以前、幕速調整をしたイハゲー・エキザクタ Varex IIaなんですが、幕速調整をしたためなんでしょうか、なんか不思議な光線漏れが起こっているようなんです。
オーナーさんが撮影して送って来られたフィルムがこちら。
矢印のようにはっきりしたくさび状のカブリがあるんですね。
しかも全コマ。
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さて、これはどうして起こるんでしょうか。
シャッター幕が劣化して光が漏れている?
それともシャッター幕にシワが出来て隙間から光が入っている?
どっちにしても、撮像範囲内しかカブっていませんので、裏蓋側からでなく、シャッター側からカブっていることは確実です。
そうなるとやっぱり考えられるのは、何かしらシャッターに問題があるということか。
と思って観察してみても、よく分からないんですよね。
まぁ、カブリというのはなかなか直せないのが常なんですが。
しかし、今回の場合はかなりはっきりしたカブリですから、見て分かる程度の光線漏れが有ると思うんですけどね。
常に同じところがカブっているし、強いカブリですからね、このカメラはシャッターが切れてから巻き上げるまでの間、ミラーが上がったままになります。
ミラーが降りている状況では、強いカブリは起きにくいと思うんです。
となると、シャッターが切られて、巻き上げるまでの間。
つまり、後幕に問題が有ると考えて間違いないはず。
が、しかし、いくら後幕を見てみても、カブっている雰囲気はないんですよね。
どうしたことでしょうね。
しかたがないので、巻き上げとシャッターが切れるまでの動作を何回も行なって、どこかに問題はないだろうかと思って観察してみました。
と、一瞬光りが漏れたような気がしましたよ。
うん?
あ、これか。
巻き上げの最中に、一瞬先幕と後幕の間に隙間ができて、その時に光が漏れているでは有りませんか。
なるほどこれか。
隙間の形もネガに残ったくさび形と同じです。
巻き上げている最中にカブってたんですね。
分かりにくいはずです。
しかし原因が分かれば対応策も考えられます。
つまり、シャッターが閉じた後の後幕の停止位置が、もっと奥になればいいわけです。
ではこれはどこで調整すればいいのでしょうか。
もしかすると、シャッターのドラムをすべてバラしてシャッター幕の位置を変えて貼り直さないといけないとか?
そうなるとかなり手間がかかりますね。
ついでにシャッター幕も貼り替えた方がいいでしょう。
で、いろいろ調べていますと、どうやら幕位置は簡単に変更できそうです。
巻き上げ側のカバーを外した中。
矢印のギアが、後幕を動作させるためのギアです。
ですからこのギアと、それが噛んでいる隣の大きいギアとの噛み合わせるタイミングを変えれば、幕位置が変えられるはずです。
しかしこのギアを外すと、シャッター幕が奥まで行ってしまって、これまた大変な作業になってしまいませんか?
でもまぁやってみましょう。
写真ではギアを留めているセンターのネジは既に外してあります。
これでギアを上に抜けば位置が変えられます。
が、やはり、ギアを抜くとシャッター幕は奥まで入り込んでしまいましたね。
どうしましょうか。
と思ったけど答えは簡単。
シャッター幕を適当な位置まで引っ張って、指で押さえておけば位置決めできます。
という事で隙間ができないような位置に後幕を移動することができました。
これで高速シャッターを切ってもちゃんと露光されるならOKでしょう。
では試写して確認ということで、とりあえず調整完了です。
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