忍者ブログ

尾道発 - カメラ屋の独り言 -  Presented by せいのカメラ店



×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 

キヤノンのレンジファインダー機って、機種名が書かれてないですよね。
私が愛用しているキヤノン7には、「7」と書かれていますが、それ以前の機種には書かれてないような気がします。
まぁ、これはキヤノンに限ったことではないようですが、そのおかげで、機種の判別には知識か資料が必要になってきます。
ところで今回のカメラはこちら。
DSCF1397.jpg
フラッシュ用のレールソケット、ファインダー切り替えレバーの形状、シャッタースピードダイヤルなどから判断すると、

==========================
このブログもVer.2へ
新記事チェックは下記へ
明日は明日の風が吹く Ver.2

※Ver.1では今後更新されません。
==========================

拍手[5回]

オーナーが言われている通り、IV S でしょうね。
私もあんまりキヤノンの分類形態学には詳しくないので、違っているのかもしれませんが…

8a9b7e4f.jpeg
で、このカメラ、特に悪いところはないのですが、ファインダーが暗いという話。
元々このあたりのカメラのファインダーはそんなに明るくないのですが、でも、クリーニングすればよくなるかもしれません。
他にはつけているレンズが少し汚れている。

ではちょっと確認してみましょう。
ファインダーについては、他の同型と比較してもちょっと暗い感じはありますね。
ではクリーニングですね。

レンズの方は、やはり少し汚れているようです。
撮影にはそんなに影響はないかもしれませんが、ここもクリーニングしましょう。
レンズの方で他に気になったのが、絞りリングが非常に重いことと、ピントリングが非常に軽いこと。
このあたりもクリーニングして、グリスを塗りなおせばいいと思います。

と言うことで、まずはカメラの軍艦部をバラして行きましょう。
DSCF1398.jpg
シャッターボタンのリングと、巻き上げダイヤルを外して、
巻き戻し設定レバーと、シャッタースピードダイヤル、アクセサリーシューと巻き戻しノブ、ファインダー切り替えレバーも外します。
あとは、距離計の調整穴のフタのネジとか、丸窓のレンズをか外して、
軍艦部周囲にある6個のマイナスネジと、距離計の後ろの位置にもマイナスネジで留めてありますね。

なんでかなぁと思っていますと、
DSCF1401.jpg
あれ?
軍艦部カバーって、一体じゃなかったのね。
ファインダー部分だけ別になって外れるんですか。
それは知りませんでした。

じゃぁ、巻上げノブは外さなくてよかったんですね。
巻き上げのブを外して出てきた二つのマイナスネジも外したから、
DSCF1400.jpg
巻き上げ軸の逆回り防止のスプリングも外してしまったじゃないですか。
おかげで胴回りも外さないといないじゃないですか。

まぁ、レンズのピント確認もしたいところだから、胴回りを外すのは予定の範疇ではありますけどね。

それはそれとして、ファインダー周りを見てみましょう。
DSCF1402.jpg
ファインダーが距離計ごと、ごっそり外れるなら、全体を水洗いしてもいいのですが、何となくそれも難しそうですね。
ではファインダーの各レンズを外してクリーニング、と思ったものの、赤矢印のマイナスネジを外すとファインダーの光軸がズレてしまいますし、青矢印の接眼側のレンズも、黄矢印のレバーによる回転動作がありますので、くクリーニングのためだけに外すには、手間な話になってきそうです。

と言うことで、この状態のままでのクリーニングとしましょう。
幸い、高級機らしくファインダーの対物側はプリズムになっていますので、ハーフミラーを侵してしまうこともないでしょう。
各レンズをクリーニングして、外したファインダー部のカバーに付いている接眼レンズもクリーニングしましょう。

これでかなりファインダーは綺麗になりましたね。
のぞいてみますと、元よりかなり明るくなりました。

では続いて胴回りを外しましょう。
でもこれ、古いモデルのせいでしょうね、マウントを外さないと胴回りが外せませんね。
DSCF1403.jpg
と言うことでマウントも外して(黄矢印)、しかも赤矢印のスローダイヤルも外さないとダメですか。

