尾道発 - カメラ屋の独り言 - Presented by せいのカメラ店
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
前回の記事までで、レンズの中に泥が入っている事が発覚したフジカコンパクト35です。 なので今回は、そのレンズの分解の解説をしましょうか。 まず、レンズユニットをボディーから切り離すには、フィルム室から見てここのカニ目を外します。
[4回]
と、その前に、 シンクロの接点を外しておきましょう。 カメラを前から見てレンズの右下にあります。 赤い線がつながってるやつです。プラスネジ1本で留まっています。 レンズユニットが外れたら分解に取り掛かります。 まずは化粧板を取ります。 接着剤で留まっていますが、一箇所切り欠きがありますので、そこを取っ掛かりにして持ち上げるようにするといいと思います。 そしたら次はフォーカスリングを外しましょう。 フォーカスリングを外すには、上の写真で見えます3本のマイナスネジを取ります。 ですが、外してしまうとピントがずれてしまいますので、そうならないためにはどこかにマーキングを入れておくといいでしょう。 そしたら今度は前玉を外しますが、ピントのずれを防ぎたい場合はここでまず前玉を締め込み方向に止まるまで回します。 止まったところまでの回転数と角度を記録しておきます。 そしたら前玉のヘリコイドを緩めて外しましょう。 今度取り付ける時ですが、ヘリコイドのネジは1本でなく、数本あります。ですのではまる溝の位置を同じにしないといけないわけです。それが分かる方法として、先程のヘリコイドの締め込み結果を使うわけです。いっぱい締め込んだ時に同じ位置になるようにヘリコイドのはまり位置を調整します。 そして先程締め込んだ角度だけ戻して、これまた先程マーキングした位置にフォーカスリングを合わせれば、理論上はピントのずれは無いはずです。 が、私の場合はピントの再調整は必ず行いますので上記の色々は行いませんが。 続いて赤矢印の中玉を外します。 今回の個体の場合、かなりきつく締まっていました。ちなみに正ネジです。 これを外したら続いて青矢印のロックネジを回転させてロックを外して、緑矢印のリングネジを緩めて外しましょう。 そしたらリングが色々外れます。 一番上のカバーリングは既に外してあります。 黒いのはシャッタースピードダイヤルです。 うっすら砂が載ってますね。 で、これがガバナー制御及びシャッタースピード設定用のプレート。 これを外せば、 ガバナーが見えてきます。 ちなみに赤矢印のスプリングは先程のガバナー制御用プレートの裏に引っかかるようになっています。 ではいよいよシャッターユニットとケースの分離にかかります。 赤矢印の穴3箇所でネジ留めしてある露出制御用のリングが付いていたんですが、既に外してあります。 緑矢印のマイナスネジ3本を緩めるとシャッターユニットが外れます。 おっとその前に、ここを外しておかないとシャッターユニットが出て来ません。 はい、やっと外れました。 が、結構ひどい状況ですね。 このシャッターは二枚羽根のはずなんですが、錆と砂とかのためにどこにどういう形でシャッター羽根があるのか分かりにくいです。 ではシャッター羽根を外してベンジン浴です。 外したケースの方には絞りがあります。 が、こっちも砂と錆です。 赤矢印と緑矢印の3本で留められたカバーを取れば、絞り羽根を外せます。 こちらが絞り羽根。 一般的に絞り羽根は同じ形状のものが重なり合って、すべての羽根が隣の羽根の下に入り込むようになっていて、順番はありません。 しかしこの絞りはちょっと違います。 まず赤矢印の円弧状のものが一番上にあって、次に緑矢印の先端が長くなっているものが2枚あります。そしてその下に先の短い2枚があるというようなレイアウトです。 何でこんな形なんでしょうね。 ではでは絞り羽根も外して、 その他プレートも全部ベンジン浴行きです。 他の部分も砂とか付いていますので、しっかり洗いましょう。 錆もブラシで落として、きれいになったら組んでいきますか。