明日は明日の風が吹く

16日の続きです。
シャッターの動作確認のために、何回も空シャッターを切っていたら、なぜか巻上げが全然動かなくなったキャノンフレックスです。
仕方がありません。巻上げもバラしてみます。

巻き上げレバーを外して、カメラ底部のぜんまいバネを外せば、巻上げ部分の部品は外れます。

[2回]

外してはみたものの、

やっぱりギアはビクともしません。
この赤丸の範囲内のギアに違いないので、ここら辺を外してみます。


そしたらやっと分かりました。
このギアが固着していました。
何で急にそうなったんでしょうかね。
やっぱり油切れで削れて偏芯したんですかね。

固着していて軸からも簡単には外れませんが、なんとか軸から持ち上げると回るようになります。が、奥まで挿すと、また回らなくなります。
軸をちょっとだけ削ると、何とか回るようになりました。
何でこうなるんでしょうか。

とりあえずここは直りましたので、気を取り直してまた空シャッターで動作確認です。

ここで直すべき症状はというと、シャッターボタンを押しても時々ミラーが上がったところで止まって、そこから進まず、シャッターも切れないというものです。

こんな感じで。

なので空シャッターで確認しているわけです。
すると、どうも

ここが原因っぽいですね。
ここはシャッターセットの軸の軍艦部の裏側。
この矢印の部品が手前に回ることで、シャッターセットの軸のストッパーが外れることになって、軸が回転してシャッターが切れるんですが、このストッパーの解除が硬いんです。

ここの仕組みはどうなっているかと言うと、
まず巻き上げると、ミラーボックス側面にあるリンケージがセットされてミラーを跳ね上げる準備をします。
もちろんこの時シャッター幕もチャージされています。
シャッターボタンを押すと、まずミラーが跳ね上がる動作が行われて、その時、先程の矢印の部品が押され、それによってストッパーが解除されてシャッターが切れます。
シャッターの後幕が完全に閉まると、その動きがまたミラーボックスに伝わって、ミラーが降りてくると言う仕組みです。

ちょっと言葉だけで分かりにくいですが、この矢印の部品がストッパーを解除するのに、ミラーの跳ね上がりを利用しているのです。

なので、このストッパーの解除が固いために、跳ね上がったミラーが止まってしまっているのです。つまりミラーの跳ね上がる力がストッパー解除に対して不足していて、結果的にストッパーの解除に至らないという状況のようです。
これも油切れも考えられますが、シャッターセットされたシャッター幕の、戻ろうとする力が強過ぎてここにテンションが掛かり過ぎているのではないかと予想しました。
なので、シャッター幕のテンションを緩めてみましたら、さっきよりいくらかは改善されたみたいです。

でもまだ完全には直っていません。
では他にどこに原因が有るのでしょうか。


もしかしたらここかも知れません。
シャッターを切ると、
ミラーは黄色矢印の方向に上がります。
そしたら赤矢印の部分が、緑矢印の部分に当たって、緑矢印の部品を押し上げます。
が、ここで、新しく貼りなおしたモルトがあります。
これが抵抗になっているのかも知れません。
なのでここの部分だけモルトを切ってみました。
そしたらまたちょっとだけ改善しました。
でもまだ完全には直っていません。

では他の原因は何でしょう。

あとは、ミラーを跳ね上げるスプリングのテンションかな?

これはミラーボックスの底面。
赤の部分がこの写真の上方向(カメラでは前方向)に移動することで、ミラーの跳ね上がりの準備ができます。
そしてシャッターを切ると、赤矢印の部品が元の位置に戻る事でミラーを跳ね上げます。

このミラーの跳ね上げのために、緑矢印の2本のスプリングが使われています。
じゃぁこのスプリングのテンションを上げれば、ミラーを跳ね上げる力は強くなるはずです。
そのためなのでしょう。黄矢印のカムでテンションが変えられるようになっていますね。
写真の状態が、ほぼ最も強くなる状態です。

で、これで空シャッターを切ってみると、
うん。
直ったんじゃないですか?
多分。

でもあれ?
極々たまに、今度はミラーが跳ね上がらない事がありますよ。
今度はなんだい?