明日は明日の風が吹く

クラシックと言ってしまうにはちょっと新しい気はしますが、それでも発売は1973年のようです。
十分古いか。
私が高校の頃と言えば80年代半ばでしたが、その頃60年代の音楽をオールディーズと言ってノスタルジーを感じながら聞いていました。
そう考えると今の高校生とかにとっては70年代はおろか、80年代でさえノスタルジーを感じるものになっているのでしょうか。
そう言えばうちの小学2年生も、昭和と言うだけでノスタルジーを感じてるみたいです。
気が付けば昭和が終わって既に22年ですね。
昭和が終わったのってついこないだジャンかと、私などは思ってしまうんですが、そう考えると私が60'sにノスタルジーを感じていた頃、私の父親はついこないだの事ジャンと思っていたのでしょう。

えー、なかなか本題に入りませんが、先日うちにあったライツミノルタCLをうちの子に使わせた話をしました。

うちにはなぜかCLが数台置いてあるんですが、それらをテストしてみると、露出計が正しい値を示す個体が一台しかなかったんです。
こりゃちょっと直せるモンなら直してみようと思って、やってみることにしましたと言うのが今回の話です。

[11回]

ではまず今回は、全体を眺めてみましょう。


コンパクトでかっこいいですね。
最初の写真のレンズキャップはCL時代のものでなくてCLE時代のものですね。
CL時代のものはフードの上からつけるようになっていましたのでちょっと特殊で、ゴム製のフードが朽ちてしまうとレンズキャップを使いにくい状況になってしまいます。
だからなのかあんまり残ってないようです。


裏蓋は底面のつまみを回して開きます。
開くと言ってもヒンジで横開きじゃなくて、コンタフレックスと同様に底と後が一緒にガバッと取れます。
もうちょっと詳しく言うと、後だけでなくサイドから回って前側も少し一緒に外れていきます。


圧板は裏蓋にではなく、ボディー側に付いていて、フィルムを挟むようにしますので、裏蓋の装着でフィルムに傷が行きにくい構造になっていますし、ライカのMシリーズのようにフィルムを入れるのが面倒じゃありません。


マウントはMマウントです。
開口部にはレンズの距離情報を連動距離計に伝えるためのローラー状のレバーがのぞいています。
このライツミノルタCLのレンズは距離計に距離情報を伝える仕組みが独特で、傾斜カムによって行われています。
一般的なMマウントのレンズは、平行カムが使われていて、ピントリングの操作によってレンズの繰り出しと同時に、カムも距離に合わせた分だけ繰り出すように作られています。
しかしCLの傾斜カムは繰り出すのではなく、距離に合わせた分だけ切り込まれていて、ピントリングに合わせて回転することで、結果として平行カムと同様の情報を距離計に伝える仕組みになっています。
これはすばらしい設計だと思います。


CLでは巻き上げるとこのように露出計の受光部がニョキッと出て来ます。
面白いですね。
レンジファインダーなので撮影用の光学系は撮影に専念してますから、一眼レフのようにレンズからの光を分配する仕組みはありません。
仕方がないのでこういう所に受光部を置くしかなくなってくるわけですね。


ファインダーはきれいで見やすいです。
コンデジによるファインダーの撮影でもこれだけきれいに写っています。
上にシャッタースピード、右に露出計の指針を見ることができます。
フレームには焦点距離の数字も表示されています。
この状態で40mm用と50mm用が表示されていますが、90mmを付けると90mm用のフレームが表示されます。

こんな感じのライツミノルタCLですが、次回からは分解に入っていきたいと思っています。