明日は明日の風が吹く

レンズシャッターカメラばっかりいじって来てますが、たまにはフォーカルプレーンもやってみましょうか。
フォーカルプレーンと言えば、前に一回「ライツミノルタCL」を分解したことがありますが、あれはドラム式であるにもかかわらず縦走りで、どちらかと言うと特殊な部類です。
なので普通の布幕フォーカルプレーンとして、今回はキャノンフレックスをいじってみようかなと言うことにしました。
十分特殊かもしれませんが。

フォーカルプレーンがいいならレンズ交換式のレンジファインダー機でもいいのではないかと思われるでしょうが、やっぱり露出計内臓が好きなわけです。
カメラとして露出が測れるものの方が好きですし、バラした時も機構が複雑になりますのでバラし甲斐があります。
レンズ交換式レンジファインダー機で、露出計を内蔵したのと言うと、キャノン7か、コンタックスIII型くらいでしょうか。ほとんどのレンジファインダー機は露出計が内蔵されていません。
もちろん機械式シャッター機での話ですが。


と言うことで、このキャノンフレックスは、シリーズ最終型の、「キャノンフレックスRM」です。
ペンタ部が低目、と言いますか、両肩が高いデザインです。
ジャミラみたい。

[17回]

このカメラには、

50mm 1:1.8が付いています。


キャノンフレックスシリーズのレンズには、絞りリングが二つ有ります。
ボディー寄りのが絞り込み用。
レンズ先端寄りのが自動絞り設定用。

はたして絞り込み用のリングと言うのは必要だったんでしょうか。
よく分かりませんが。

このカメラのその他の特徴はと言うと、

シャッタースピードと連動する内臓のセレン露出計でしょう。
一応動いているようですが、なんか動きが悪いですね。
針の振れが途中で止まるような感じです。

外観は結構汚れてると言うか、くたびれてます。
もちろんモルトも朽ちていまっす。
磨いてやったらきれいになるかな?

その他悪い所というと、どうもシャッターの動きが悪い。
まともな時はまともなんです。
シャッタースピードもほぼちゃんと切れてるようですけど、時々動かなくなるんですよ。
その症状は様々で、巻上げが動かなくなったり、ミラーが上がりっぱなしになったり、シャッターセットされなかったり。
しかも時々。
いつも同じ症状がでる場合は修理しやすいのですが、時によって症状が違って、しかもそれがいつもでなく時々しか起こらないっていうのは、とっても原因を特定しにくいです。

でもグズグズ言っていても直りませんので、早速バラしましょう。

このカメラは、巻き上げレバーが上部に付いていませんが、シャッタースピードダイヤルが有ります。

センターのカニ目を外せば速度表示のプレートが外せます。


そしたらその下からマイナスネジが3本現れます。
これを外せば、

ダイヤル全体が外れて、軍艦部カバーを取り外す準備が一つ整います。

そしたら次に、

シンクロ接点を外します。
内側のカニ目を緩めれば外れます。

巻き戻しノブはごく普通に外せます。

後は、ファインダー左の露出計調整用のサービスホールをふさぐ蓋を外せば、残ったのは4本のマイナスネジだけです。

軍艦部カバーを外すと、

まず目に付くのが矢印4本で示した金属製の帯。
これは何かと言うと、右端にあるシャッターダイヤルの動きを、左端にある露出計のメーターに伝えるための仕掛けです。
よく、麻糸が使われていたり、リンクが使われていたりと言う事がありますが、隙間を通すにはこの方法が優れているのかも知れません。

で、この金属帯は、両端が各ダイヤルに直付けされていますので、微調整はどうやるのかなと思って色々見ていたら、

メーター側の表示板自体がズラせるようになってました。

と、ここで時間となりました。続きはまた今度と言う事で。