明日は明日の風が吹く

さっきNHKののど自慢をたまたま見たんですが、今回の会場は沖縄県の浦添市でした。
知ってる人が出るかとも思ったんですが、ちょっとしか見なかったのでよく分かりませんでした。

ところで4日の記事で2本のインダスターのピント調整の依頼があった話をしましたが、今回はそのうちの1本、インダスター50のピント調整をしてみます。
このレンズはマウントのネジ部はライカLマウントと同じではあるものの、フランジバックがM42と同じと言う面白いレンズです。
初期型ゼニットマウントと言うらしいです。
前回も書きましたが、L→M42アダプターをつけて、うちにあるプラクチカ ノバIBに付けてみますと、無限遠が出ません。
レンズをもうちょっとフィルム面に近づける必要があります。
さて、この調整、うまく出来るでしょうか。

通常考えられる方法は、ピントリングの位置を調整すると言う方法ですが、このレンズでその方法が取れるのでしょうか。

見てみると、ピントリングの側面にはリングの位置決め用のイモネジが入っています。
これなら簡単に調整できそうです。

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ではこの3箇所のイモネジを緩めて、とりあえずピントリングを外してみます。

が、ピントリング自体にヘリコイドの位置決めの機能はありませんでした。
ただ距離指標の調整しか出来ません。

どうやらヘリコイドの位置を変更するにはヘリコイドの差し替えしかないようです。
以前にも書きましたが、ヘリコイドのネジは1本でなく、複数本のネジで構成されています。
そのはまる位置をずらすことでピント位置が調整できると言うわけです。

その前にレンズを裏返してみます。

するとこのように、まずはここを外しましょうと言ってるようなカニ目ネジがあります。
ですので外します。


するとこのように、レンズユニットと、鏡胴が分離します。

で、ヘリコイドを外すには、

緑矢印の切り込みのところに、青矢印のストッパーを合わせてマイナスドライバーを突っ込んで外します。
そうすればヘリコイドのストッパーは無くなり、何回転でも自由に回すことができるようになります。
ヘリコイドを外す前に、まずは締まり方向に回してみたのですが、すぐにストッパーの頭が当たって、ヘリコイドはこれ以上、ほとんど入り込んでいきませんでした。
と言うことは、ヘリコイドの位置を差し替えても、期待できる効果は得られないと言うことです。
じゃぁヘリコイドを外すのはやめます。

さて困りました。どうしたらいいのでしょうか。
苦し紛れに、上の写真の赤矢印のイモネジ3本を緩めてみたのですが、

リングが外れただけでした。
しかしここのリングが外れると言うことは、レンズをボディーに装着した時の指標のセンター位置の調整ができると言うことですね。
バヨネットマウントならレンズをはめた時の位置は一定ですが、M42のようなスクリューマウントの場合、レンズによって締め込んだ時の位置が微妙にずれてしまいます。
でもこのレンズのように指標位置が調整できると、センター位置を合わせることができると言うわけです。

それはそれとして、では本来の目的のピント調整をするにはどうすればいいでしょうか。

で、よく見ると、

外したレンズユニットのこの部分。
シムですね。
であれば、この厚みを調整すればピント調整ができる気がします。

ではとりあえずこのシムの厚みを測ってみます。

1.6mm程度ですね。
これを薄くしていけば、レンズはフィルムに近付いていって、無限遠が出せるはずです。
なのでとりあえずシム無しで組んでみようとしたのですが、さすがにそれでは組めませんでした。
ある程度の厚みのシムは必要のようです。
こういう場合、元のシム自体を削るのが順当ですが、もし元に戻したいと言う場合が出てきては困るので、他のものでシムを作りましょう。

という事で今日はこの辺で、
続きをお楽しみに。