明日は明日の風が吹く

前から欲しいと思っていたフレクトゴン(Flektogon)35mmをとうとう手に入れました。
しかしこのレンズ、人気がありますので少々お高いのです。
ネットオークションでだいたい3万円前後。
そんな高いものは遊びで買えません。
だから今までいいなぁと思いつつ、オークションをながめているだけでした。
しかし今回なぜ買ったのかといいますと、それはもちろん安かったから。
なんで安かったかといいますと、ジャンクだからです。
では早速直しましょう。

まずは歪んだフィルターネジを修正しなければいけません。

[6回]

完全に修正なんてできませんので、前玉の周りにある化粧リングが外せたり、フィルターが取り付けられるようになればいいわけです。

それを修正するには上の写真のように、樹脂カバーの付いたプライヤーを使うのがいいです。
プライヤーで少しづつ曲がった所を直していきます。


とりあえずフィルターがはめられるくらいには修正できましたので、よしとしましょう。

そしたら化粧リングを外して、そして今回は今修正した筒状の部品を外しておきましょう。


では半分だけ残っているヘリコイドを外します。
ヘリコイドを外すには赤矢印のリング上のネジを外します。
そしたらヘリコイドが前方に抜けてきます。


ヘリコイドが抜けたら、今度はレンズ前群を外します。


次にユニット側をひっくり返して、矢印のマイナスネジ3本を外して、レンズユニットのガイドを外します。
これは本来の分解方法とは違います。
ヘリコイドが勝手にバラけてしまったのでこのような方法をとりましたが、本来なら、ヘリコイドはバラさずにこのネジを外します。

通常のバラし方は2010年11月22日の記事を参照してください。

では次に、

矢印の筒状のカニ目ネジを外します。
これは本来、絞りがバラけないように押さえている部品です。
ですが今回のレンズは既に絞りがバラけていますので気兼ねなく外します。


筒状のネジを外して、絞りのカバーを外すと、その下には矢印のように絞り羽根の位置決め部品が入っていました。
これが無かったらどうしようかなと思っていたところでしたが、これでおそらくすべての部品が揃っていることが確認できました。
となれば、あとは部品を洗って組み直せばいいです。
これで使えるなという実感を得ましたので、作業も楽しくなります。
早く組み上げて撮影したいところです。


では絞り羽根を組んでいきます。
この写真では見えませんが、赤矢印のリング上の部品にはスプリングでテンションを掛けるようになっています。
ですがここでは、ベースの部品にのみスプリングを掛けておいて、赤矢印のリングには掛けずにおきます。

そして外側の黄矢印のリングですが、この写真では間違って裏にセットしています。
外周に切り欠きが大小あわせて7カ所ありますが。
一箇所をベース部品の切欠きに合わせておきます。
この写真で言うと、一番左側の切欠き部で合わせています。


これは絞り羽根を組み終わった状態です。
組み終わったら、ユニットのケースにはめますが、この写真のようにフィルムのピーケースに乗せてやると作業しやすいです。


ケースにはめて裏返した状態がこちら。
先ほど触れたスプリングが赤矢印。
これを黄矢印のところに掛けます。


そしたら赤矢印のリングを載せて、黄矢印の筒状のネジで全体を固定します。

ヘリコイドは古いグリスを落として、新しいヘリコイドグリスを塗って組みます。
このレンズの場合、ピント調整がかなり自由に出来ますので、適当に組んどけばいいです。多分。


そしたらあとはどんどん元に戻して行きましょう。
レンズユニットのガイドは、赤矢印のように鏡胴にハマる位置が180度反対にも出来ますが、黄矢印の絞りリングとの連動部が指標の側に来るようにします。

組み終わったらピント調整してリペア終了です。
欠品もなく、ちゃんと動作するレンズに復活しました。
そうそう、今回のジャンクレンズ、4千円あまりで買いました。
安く手に入れることができてよかったです。


マウントアダプターを介してα900につけてみました。
なかなか良い感じですね。

せっかくなのでちょっとだけ写しました。

かなり寄れますね。
ボケもいい感じです。
早く持ち出して撮影したいですね。