明日は明日の風が吹く

10月28日に、うちの子と鞆の浦まで自転車ツーリングをした話を、これまで3回に渡って書いてきましたが、今回が最終回。
と言っても、もはやツーリングの話しではありません。
と言うのも、そもそもは鞆の浦往復50kmのツーリングの予定だったんですが、途中の峠が思いの外きつく、ついでに鞆の浦-尾道間の船があって、その船に自転車も載せられるということを発見してしまいましたので、うちの子はすでに戦意喪失。

まぁ、船に乗るのもいいけどね。

[2回]

帰りの船は、鞆の浦発14:15。
ですので14時ごろから待っていたんですが、一向に船が来ませんね。
どうしたんでしょうか。
他にも船を待っている人がいましたが、その人たちはここまで待っても来ないんなら、もう来ないんじゃないかとか言ってます。
確かに、自分も不安になってきました。

桟橋近くの待合所の方に行ってみると、運行関係の方らしき人が居られましたので、聞いてみると、遅れているけど来るんだそうで、まぁそれならいいかと思って、もう暫く待つことにしました。
でもただ待っているのも面白く無いので、港の外が見えるところまで行って見ていましたら、間もなく船は来たのでした。

ではでは、船に乗りましょう。
自転車はスタンドで立てているとコケてしまいますので、始めっからコカしておきます。

船内に入ってみると、うーん、ちょっと古い船ですね。
ま、いいけど。
では鞆の浦を後にして、尾道へ出発。

すると船長さんが、マイクで喋り始めました。
どうやら色々解説してくれるようですね。
まずはどうしていつもより遅れてしまったのがを説明しているんですが、
それによると、今日は波が高くて、速く走れないんだとか。
たしかに、モーターボートのように、バッタンバッタン言って走っていますね。

それから鞆の浦のこととか、阿伏兎観音のこととか、

解説しながら、そういう場所に船を近づけてくれます。
ですけどね、この解説がなんともたどたどしいんですよ。
話してる内容はとぎれとぎれで、結局何が言いたいのかよく分かりません。
でもそのたどたどしさが激しすぎて、聞くこと自体を楽しんでしまいたくなります。


時々、解説用のテープ音声も流すのですが、その説明にかぶせて喋ったり、他のことを喋って、
「すいません、マイクが入っておりました」
と言ったり、とにかく内容よりそのいい加減さが気になってしまうんです。


しかしこの喋りというのは、やるように会社に言われているのか、それとも良かれと思って個人的にやってくれているのか。
理由は分かりませんが、普通に考えると不要です。
テープの解説だけでいいと思うことに加えて、あまりにも聞き苦しい。

ですけどね、なんでか知らないですけど、その妙な喋りそのものを面白く感じてしまいます。
あわよくば、これがこの船の名物にならんことを。

そうこうしているうちに、尾道駅前の桟橋に着きました。
と、着いたと同時に雨が降って来ましたよ。
しかもかなり強い。

どうしましょか、
ここからは自転車で帰らないといけませんし。

まぁとりあえず駅前渡船に乗りましょうか。

幸い、雨は降ったりやんだりのようですから、その隙をうまくつけば降られずに帰れるんじゃないでしょうか。
さっき乗ってきた「ジュゴン」は、すぐに折り返し、また鞆の浦に向かっています。

しかし、帰りは船にしましたけど、自転車で帰っていたら、この雨に降られて大変だったことでしょう。
一応カッパは持って行ってはいるものの、雨の中での走行は何も楽しくありませんからね。

帰りの船賃はと言いますと、大人一人1500円、子ども750円、自転車が1台150円。
合計2550円でした。
それと、この船、土日祝日のみの運行のようです。

雨の中を走らずに済んだし、海からの景色も楽しめたし、自転車も載せられたし、
ナレーションもある意味楽しめたし。
思ったよりいい船旅でした。