明日は明日の風が吹く

昨日の記事で、露出計の修理をお伝えしましたフォクトレンダー ヴィトマチックIIbです。
このヴィトマチックって、日本語表記として「ヴィトマチック」がいいのか、「ビトマチック｣がいいのか、微妙な所です。
アルファベットで書くと、「Voigtlander Vitomatic IIb」となりますので、気分としては「ヴィトマチック｣なんですけどね。「ビトマチック｣の方が検索にかかり易いんじゃないかと思います。

それに「フォクトレンダー」って言うのも読みにくいですね。ドイツ語なんでしょうけど。
本来は「a」の上に点々みたいなのがあるようですね。

とりあえず、このブログでは「ヴィトマチック｣としておきます。

と言うことで今回はシャッターのスローの粘りを直して見たいと思います。

ではまず、ピントリングの距離表示を外して、その下にあるちっちゃいマイナスネジを3本ゆるめて、ピントリングを外しましょう。

[4回]

この時、位置が分かるようにマーキングしておくといいと思います。

この写真で、黄色矢印が前玉です。これが回転することでヘリコイドに従ってレンズが移動し、ピントを合わせます。
そして、緑矢印の真鍮のリングはピントリングによって、前玉の回転に連動し、回転止めと、連動距離計への動作伝達の働きをします。
赤矢印の真鍮の部品はこの写真では分かりにくいですが、カニ目になっていて、緑矢印のリングを押さえています。

ではこのあたりの部品を外します。


外すとこうなります。
その下にある矢印の部品も外します。


するとマイナスネジが4本見えてきますので、これらを外して、絞りリング等を押さえているカバーを取ります。


緑矢印は絞りリングの直前にある感度設定リングです。
その上に、赤矢印のリング状のバネが置いてあります。


それらを外した状態がこちら。
赤矢印は感度設定リングにテンションをかけていると思われるバネです。
緑矢印が距離計に連動しているピンで、青矢印が露出表示に連動しているピンです。
続いて黄矢印の真鍮のリングを外すのですが、先にレンズを外しておきましょうか。


レンズは、マイナスネジ4本で留まっています。
その下には赤矢印のシムがありました。
黄矢印が、一つ前の写真と同じく真鍮のリング。
緑矢印が絞りリングです。
では、緑矢印のリングと黄矢印のリングを外します。


そしたら矢印の4本のマイナスネジを外してシャッタースピードダイヤルとその押さえを取ります。


するとこうなりますので、最後にガバナー操作用のプレートを外します。


はい、これでやっとガバナーたちが現れました。
赤矢印の部分がシャッタースピード調整用のガバナーです。
ちなみに緑矢印が距離計に連動する部分です。
ここが押さえ込まれることで距離計が動きます。

で、見たところシャッター羽根自体は粘ってなさそうですね。
じゃぁ、ガバナーのクリーニングだけで改善するかもしれません。
では外しましょう。


いつものようにエレクトロニッククリーナーで洗浄して、軸受け部にほんの少し注油して、それから矢印部分にグリスをうすーく塗ります。

これを組みなおすと、
おお、ちゃんとスローが効くようになりました。
若干長めのようですけど、良しとしましょう。

あとは、距離計の再調整もしときますか。

と、またしてもここで時間となりました。
続きは方今度。