明日は明日の風が吹く

一眼レフの定義に始まった「デジタルカメラ分類形態学」ですが、なかなか結論が出せないまま時間が過ぎてしまいました。
ここらでちょっと結論を出してみますか。

[2回]

デジタルカメラの発生は、フィルムが撮像素子に変わっただけではなく、撮影画面のリアルタイムビューをもたらしました。そのため、銀塩カメラでは、当たり前のように存在していた「ファインダー」が、無くてもいいものになってきました。
その影響で、これまでのカメラの分類で重要視されていた、ファインダーでの分類があいまいになって来たことは、すでに感じておられる方も多いでしょう。
例えばフォーサーズ規格のカメラが一眼と名乗ったり、一見一眼レフのように見える液晶ファインダーを備えたカメラがコンパクト機と分類されていたりと言うことが起こりました。

これらのことにより、カメラの機能や目的を捉える事に関して不明瞭な状態を作ってしまいました。

そこで「デジタルカメラ分類形態学」の考察にいたったわけです。
今回は、その基礎となるべく、分類チャートを作ってみました。
マイクロフォーサーズ規格のカメラと、高級コンパクトと呼ばれるカメラの使われ方が極めて近いと予想できること、そして、液晶ファインダー内臓のカメラは、コンパクト機と呼ばれるカメラとは明らかに使われ方が違うことなどを考慮し、そしてやはり撮影画面の確認方法に着目して、下記のようにしました。

なお、各属には、亜属として「レンズ交換式亜属」「レンズ固定式亜属」があるものとします。
また、撮像素子の大きさや種類の違いは、種の違いと判断されるべきだと考えますので、属以上の分類に含まれないものとします。

これに習って、EOS 5Dの分類をすると、
映像記録界、スチール門、カメラ綱、デジタルカメラ目、レフレックス科、一眼レフ属、レンズ交換式亜属、Canon EOS 5D
となり、

Olympus PENは、
映像記録界、スチール門、カメラ綱、デジタルカメラ目、ライブモニター科、背面液晶属、レンズ交換式亜属、Olympus E-P1
となります。

液晶ファインダーが外付けで付けられる機種も基本は背面液晶ですので、「背面液晶属」に、コンパクト機で光学ファインダーが付いているものに関しても、背面液晶がライブ映像を表示するのであれば同じく「背面液晶属」に分類することとします。
古いデジタルカメラなどで、液晶でライブ映像が見れないものに関しては「ビューファインダー属」に入れた方がいいと思います。

また、銀塩カメラの場合も、ほぼこの分類と同様と考えられますが、「ライブモニター科」が存在しません。ですがその代わりに、「ビューカメラ科」と言う分類が出てきます。


以上の分類形態から、一眼レフの定義の発端となったマイクロフォーサーズは、一眼レフに分類されません。
また、これまでデジタルカメラの分類を困難にさせていた要因の一つに、「コンパクト機」と言う言葉があります。
ここでは、「コンパクト」と言う言葉は、そのカメラの性格であって、分類には左右されないものと考えます。
これまでの分類の仕方は、「一眼レフ」と「コンパクト」とされていましたが、「一眼レフ」が光学系に着目した言葉であることに対して、「コンパクト」はカメラの状態を表す言葉であるのですから、根本的に分類になっていないと言えるからです。

以上が、「デジタルカメラ分類形態学」の考察です。皆さんいかがでしょうか。