明日は明日の風が吹く

いつかは持ちたいカメラとして、一番にあがってくるのはライカかもしれません。
うちにも何台かのMシリーズがありますが、それは父親のもので、残念ながら私個人所有のものはありません。
ライツミノルタなら時々使っているんですけどね。
でもどうしてライカは人気なんでしょうね。
ところで今回は、そのライカでも根強い人気を保っているバルナック型と呼ばれる機種のご紹介です。

私も1台、バルナックが欲しいなと思っているところです。

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バルナック型は日本のカメラメーカーに大きな影響を与えましたよね。
当時バルナック型を模範にしたカメラがたくさん造られました。
しかし、それは技術を高めてより良いものを造っていこうとする向上心によるものですね。
最近時々聞く、粗悪コピーで儲けようというのとはまるで意識が違います。

ではなんでそんなにライカを手本にしようとしたのでしょうか。
そしてこの古いライカのカメラは、なぜ今でも人気があるのでしょうか。
スペックだけを見ると、他のカメラと大きく違うところはないはずなのに。

さて、今回のカメラを見てみましょう。

バルナック型は戦前から造られていて、様々なバリエーションがあります。
その中でこの機種はIIIcと呼ばれるタイプのようです。
それ以前のタイプとの違いは、軍艦部の平面のレベルでファインダー前にもプレスラインが入っていたんですが、このモデル以降は全面がツライチになっています。
そしてより新しいモデルとの違いはというと、IIIdというモデルはごく少量の生産でしたので別として、IIIfでは、巻き上げダイヤルの上にフィルム感度を表示できるようになっています。


レンズの横にある小さいダイヤルは、1/30秒以下のスローシャッターのみの調整ダイヤルです。
このカメラには沈胴式のレンズがつけられています。


シャッターボタンの左にあるダイヤルが1/30秒より速いシャッターのスピード設定ダイヤルです。

そしてファインダーののぞき窓は2つあります。
右側が普通のファインダー。
左側が距離計用のファインダーです。


フィルムの出し入れは、底蓋を開けて行います。
その中に書いてあるように、フィルムを入れる時は、長く切り込んでやらないとうまく入れられません。
ま、他の方法は幾つかあるんですけどね。


巻き戻しノブの下にあるレバーはなんでしょう。
右へ回すと無限。
実はこれ、距離計用ファインダーのピント調整用レバーなんです。
面白いですね。

さて、ライカはなぜ人気があるのかという話ですが、
私が思うに、一番の要因は持った時に手に馴染むから。
この大きさと形状は実に秀逸で、持っただけでいいなと思わせてくれます。

もちろんその他にも操作系の感触の良さであるとか、作り込みの良さとかもありますが、
私にはやっぱり、持った時のしっくり感が一番のように思います。
ずっと以前何かで読んだことがあるのですが、
ライカは一旦インチで設計されているとか。
その後メートル系に変換して図面化しているのだとか。

メートルは地球を基準にした単位系ですが、
インチは体を基準にした単位系です。
ですので、インチで設計すると体に馴染みやすいんですね。
イギリスの車もインチ系で設計されています。
だから古いイギリス車は乗って楽しいのでしょうね。

ところで、今回のカメラは修理依頼品です。
距離計の二重像がほとんど見えなくなっていますし、距離計も合っていません。
それとシャッターもチョット気になるところ。

私もジャンク品とかで安いものでもあれば、一台欲しいものだと思うところ。