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尾道発 - カメラ屋の独り言 -  Presented by せいのカメラ店



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ヤシカのLYNX-1000をレストアした話を書きましたが、それによく似たカメラでミニスターと言うカメラがあるんですが、これもうちに転がってたんです。
状態はというと、なんか絞りとシャッターのダイヤルがうまく動かない。それと、露出計が動いていない。シャッターもちゃんと切れない。
別に直そうというつもりも無かったんですが、ちょっといじってたんです。
そしたらレンズの前玉がいきなり外れて、しかも絞りリングやらシッターダイヤルやらがバラバラとバラケてきたんです。

仕方が無いから組みなおそうと思ったんですが、なんかおかしい。
見ると、これらバラケたリングを留めておく役目のはずのプレートはまだボディーに残っています。
ナニコレ?
ああ分かった。
このプレートをリング群に留めておくネジがなくなってるんですね。しかも3本とも。
こりゃぁ前にバラした人がちゃんと組まずに、リングの類を適当に突っ込んでレンズ前玉で締め込んでいただけだったんですね。

このままじゃあ直りませんね。
仕方がありません。まじめに組みなおしますか。
DSCF1422.jpg
バラケたリングはこれだけあります。

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何で露出調整関係のリングがこんなに沢山あるのかというと、このカメラはライトバリューで露出を決定する仕組みになってるんです。
それで、ライトバリューと絞りとシャッターの関係がちゃんと関連するように、何かのリングを動かしたら他のリングも勝手に回るようになっているんです。
その相関関係を作るためにリングやらギアやらがいっぱいあるんです。

いきなりバラケてきたし、元々ちゃんと組んであったかどうかは疑わしいところですので、全部のリングをよく観察して仕組みを理解し、組む順番を試行錯誤してみることにしました。
そしてやっとこうだろうと思える順番を見つけました。

ということで、ヤシカミニスターのリングをバラしてしまって分からなくなった人のために組み方の解説をしたいと思います。
ちなみに今回のカメラはシリアルナンバーの前にIIと書いてありますので、ミニスター2だと思います。

まずベースとなる部品がこれです。
DSCF1423.jpg
これを裏返して組み進めていきます。

DSCF1424.jpg
裏返したら、まずはライトバリューのリングをはめます。
板バネが付いている側がレンズ前方、この写真では被せるように付けます。
この後シャッターダイヤルと絞りリングを組むことになりますが、ライトバリューの値が合うように位置決めする必要があります。
その値の相関関係はこちらのリンク先に表がありますので、それを参考に任意の値で合わせればいいと思います。
今回は絞りとシャッターやライトバリューの値が設定範囲の中間あたりになるのがいいかと思って、1/30秒、F5.6、LV10、と言う数値に合わせました。

DSCF1425.jpg
ではライトバリューリングの上にシャッタースピードダイヤルを載せます。

DSCF1426.jpg
これが載せた状態。
小さなギアが二つ付いていますが、それが上になるように置きます。

次にリングギアを付けます。

ちなみに、リングギアは全部で3枚あります。
DSCF1433.jpg
外径はみな同じですが、内径の小さいのが1枚、大きいのが2枚です。
内径の小さいものには内側に一箇所突起があり、内径の大きい2個には側面に一箇所ポッチがあります。

DSCF1431.jpg
重ね合わせると分かりますが、歯数は3枚とも同じです。
なので、内径が大きくてポッチの付いた2枚は同じものです。

話を戻して、まずは内径の大きいポッチの付いたギアをはめます。
DSCF1427.jpg
矢印のポッチを、
DSCF1429.jpg
ここの溝に合わせます。
この時、黒い部分の内側が少し段になっていますので、そこにはまるようにします。
ライトバリューリングの板バネによって、少し浮き上がっていますので、押し付けながらはめていくといいと思います。

DSCF1434.jpg
その上にフランジ状のリングを載せます。
フランジ状のリングは2枚あって、フランジ部が厚いのと薄いのがあります。
この位置にはめるのはフランジの薄い方です。
フランジの方が下になるように置きます。

DSCF1435.jpg
次に大きい突起のあるリングを載せます。
このリングは先程のフランジリングにはまり込むように載せます。
組みあがってからの動きしろを考えて、この突起の位置をライトバリュー設定位置から180度反対の向きにしました。

DSCF1438.jpg
次に外周にはまるギザギザの付いたリングを載せます。
この時、先程載せたリングの突起部分が切り欠きにはまるようにします。

DSCF1439.jpg
次はもう一枚のポッチの付いたリングギアを載せます。
リングギアのポッチは、先程載せた突起のあるリングの、突起の根元の溝にはまるように載せます。
このリングギアもフランジ状のリングにはまり込むようにします。

DSCF1440.jpg
次にワッシャ状の平たいリングを載せます。

DSCF1441.jpg
続いて内径の小さいリングギアをはめます。
この時、リングギアの内側に出ている突起が、ベース部品の切り欠きにはまるようにします。

DSCF1443.jpg
ここまではまった状態はこんな感じです。

DSCF1444.jpg
では次に、絞りリングを取り付けます。
合わせるべき位置は特にありませんが、ライトバリューの値が合うように位置合わせします。
このリングの裏面にもシャッターダイヤルに付いていたのと同じ小さなギアが二つ付いています。ちょっとはめにくい事も有るかも知れません。

DSCF1445.jpg
次に、もう一枚のフランジ状リングを載せます。
こちらはフランジ部分が厚い方です。
フランジ部分が上になるように被せて、絞りリングにはまり込むようにします。
このフランジ状リングを押し下げてみて、ベース部品の最上面より下まで下がらなければどこかがずれていますので組みなおしましょう。

DSCF1447.jpg
では最後にカバープレートを載せますが、矢印の部分が合う様にかぶせます。

DSCF1449.jpg
今回なくなっていたネジ3本を締めたら、はい、出来上がりです。

DSCF1450.jpg
ライトバリューの値が正しく関連しているか確認してみて下さい。

以上、リングの組み立てでした。
しかし、ミニスターの災難はこれで終わらなかったのでした。

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