道具は結構使えます。
ぜひ修理を楽しんでください。

【2011/09/2615:44】
◎ 無題

紹介していただいたページも拝見させていただき、さっそく注文しました。先人の方のレビューが沢山あるため、私は本当に助かります。先ほど書き込みした後に、検索していたら「ディスカバーフォト」さんでも少し変わったのが販売されてました。
http://www.ne.jp/asahi/discoverphoto/co/dpc/Forrepairtool/Opener.htm
しかし「ジャパンホビーツール」さんの方が経済的で収納性も良いかと思いました。早々のお返事有り難うございました!

こん 2011/09/26(Monday)15:28:05 Edit
◎ Re:無題

こんさん、引き続きありがとうございます。
このブログがお役に立てたようで、嬉しく思います。
ちなみに、
http://pronto.blog.shinobi.jp/Entry/601/
上記の記事のように、買ってみたけど使えないというのもあります。

【2011/09/2615:49】
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