明日は明日の風が吹く

クラカメの修理をやっていますと、予想していないところが故障していたり、修理をしたために、他がおかしくなったりということがあったりします。
でも、それも楽しい。
という事で、マミヤ35の修理レポートの続きです。
前回までで、レンズのクリーニングを行いました。
では、ヘリコイドを分解して行きましょう。

矢印の部分にヘリコイドの位置決めの部品がありましたが既に外しています。

[5回]

ヘリコイドを外す時は、元の状態を復元すやすいように、無限遠の時の位置であるとか、ピントリングを外してさらに回した時にどこまで回るかとか、
いろんな事を記録しておくといいです。

ではメインのヘリコイドを外して、ピントリングも外して行きましょう。

見ると、かなり自由に位置調整ができるようですね。
赤矢印は、ピントリングの位置調整用のネジですが、相手の穴は、全周に開いていて、ごの位置でも調整できるようになっています。
と言うことは、もしかしたら、メインのヘリコイドのはまる位置を気にしなくても、組み付け時の調整で合わせられるのかもしれません。

では更にバラします。

これで、ヘリコイド関係の部品は全て外せました。
では洗浄して、新しくヘリコイドグリスを付けて組み直します。

組むのは今までの逆の手順で、
そして可動部のなどにサビが出ているところもありますので、それらはサンドペーパーなどで磨いてやって、機械油か、グリスを薄く付けておきます。
あまりしっかり付けてしまうとかえって抵抗になりますので、軽めの機械油がいいかもしれません。

という事で組み上がりましたので動作チェック。

が、どうもバルブが変ですね。
ちゃんと動作することもありますが、シャッターボタンを押さえたままなのにすぐにシャッターが閉まってしまうこともあります。
うーん。
こういう、時々起こるというのが一番困ります。
が、もう一回バラして、シャッター部分も確認してみるしか無いでしょう。

では、途中は割愛して、シャッターユニットだけになった所から。

赤矢印の円形のプレーを回して、欠けた部分が内側に来るようにします。
そしたら黄矢印のカバが回せますので、左に少し回せば外れます。


こちらが外れた状態。
矢印のシャッタースピード設定ダイヤルを外しますが、少し外しにくいので、


裏返して、ここの部品を外しておく方がいいでしょう。


これでシャッターのガバナーなどがよく見えるようになりました。
まずシャッターセットは、青矢印の方向に、このレバーを回します。
そして、緑矢印の方向にこのレバーを押すとシャッターが切れるわけです。

バルブの時は、黄矢印の部品が作用して、シャッターが閉まらないようにします。
が、見ていると、この黄矢印の部品の動きがどうも悪いみたい。
ちゃんと確実にいつも同じようには動かないんですね。

ですので、よくよく観察していますと、
どうやら赤矢印のスプリングの、ちょっとした位置の問題で、黄矢印の部品が時々引っかかっているようなんです。
ですので、赤矢印のスプリングを、もう少し奥に入るようにしてやって、黄矢印の部品に当たらないようにしてやりました。
これでちゃんと動くようになったようです。

ではまた元通りに組み直しましょうか。

組み上がって動作を確認してみますと、
うん、今度はちゃんとバルブも働いています。

では最後にピント調整。
まずはフィルム面にピントグラスを当てて、レンズの無限遠を合わせます。
やはりこれは、調整の自由度が高いことで、結構調整に時間がかかりました。
この自由度は何故あるのかといいますと、
巻き上げに寄るシャッターセットや、シャッターボタンのリンケージが通る穴が、結構ギリギリの大きさに設計してあるんですね。
ですので、そこをちゃんと調整しとかないと、ピントリングを回した時にそれらのリンケージと干渉してしまうことになるんです。
そうならないために、自由度の高い調整代があるようです。

で、最後に、ファインダーのピント調整をしましょうね。

矢印のところに距離計調整用のサービスホールがあります。
ここにマイナスドライバーを突っ込んで合わせます。

と言った感じで、マミヤ35、修理完了です。