明日は明日の風が吹く

中高校時代は寮生活をしていましたので、音楽を聞くのも他の人の迷惑にならないようにヘッドフォンで聞くことが多かったんです。
私もヘッドフォンをラジカセにつないで使っておりましたが、使っていたヘッドフォンは全体が黒いプラスチック製の簡単なもので、イヤーパッドもただの黄色いスポンジでした。
見た感じかなり安げなものでした。
ところで今回は、ヘッドフォンの修理です。

スポーツ向けのゼンハイザーのヘッドフォンPMX80です。

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症状はどうかといいますと、音がでません。
多分断線でしょう。
イヤフォンジャックにつないで確認してみると、左だけ音が出ないようですね。


赤矢印や黄矢印のとこらへんが怪しそうです。
しかしこれを修理するより別のを買った方がいいのではないかとも思うんですが、オーナーさん曰く、これがいいのだとか。

断線だからといって、簡単に直せるかどうか。
と思って見てみると、

プラスネジがありますね。
これを外せば何とかなるかも。


すると、ツルの部分は外れたんですが、もうちょっとバラしたいですね。
耳あてのゴム状の部品を外すと、スピーカーがポロンと出てきました。
そしてその奥にもう一つプラスネジがありますね。

しかし、このネジ、かなり錆びてますけど。
スピーカーの周囲も白く粉を吹いたようになっていますね。

これは一体？


外した耳あてを裏返してみると、この通り、
これはもしかすると、血と汗の結晶ならぬ、汗の結晶ですか。
汗の塩分でネジが錆びたんですね。

もしかして聞こえなくなったのもそのあたりに原因があるのかも。

で、スピーカーにつながる線をよく見てみますと、

矢印のあたりの線がほつれてつながっていないようです。
こういう動かないところがどうして断線するんでしょうね。やっぱり塩分でやられたか？
このヘッドフォンに使われている線はチョット特殊で、一番外側にオレンジの皮膜はあるものの、中にある4本の線には皮膜がないように見えます。
実はこれは、細い線1本1本がエナメル線と同じように薄い皮膜がついた状態になっているんですね。
そしてそれを束ねて芯になる糸に巻いてあるという感じです。
全体を細くするための仕様なんでしょうね。
その分切れやすかったり、塩分に弱かったルするのかもしれません。

とりあえず原因は分かりましたので、ケーブルは全体的に短くはなりますが、ほつれた部分を切って、繋ぎ直せばよさそうです。

と思ってケーブルの皮を1.5cmほどめくってみますと、

あれ、ここも断線していますよ。
最初に疑っていた部分です。
やっぱりここも逝ってましたか。

では仕方がありません。
ケーブルをここまで切断します。
つまり5-6cm短くなりますがこれ以外の方法だと、ケーブルを新しくするしか有りません。

と言うことで切断してハンダを付け直します。

青い線は赤矢印の位置へ、緑線は黄矢印の位置へ。
しかし元々の半田付けは結構雑ですね。ゼンハイザーなのに。
コストダウンの波には勝てませんか。

とりあえずこの状態でイヤフォンジャックにつないでみますと、
おお、
ちゃんと音が出ました。

ではついでに、右側も見てみましょう。

だがしかし、こちらのネジは全く錆びてないですね。
でもなぜかチョット緩んでいるようです。
と言うことでこちらのネジを締めなおして、
左側のネジもサビをある程度落として元のように組み直しましょう。
切断しなかった右側用の線が長くなってしまいましたので、左のスピーカーの裏の方にまとめて収めておきましょう。


そしたらはい、ゼンハイザーPMX80、修理完了です。
ケーブルは短くなったけど。