明日は明日の風が吹く

絞りが動いてないトリップ35ですが、原因は何でしょうか。
露出計が壊れてるんでしょうか。それとも絞りがおかしくなってるんでしょうか。はたまた他の原因でしょうか。
メーターの故障なら楽しそうです。
という事でまずは軍艦部から開けてみましょう。

開けるのに特に難しいところはありません。
巻き戻しノブを外せば後はネジだけです。
このトリップ35は、基本的にプラスネジが使われてます。
個人的にはプラスの方が好きです。

[6回]

ただしこのカメラ、ホットシューが付いていますので、カバーにリード線がつながっています。
まぁ線の長さに余裕がありますので、それ程気を付ける必要もありませんが、気になる方は半田をはずしとけばいいと思います。

軍艦部カバーを外すとメーターの針が見えますが、どうやらちゃんと光に反応しているようです。
今回も太陽電池の出番はなさそうです。

と言う事は、絞りそのものに不具合あるということでしょうね。
仕方ない。じゃあレンズ及びシャッターユニットを外しましょうか。

皮をはがして、レンズ横のカバーを外すと、レンズユニットが固定されているプレートを外すためのネジにアクセスできるようになります。
セレンからメーターに伸びる配線も余裕を持たせてありますが、邪魔にならないように要所で固定してあります。
線の取り回しにも気を配っているあたりからは、丁寧な設計が感じられます。

このプレートには、レンズユニットはもちろんですが、ファインダー、露出計のメーター、露出制御のリンケージなど、主要な部分がずべて付いています。

で、外した状態がこちら。
ボディー側から見ています。
シャッターのガバナーはレンズ内になく、メーターの横にあります。
矢印の丸い厚みのある部品の回転速度に変化を持たせることで、シャッタースピードをコントロールしているようです。

ユニットを外したボディーには、巻き上げ機構ぐらいしか残っていません。
だからここまでバラしてもなお露出計と絞りの機構はまったく分解できていません。

ではこのプレートをレンズユニットと分離しましょう。

外した状態がこれなんですが、いきなり何もないです。
Aが絞りの制御。
制御といっても、このレバーの傾きで絞りの開き具合を決めているだけです。
動かしてみると普通に動いています。
絞り自体に不具合は無いようです。
どうも不具合の原因は、このレバーと露出計の動きを伝えるリンケージとの連絡部分が、ちゃんと噛んでなかった事のような気がします。
というのも、バラしてみるとどこも動きはまともなんです。
つまりバラして分離した部分に原因があったのではないかと。

で、矢印のBがシャッターの動きを制御するところ。
制御といっても、ここに棒が突っ込まれて、その棒が上下する事で二枚羽根のシャッターが、左右にパカッと開くだけのものです。
ここもまったく異常なし。

外したプレートの方の写真を撮り忘れたのが残念なのですが、そっちの方にいろんな制御機構が集積されてます。
だからそこの話を中心に、どこがどうだからここがおかしくなってるということを書けば分かりやすいんでしょうが、その話の発端になるところの写真がありませんので、詳しい話は割愛させていただきます。

という事で、分解して組み直しただけで、

とりあえず、トリップ35、完成です。

きれいに写ることを期待して、試写に行きましょう。