尾道発 - カメラ屋の独り言 - Presented by せいのカメラ店
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昨日の続きです。 軍艦部を大方バラしましたキャノンフレックスです。 今回は下側をバラします。 このカメラの巻き上げ及び、シャッターセット関係の機構はちょっと複雑ですね。
[2回]
では各部の説明を、 まず、巻き上げレバーで巻き上げると、写真に見えている一連のギヤを介して最終的に赤矢印のリング状の部品を左回りに回転させます。 すると、その部品に付いている緑矢印の部品も一緒に回転します。 回転していくと、青矢印の部品に引っ掛かって、この軸を回転させます。 それによってシャッターセットが行われます。 黄矢印は巻き上げレバーのリターンスプリングです。 ぜんまいバネを使っています。 前の写真で最後に回転させられた軸の反対側は、軍艦部の赤矢印になります。 これが回転させられることで、緑矢印と青矢印のギアが回ります。 青矢印が先幕巻取り用の軸で、緑矢印が後幕巻取り用の軸です。 巻き上げレバーがすぐ横にあるんだからそこから直接つなげればいいような気もしますが、何か深い設計思想があるのでしょう。 ではまた裏に周って、 シャッター幕を外すために、シャッターセット関係の部品を外していきます。 ここのネジを外して、その下の樹脂の部品を取ります。 するとワッシャーと言いますかシムと言いますか。リング状の部品があって、その下にまた金属製のマガタマのような形をした部品がありますのでこれも取りましょう。 これら一連の部品は、この軸の四角の形状からも判ると思いますが、この四角で位置決めしてありますので、今度組む時は間違えないように記録しておきましょう。 そしてまたシムが有って、カム状の部品が有りますので、これも取ります。 で、シャッター幕を外すには他にも色々外さないといけないものが有ります。 マウント自体を外す必要はありませんが、今回はなるべく分解しようと思って外しています。マウントの下にはこのような2穴にまたがるシムと、その下にもワッシャー状のシムが入っています。 ここで本当に外さないといけないのは赤矢印の部分。 と言っても3箇所と言うことではなくて、矢印で示した部分は一体ですので、それをごっそり外します。 その前に上に見えているファインダースクリーンは外しておいた方がいいでしょう。 外さなくても取れますが。 これを外すと、 ミラー室底面に、こんなレバーと、その後に隔壁がありますのでそれも外します。 このレバーは、レンズの自動絞りセット用です。 撮影時の絞込み用のレバーでは有りません。 マニュアルフォーカス末期の一眼レフでもこれと似た形状のレバーが有りますが、その働きはシャッターが落ちる瞬間に設定した絞り値にあわせて絞り込むためのレバーです。 ですがこのカメラのこのレバーは違います。 どんな働きをするかと言うと、絞り関係の部品であると言うことは共通ですが、巻上げに連動してこのレバーがレンズ側の絞込みチャージ装置をチャージするんです。 シャッターを押すと、他の部品がレンズのほかの部品を押して、このチャージが開放されることによって設定した絞り値に絞り込まれると言う、結構複雑なやり方をしています。 では外しましょう。 外してみると、なんかどこにもテンションが掛かっていないスプリングがありますね。 もしかして、 昨日の記事の一番最後に掲載した、どこからともなく出てきた折れたスプリングの残りじゃないですか? 一連の部品を並べてみると、 間違いありません。ここのスプリングが折れていたんですね。 これがシャッター不調の原因だったのかもしれませんね。 じゃぁ、ストックパーツから似たようなスプリングを探してきて、形を修正してセットしてみましょうか。 まあまあ近い形のがありました。 これを組みなおして、もう一度シャッターが切れる状態まで組みなおしてシャッターを切ってみると、 うーん。特に改善されたと言う風でもありませんね。 仕方がありません。 やっぱりシャッターをバラしてみましょう。 続きはまた今度。