明日は明日の風が吹く

16日の記事で「オリンパス ワイド E」を紹介いたしました。
今回はレストア目的でバラしていきましょう。

不具合箇所はと言うと、
1. ファインダーかきちゃない。
2. ストラップの吊り金具がねじれている。
3. シャッターのスローがうまく動かない。
4. アクセサリーシューに緑青がある。
5. 巻き戻しレバーが曲がっている。
といったところです。

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ではまず簡単なところから。

この矢印のところが曲がっています。
とりあえず外してみましょう。


しかし、レバーの軸は、何か樹脂のようなもので埋めてあって、取れないようにしてあります。
じゃぁこのまま曲げ直しましょう。


ちょっとシワが残りましたが、まぁいいでしょう。

そしたら今度は軍艦部カバーを外します。
そのためにはまず、先程の巻き戻しレバーを外して、
巻き上げレバーも外していきます。

巻き上げレバーにはフィルムカウンターが併設してあります。
上の写真では真ん中のカニ目のネジは既に外しています。


カウンターの表示板を外すとこうなります。

そしたら、真ん中の板バネとスペーサーかな?を取りましょう。

で、この二つのネジですが、いかにも外してくれと言う風に見えますが、外さなくていいです。
このネジは、巻き上げレバーの上についている化粧リングを留めているだけで、外しても何の影響もありません。

では、真ん中のカニ目を外します。

そうすれば巻き上げレバーが取れて、その下から軍艦部カバーを留めているマイナスネジが顔を出します。

ではこのネジと、ストラップ吊り金具を緩めていけば、軍艦部カバーを外すことができます。

なんかとってもシンプルですね。

ここで新たな不具合発見です。

セレンから延びて来たであろうリード線が切れています。
これはもしや何か分からなかった穴と関係有るのでは?


と思って、軍艦部カバーの裏を見てみると、半田だけ残った端子がありますね。
赤矢印の部分です。
で、この端子ですが、軸部分を挟み込んであるだけで、引っ張ったら取れましたのでハンダを付け直して完了です。

あと、上の写真の緑矢印ですが、これは露出の換算標を裏から留めているリングネジです。
これを緩めれば、

ご覧のように換算表が外れますので、このあたりもクリーニングしておきましょう。

それと、取り付け部の穴は、

ご覧のようにD字になっていますので、はまり位置があります。

で、軍艦部に戻って、

これはファインダー。
既に上側のカバーは取ってあります。
ここに見える真ん中のマイナスネジを1本外せば、ファインダーは取れます。
そしたら、ガラスマイペットとかを吹き付けて汚れを落として、水洗いしてエアーダスターで水分を飛ばします。
この作業はレンズには非接触です。
これでほとんどの場合きれいになります。
特に金蒸着してあるハーフミラーのあるファインダーにはお勧めの手法です。
今回のファインダーにはハーフミラーは有りませんでしたし、もうちょっと頑固な汚れがありましたので、無水エタノールで拭いて、その後もう一度先程の手順を繰り返しました。

露出計はちゃんと動いていますので修理の必要はありませんが、こちらもついでにレンズの部分をクリーニングしておきましょう。

で、外してみて面白いと思ったんですが、
セレンの部分が金色なんですよ。

こんなのは初めて見ました。
普通セレンって言うと、紺色と言いますか深紫と言いますか。そういう暗い青っぽい色なんですが、これは見ての通り金色です。
しかも表面は透明の樹脂が塗ってあるような感じです。
貼ってあるというより塗り固めているという感じです。
こんな構造のセレンもあるんですね。

と言ったところで、ちょうど時間となりました。
続きはまた今度。
次はレンズをバラしに掛かります。