尾道発 - カメラ屋の独り言 - Presented by せいのカメラ店
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前回の続き。 なんだかいろんな部品がバラバラになって鏡胴内に詰め込んであったライカ・バリオエルマー28-70mm。 それらのバラバラの部品は一体どこに戻せばいいのか。 ちょっと考えながら組まないといけませんね。 レンズ内から回収したバラバラの部品がこちら。
[5回]
針金状の部品は、それも同じ円弧状になっていて、4本発見しました。 その隣にあるのが最後に取り出した真鍮のリング。 よく見るとネジ状になってますね。 何かとハマることは予想できます。 で、こちらが回収できたベアリング。 1個は絞りリングのクイック用ですので、その他のものが7個発見できています。 さて、これらの部品はどこにどういうふうに付くんでしょうか。 ベアリングはやっぱり可動部でしょうね。 そして針金状のものは円周上の溝でもあればはめられそうな気がします。 で、外したというより、外れていた部品をよく眺めていますと、 なんかこんな感じで、針金状の部品とベアリングが付きそうな感じがしてきましたよ。 つまりこのリング状の部品を回転させるためにベアリングを入れているけど、全周入れずに、スペーサーで対応している。といった感じですね。 では軽くグリスを塗って、ベアリングが落ちないように、 もう一つ外れたリング(青矢印)と合わせてみましょうか。 そして真鍮のリングネジ(黄矢印)で締めれば、 形になったんじゃないですか? でもちょっと動きが悪いですね。 真鍮のリングネジをいっぱいに締め込むと回転が悪くなります。 これはもしかするとちょっと緩めておくのかな? いやいや、そしたらそのうち外れる可能性が高いですよ。 ではもしかすると、針金状の部品のちょっとした歪みが、回転を悪くしているのかもしれません。 歪みがないように修正してみましょう。 で、また組み直して、 うん、かなり良くなりました。 やはり部品の歪みですか。 もうちょっと微調整したら、ちゃんとストレス無く動くようになりましたね。 これを組み付けて、ズーム部分はちゃんと動くようになりました。 後はフォーカスリングのスカスカ感。 グリップ部分をはがしてみると、ここはシグマの流儀、テープで固定してありました。 このテープを剥がしますと、 フォーカスリングが分離しますので、レンズ前群と一緒になったヘリコイド部分が外れます。 みてみると、ヘリコイドグリスが全く入っていませんね。 これは明らかに、前に分解した人が途中でやめて、適当に組むだけ組んだという感じです。 でも欠品は無さそうなので、ヘリコイドグリスを塗って組みなおせばよさそうですね。 そして最後のピント調節ですが、フォーカスリングをテープで止めているのでものすごく簡単に調整できます。 テープで留めてあると思うとちょっと疑問を抱くかもしれませんが、この方式は秀逸です。 調整した後テープで固定すればいいわけですから。 という感じで、バリオエルマーの修理、完了です。