明日は明日の風が吹く

先日、うちの子がカメラのレストアに挑戦するということで、ペンEEをバラした話を書きました。
しかし露出計のメーターが破損しているということで、これではちょっと小学生の手には負えなくなってきましたので、父さん預かりということにさせて頂きました。
ということで今回は、露出計も連動距離計もないジャンクカメラをレストアしてみましょうか。

選んだカメラはこちら。
ピジョンIII型ですね。

[1回]

症状はといいますと、シャッターがどうもうまく開いてない。
特にスローがおかしい。
それから、ピント合わせができない。
つまり、ヘリコイドが全く動きません。

まぁ、これぐらいならなんとかなるでしょう。
あとは好きにバラさせて、分からなくなったら教えましょうか。

そして今回は、バラした様子をちゃんとデジカメで撮っとくように言って、
ではバラしてください。

ということで、今回の写真は全てボクの撮影です。


フィルム室はこんな感じ。
巻き上げレバーが独特ですね。


まずは軍艦部からバラしましょうか。
それほど複雑ではありませんので、道具さえあれば小学生でもバラせますね。


軍艦部は二重構造になっているんですね。

軍艦部をバラしたら、
というか今回は軍艦部はバラさなくても良かったんじゃないのかなぁ？
ま、いいや。


軍艦部をバラしたら、次はレンズユニットを外しましょう。
レンズユニットは外すために革を剥ぐ必要があると思ったんですね。
しかしこのタイプの革は硬化してますのではがすとピキピキ割れてしまいます。
元の革は型押しがしてあるので、維持したかったところですが仕方ありません、後で貼り替えましょう。

レンズユニットを外すには、フィルム室側から4つの丸いクボミのあるリングネジを外せば良かったようです。



ではレンズ前群を外して、シャッターのガバナーにアクセスしてみましょうか。


うーん。
よく見てみると、いろんなところが摩耗して痩せてますね。
かなり使い込まれたカメラのようです。
もしかすると、撮影を仕事としている人が使っていたのかもしれませんね。

このままでシャッター全体にエレクトニッククリーナーを掛けて洗浄してみましょう。
古くなった油はこれで洗い流せます。

すると、高速側のシャッターはちゃんと動くようになりました。
が、スローがダメですね。
あとはセルフタイマーもうまく効いていません。

このあたりはちょっと難しいので、父さん預かりにしましょう。

ではボクは残りの不具合、ヘリコイドの固着を直しましょうか。


レンズが外れてヘリコイドだけになったボディーがこちら。
レンズ周囲のカバーを外さないとヘリコイドは外れないかな。


カバーを外して、そして、ボディー前側を外して、
これでやっとヘリコイドが外せるようです。
やっぱり革は、剥がさないといけなかったみたいね。


しかしこのヘリコイド、
本気で固着しています。
まったくもってビクとも動きませんね。

これは外すのにちょっと時間がかかりそうです。
煮るなり焼くなりが必要かも。

ということでこれも父さん預かりですか。
でも修理は予想外のことがあって、結構楽しいですね。