しかしまだ外れませんね。
何処が引っかかってるんでしょうね。
と思ってよく確認すると、
1714135b.jpeg
あら?
シンクロ関係の線がつながっていたんですね。
赤矢印の線は、黄矢印の接点の部品にハンダ付けされていたものですが、胴回りのカバーを引っ張ったためにハンダが取れてしまったようです。

と言うことでこれでやっと胴回りのカバーが外れました。
これで巻き上げ軸の逆回り防止バネを留めることができます。
でもその前に、レンズのピントを確認して行きましょうか。
フィルム面が現れましたので、ここにピントグラスをあててピント確認ができますね。

だがしかし、胴回りのカバーを外していると、レンズマウントがつけれませんよ。
レンズマウントがないとレンズがつけれません。
しかし、レンズマウントをつけるために胴回りのカバーをつけてしまうと、フィルム面が見えなくなります。

これは、ピント確認ができませんね。

そういう構造なんですね。
じゃぁ、メーカーではどうやってピントを確認していたんでしょうね。
マウントのシムを色々換えて実際に撮影して、その中で一番ピントが良かったシムを選択していたんでしょうか?
このあたり詳しい方が居られましたら教えて下さい。

ということで、ピント確認ができないまま、元に戻します。
ただ、高速シャッターでもちゃんと開いていることは確認できましたので良しとしましょう。
まぁとりあえずはこれでボディ側の整備は終了。

では続いてレンズのクリーニング。
古いレンズでは時々ヘリコイドを分解しないとバラせないレンズもありますが、これはどうでしょう。

DSCF1406.jpg
でもこれは、ヘリコイドとは分離できる構造のようです。
こちらが分離したヘリコイド側。

DSCF1405.jpg
そしてこちらが、レンズ側。
ヘリコイドと分離しなくてもレンズは外せますが、ヘリコイドのグリスアップも必要そうなので、分離しました。

レンズをバラすのもそれほど難しいものではありませんね。
各レンズを外して、クリーニングです。
これでレンズは綺麗になりました。

次は、絞りリングの硬さの改善。
上の写真の赤矢印の3つの部品を外して、黄矢印のリングを外せば、絞りリングは外せます。

するとですね、グリスが劣化して、滑りが悪くなっていました。
しかしここにはそんなにグリスは必要ないと思うんですが…

それから最後は、ヘリコイドグリスの入れ替えです。
DSCF1407.jpg
ヘリコイドのストッパーを外したら、ピントリングを止まるまでいっぱいに締め込んでみましょう。
今回のレンズでは、上のように少し回っただけでした。

位置の確認ができましたら、逆に回してヘリコイドを外し、古いグリスを洗い流して、新しいヘリコイドグリスをつけます。
これでピントリングの感触も良くなりましたね。

あとはヘリコイドを組んで、いっぱい締めた時に先ほどと同じ位置まで回るように組めているか確認。
そしたら元のように組みなおして、今回の整備、終了です。

やはり新しい機種の方が、整備性も進歩しているんだなぁと感じました。

PR

 
◎ Post your Comment
Name
Title
E-mail  ※アドレスは公開されません
URL
Comment
Pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
◎ カレンダー
12 2025/01 02
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
◎ Facebook
◎ せいのカメラ店HP
◎ ブログ内検索
◎ 最新CM
[05/29 ストウ]
[05/09 alubauten]
[05/07 alubauten]
[05/06 alubauten]
[03/23 ha-hi]
◎ プロフィール
HN:
清野浩也
性別:
男性
自己紹介:
せいのカメラ店
◎ ハルサーエイカー
ハルサーエイカー
◎ 琉神マブヤー

Script: Ninja Blog 
Design by: タイムカプセル
忍者ブログ 
[PR]