尾道発 - カメラ屋の独り言 - Presented by せいのカメラ店
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前回まででシャッターを分離しましたミノルタAですが、今回はシャッター羽根を分解洗浄にかかりましょう。 シャッターユニットのケースをとめているネジは4本ありますが、 矢印で示した1本だけ長いネジか入っています。
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これはどうしてかというと、このネジにバネを引っ掛けるためなんですね。 この矢印のバネを、その左にある穴から出てきたネジの先に引っ掛けるのです。 このバネは何かというと、 シャッターを動かすリングのテンショナーなんですね。 矢印Aが、さっきのバネなんですが、その反対側は矢印Bの裏側の突起に引っかかってるのです。 これによってシャッター羽根は閉まり方向にテンションがかけられ、緩んで開いてしまわないようになっているのです。 しかし問題は、シャッターを組み立てる時です。このバネをリングの突起にかけた状態でシャッターユニットをケースに収める事は大変困難です。 シャッター羽根が落ちないように水平を維持した状態で、このバネがケースに収まるように内側に押さえ込まなければいけないわけですから。 バネを押さえるのをやめるとリングの突起から外れてしまいますし、見えやすいようにひっくり返すとシャッター羽根が外れてしまいます。 そこで考えた方法は、爪楊枝にバネを引っ掛けてネジ穴に差し込んでおく方法です。 そうすればバネの位置はケースからはみ出さない形で固定されます。後は真っ直ぐケースをかぶせるだけです。 その前に、シャッターの動きを確認しましょう。 羽根を外した状態でシャッターセット、レリーズを行うと、まともに動いてるようです。 とりあえず機械的な部分は大丈夫ですね、 セルフタイマーも、あれ? セルフタイマーのセットはできるんですが、シャッターを切るとタイマーが一気に戻ってすぐにシャッターが切れてしまいます。 セルフタイマーの部分を見てみると、 赤丸の部分の部品がまるっきり有りませんね。 これはどうした事でしょうか。 前に分解した人が外してしまったのでしょうか。 理由は分かりませんが、そのおかげでセルフタイマーがゆっくり戻る事ができずに、一気に戻ってしまう事になっています。 とりあえず部品の持ち合わせも有りませんので、仕方ありません。残念ですがここはこのままにしときましょう。 ではシャッター及びレンズの組立にかかりましょう。 ベンジンで洗った羽根を組みます。 で、先に書きました爪楊枝を使ってケースに組み付けていきます。 続いてレンズボードに組み付けて、距離計と連動させるリングを付けます。 と、ここで問題発生です。 前回の記事でも書きましたが、このリングが硬くてなかなか回らないのです。 仕方がないのでプライヤーで挟んで回してみました。 それでも回らないので思いっきりやってたら、ヘリコイドの回り止めを破壊してしまいました。 あーあです。 でもどうしたもんでしょうか。 回り止めが破壊されたのでヘリコイドが固定できなくなって余計にリングを回せなくなってしまいました。 止まる所が無いのでので、当然ヘリコイドはくるくる回って抜けてしまいます。 どっちにしてもヘリコイドを外さないと固定する方法がないので外しましょう。 仕方がないので万力に固定して一番外側のリングを回しにかかります。 これでプライヤーで挟んで回そうとしても回りません。 途方に暮れてしまいました。 ちょっと心を落ち着けて、試しに手で持って回してみると、あれ?ちょっとだけですけど回りました。 万力を挟み直してもう一回手で回すと、また少し回りました。 万力をもっと強く締めると、あれれ?回るようになりました。 ははーん。 歪んでるんですね。 で、適当に万力で締めたり戻したりしながら回りやすくなるようにやってみたんですが、それでもやっぱり途中で回らなくなります。 何でかなぁと思って何回も回しては緩めと繰り返していたら、分かってきました。 実はリングの持ち方で動きが変わるんです。 つまり、親指と人差し指の根元の二箇所で持って回すと良く回らないんですが、指5本を使って包むように持って回すと良く回るんです。 人が持った位じゃぁ歪むわけないと思ってたのが、実は結構歪んでいたんですね。 という事でやっと組み付ける事ができました。 ついでに破壊したヘリコイドの回り止めも直しました。 ではレンズの組み付けですが、その前に、せっかくですので絞りも分解洗浄しましょう。 で、レンズも組みあがったので、シャッターテストです。 しかーし、また問題が。 巻き上げるとすぐにシャッターが切れるというか、巻き上げの最後のあたりで、シャッターがだらしなく開いて閉まって、チャージできないんです。 まぁなんと色々と問題のある個体ですこと。 これはおそらくシャッターセットのリンケージの問題ですね。 では、またもや次回に続くとしておきましょう。 今回は字が多かったですね。次もそうなるかも。
最近ミノルタAを入手しリストアしています。検索でこのサイトを見つけ勉強させていただいてます。セルフタイマーのガバナーが抜かれていたり、シャッターの戻し方向にテンションばねがあったりなど、同じ状態でした。てっきりカメラ修理業者が改造を施したものかと思ってましたら、まったく同じでしたので驚きました。セルフタイマーじゃないんですかね。
しまけんさん、コメント有難うございました。 返信が遅くなってすいません。 続けてコメント頂きましたので後のコメントにまとめて返事を書きます。 今後ともよろしくお願いします。
セルフタイマーのようなものはM級フラッシュ用の約20msのシャッター遅延を作るもののようです。
返信が遅くなってすいません。 私もこのセルフタイマーみたいなものは、前にバラした人が何かに流用するために外したのだろうと思っていたんですが、これが標準なんですね。 それにしてもM級ですか、FP級ならまだうちに球が残っているかも。 でもどうせならセルフタイマーに改造してみるのも面白いかもしれませんね。 コメントありがとうございました。