明日は明日の風が吹く

「Dの食卓」ファンの私としては、「D2」がプレステ2用のソフトとして発売されることをずっと待っていたんですが、待ち続けてもう10年になります。

では昨日の続き。
PEN-Dのシャッターを分解していきます。

と、その前に、どうやらPEN-Dのシャッターユニットは2種類有るようです。

その違いは2箇所。
矢印Aの部分のピンに、リング状のベアリングが有るのと無いの。
今回のDには無いようです。
もう一箇所は矢印Bのストッパーの形状。
写真のような、背びれの長いシャチのようなものと、鳩サブレーのような形の。
鳩サブレーの物には回り止めと思われる太いピンが追加されています。

多分、鳩サブレーでベアリング有りのタイプが新しいもので、シャチでベアリング無しのものが古いタイプだと思います。

上の写真の矢印Cの部分が少し曲がってしまっていますが、こうなるのでBの部品の対策をしたのではないでしょうか。

前置きが長くなりましたが、シャッターをバラしにかかります。

[1回]

まずはレンズユニットをカメラ本体から外します。
レンズ周辺のカバーのネジを外して、裏からレンズユニットを留めているネジ4本を外せば、

レンズユニットは外れます。
この写真はボディーとの接合部から見ています。
矢印のリングネジを外せば、ヘリコイドが分離できます。

外れたボディーの方は

こういう状態です。
本来は位置決めのピンが2本あるはずですが、両方なくなっています。

次に進んで、外したヘリコイドは

これです。
これはすでにフォーカスリングを外していますが、外す前に、はまっていた位置が分かるようにマーキングしておくことをお勧めします。

ここでも赤ペンが見えます通り、マーキングをしておいたのですが、ヘリコイド自体も分解掃除したので、結局位置が合わなくなってしまいました。

で、ヘリコイドを外した状態が

こちら。
ここに見えるネジらやリングやらを次々と外してやれば、

シャッター羽根にアクセスできるようになります。
見ての通り、油膜がありますね。
では羽根をベンジンで洗浄しましょう。

洗浄が終わったら、元に組んでいきます。

その前に、シャッター羽根を動かすリングとかも洗浄しておきましょう。

シャッターユニットの表側についているガバナーもきれいにしましょう。

これの動きが悪い時もやっぱり、シャッターが異様に遅くなったりしますよね。
ついでにシャッターチャージ関係のパーツも掃除しときます。
と言う感じで修復作業は終わりかな？

では後は逆の手順で組んでいって、組み上がったら動作を診てみます。

そうそう、途中でちょっと失敗して、

このシャッターボタンのスプリングをはめ忘れたんですが、私にとってはこれがすごくいい感じでした。
シャッターがフェザータッチになるんです。
うーん。エクセレント。
でも逆にとっても暴発しやすくなります。
なので今回はもう一度バラしてスプリングを付けました。

組み上がって動作を確認すると、
おお、いいみたいです。
巻き上げも少しは軽くなったし、シャッターも確実に、おそらく設定スピード通りに切れています。
フォーカスのヘリコイドも軽くなりましたし、露出計の指針もよく見えます。

ということで、PEN-D,完成です。
と、言いたかったのですが、最後に問題が、

何度も修理が繰り返されてきたために、表皮がもうボロボロです。
せっかく直ったのに、見てくれが悪いとかわいそうな気もします。

ちょっと調べてみたんですが、何だかそう難しくもなく張替えができるかも知れません。
この件については、また今度。