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尾道発 - カメラ屋の独り言 -  Presented by せいのカメラ店



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私がみなと祭で写真を撮っている間を利用して、うちの子と妻は二人で旅行に行っていました。
フィルムカメラ好きのうちの子は、今回もレンジファインダー機を持って行くというので、ミノルチナSを持たせることにしました。
で、旅行の写真をいっぱい撮って、後で父さんに見せてねと言っていたんですが、
DSCF7669.jpg
持って帰ったフィルムを現像してみると、
う!
未露光です。

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どうしたんでしょうか。
フィルムを入れる時は二人でやって、ちゃんと入っていたはずですし、巻上げが止まってから巻き戻しましたから、フィルムが掛かってなかったと言うことは考えられません。
ではどうして。

カメラの方を見てみますと、
あれ?
シャッターが開いていませんね。
これが原因のようです。

せっかくいっぱい撮って来てくれたのに、私の整備が行き届いていなかったせいで、残念なことになってしまいました。

でも写っていないのだから仕方がありません。
ではこんな残念なことが怒らないように、もう一度整備しましょう。

それではシャッターのオーバーホールに取り掛かります。
DSCF7661.jpg
レンズ前群と後群を外します。
後群を外した奥にあるカニ目を外せば、シャッターユニットとヘリコイドが分離できます。

そしたら上の写真に見えている、シャッターセットと、レリーズ用のリンケージをそれぞれ外しましょう。

DSCF7663.jpg
そしたら、絞りのリンケージを外します。
赤矢印の2箇所のマイナスネジを外せばOKです。

DSCF7665.jpg
外れたら、ユニット周りのリングを外しましょう。
赤矢印の5箇所のマイナスネジを外します。
それが外れたら、いよいよシャッターユニットのケースと内部の分離です。
緑矢印の3箇所のマイナスネジを外します。

と、その前に、
DSCF7667.jpg
シャッターユニットの表に周って、落ちそうな部品を外しておきましょう。
赤矢印の部品を外しとけば大体いいと思います。

で、ケースとシャッターユニットを分離してみるとですね。
シャッター羽根には油がまわって、くっ付いていました。
そうでしたか。

DSCF7713.jpg
で、こちらがシャッターユニットを外したケースの内側です。
絞りを動作させるプレートにも少し油がまわっていますね。

ではまずはシャッター羽根をベンジン浴して、
DSCF7714.jpg
絞りや、その周辺もベンジンで脱脂しましょう。

ところでこのカメラのシャッター羽根って、6枚ありますね。
動作するところは5箇所なんですが、枚数は6枚です。
なので一番最初と最後は重ねることになりますね。

脱脂が終わったら組みましょう。
参考までに少し詳細をお伝えします。
R0013908.jpg
ここのスプリングが外れてしまうこともありますので、掛け方を。
赤矢印の部分が隠れていますが、シャッターのリンケージに掛けます。
もう一方は、緑矢印のように、ケースの壁面に当てます。

R0013911.jpg
次に、レリーズのレバーのスプリングの掛け方です。
軸近くから出ている方は赤矢印のように近くのレバーに、
そして反対側は壁面に当てます。

R0013912.jpg
レンズユニット最後部のシュラウドの締結は、矢印のネジを締めて行いますが、強く締めるとヘリコイドがひずんで動きにくくなりますので、留まる程度にしておいて下さい。

R0013918.jpg
それと、露出計がどうも振り過ぎるんですよ。
だからそれを信用するとアンダーになってしまいます。
オーバーになるならまだましですが、アンダーだとプリントでも対応しにくいです。
なので元々付いていた固定抵抗を外して写真のように可変抵抗をつけました。
元々付いていた抵抗をテスターで測ると、8kΩ程、ですので手持ちの中から50kΩの可変抵抗を使いました。
そこまで大きくなくてもよかったのでしょうが、その下は10kΩでしたので、足りなかったら面白くありませんからね。
多分抵抗値は15kから20kΩあたりになったと思います。
これで大体適正になりましたので後は実写で確認しましょう。

シャッターのテストも必要でしょうし、暇な時にでも持ち出してみましょうか。

あ、それと、そうそう、今回もキリ番を踏んだ方のログは残りませんでした。
もし自分が踏んだはずと言う方がおられましたら名乗り出て下さい。
このキリ番機能はJavaを切っていると反応しませんので、キリ番を狙う方はオンにしておいて下さい。
では次回は「44444」でいきましょう。

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◎ ウチのミノルチナS

今回の記事を拝見して気になり、ウチのミノルチナを引っ張り出しました。シャッターを押すと、おやおや開きません。(連鎖反応でしょうか)前のメンテでベンジン浴してますので、変ですね。分解チェックしました。シャッターユニットの注油で回復しました。めでたし、めでたし。
しかし、こちらは露出計セレンがへこたれておりますので、そのうちいつか交換を・・・

勢理客館長 2011/05/08(Sunday)11:51:35 Edit
◎ Re:ウチのミノルチナS

勢理客館長さん、コメントありがとうございます。
回復してよかったですね。
ミノルチナSのシャッターは、どうも良くグズル気がします。毎日使えと言う事なのかもしれません。
露出計の方はうちのも調整が難しい感じです。
針の振れが弱いようでしたら抵抗を外してみるなどで良くなるかも知れませんね。

【2011/05/0813:17】
◎ 無題

いや~、とことん原因究明しますね。しかも修理・修正まで・・・。
やはり、どこかで勉強されたんですか?それとも、今までの経験が元なんですかね。
それと、44444狙います!

やまちゃん 2011/05/08(Sunday)17:56:54 Edit
◎ Re:無題

やまちゃん、コメントありがとうございます。
カメラについては全く勉強した事はありません。
ただし、ヒストリックカー関係の仕事もしていましたので、古い車ならバラバラにして組みなおすぐらいは出来ます。
その時に思ったのは、人が造った物を人が直せないはずがないと言うものです。
ですから機械式のものであれば、車であろうとカメラであろうと、直るはずだと確信しています。
それと、直った時の充実感はいいものです。

【2011/05/0822:02】
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