明日は明日の風が吹く

欧州車では、ガタンという音とともに、窓が落ち込んでしまうということもよくあるんですが、そういう時はとりあえず、ドアサッシの上からガラスを挟むようにテープで固定しておきましょう。
ところで昨日の記事で、窓が動かなくなってしまったことをお伝えしましたS60ですが、どうにかウインドーレギュレータを外すことはできました。
外したら窓が落ちてきますので、とりあえずテープで固定しておきましょうというわけです。
では今回は、そのウインドーレギュレーターが直るのかどうか悪あがきをしてみましょう。

破損しているのは緑矢印のプーリー。
ワイヤーも緩んでしまっていますので、ちゃんと巻くことが出来るのか、まずはモーターを外してみましょう。

[16回]

モーターを外すには、

赤矢印の3本のトルクスネジを外します。


外してみると、プーリーから外れて巻き付いたためにワイヤーは曲がっています。
でも幸いほつれてはいないようですね。
これならペンチ等でワイヤーの曲がりを直してやれば、巻き取りプーリーにはちゃんと巻けそうです。

でも最大の問題の、破損したプーリーはどうしましょうか。

破損したプーリーを手で引っ張ると、軸受部が割れていましたので、すぐに取れてしまいました。
しかし再利用はできませんし、軸だけ残ってしまっていますね。

そこで、なにか代用できるようなものはないかなぁと思ってホームセンターへ。
こんな感じの樹脂製のプーリーって、なんかどこかで見たような気がするんですよね。

と思って色々物色していて、目についたのがこちら。

これは何かと言いますと、網戸とかの戸車です。
網戸やふすまの戸車は、いろんな種類がありますが、その中からこれを選んでみました。
直径は小さいですが、しっかり溝があってワイヤーもちゃんと掛かりそうですし、片持ちの軸で、ネジ留めできるようになっています。
2個入りで398円。
うまく行けばこれが使えるかも。


袋から出してみるとこんな感じ。
裏側からネジ留めできるようになっています。


こちらはその軸。
上側からネジ留めします。
そして取り付け面には見て分かるように切り欠きがあって、これに合わせた穴を開ければ、回り止めになりますね。

ではレギュレーターの方を加工してみましょう。

元のプーリーの軸自体もカシメてありましたので、キリで揉んで飛ばしました(黄矢印)。

そしてその上部にはおあつらえ向きに2箇所穴が開いていますね。
その穴をヤスリで削って、先程の戸車の軸がはまるように整形してみました(赤矢印)。
そして、整形した穴に軸をはめて戸車をネジ留めした状態が緑矢印です。

戸車1個では、アールがきついですし、この位置で1個ではワイヤーに緩みが出てしまいますので、せっかく穴が2個ありますのでそれを利用して、戸車も2個つけることにしましょう。


と言うことで、取り付けた状態がこちら。
なんかサマになってますね。
見た感じいけそうじゃないですか？

では戸車流用のプーリーにワイヤーを掛けて、巻き取りプーリーにもワイヤーを巻いて、モーターを組み付けてみましょう。
ワイヤーの長さについては、テンションが掛かって、ある程度の長さは勝手に調整されるようになっていますので問題ないでしょう。

と言うことで組み立てた状態がこちら。
なんかうまく行っている感じに見えますね。

車に持って行って、カプラーをつないで動作確認してみますと。
おお！
ちゃんと動きましたよ。
ではでは車に組み付けましょう。

外したリベットは真鍮リベットのようでしたが、そんな固いリベットは手で打つことは大変ですので、アルミリベットにしておきましょう。
組み方は昨日の記事の、取り外し方法を参照して下さい。

と言うことで組み付けたレギュレーターを動かしてみますと、

ちゃんと動きますね。
動きもスムーズ。
OK。
チョット悦に入りましょう。

部品代398円 + リベットで
ウインドーレギュレータの修理完了です。