明日は明日の風が吹く

昨日の続きです。
後群の2枚目のレンズも、中群のレンズも硬く締まっていて外れません。
ということで新兵器導入です。

今回の作業ではこれが役に立ちそうでしたので、今後のことも考えて購入してみました。

[12回]

これは何かというと、

バラバラにするとこうです。
これらの中からサイズの合うものを使って、レンズや巻上げ部とかの工具が使えないものを外したり締めたりするための、ゴムでできた道具です。

では早速これを使って中群のレンズを外してみましょう。

なんと言うことでしょう。
簡単に外れてしまいました。
すばらしい。

外した中群レンズの裏側がこれです。


外したレンズ本体がこれ。

これでやっとゴミを取ることができます。
でもここまで来たら、外れなかった後群2枚目も外してみましょう。

でもこっちはかなり硬いですね。
渾身の力を込めてググッといくと、

やー、外れました。

ではレンズのゴミを取り除いて、後はヘリコイドを組み直してみましょう。


矢印の部品で、ヘリコイドの位置決めをしていますので、これを外せばヘリコイドを抜くことができます。
私の予想としてはヘリコイドのはまる位置がズレているのではないかと思います。

ちなみに、ヘリコイドのネジ部は一般的なネジと違って1本ではありません。
数本の螺旋で出来ています。
つまりはまる場所はその螺旋の本数分あります。

ですからこのはまる位置が違うと、回り止め金具との位置関係がずれてきて正しく動かなくなるわけです。
これの直し方はそんなに難しくありません。
合わなかったらまたズラしてはめてを繰り返せば、どこかに合う所があります。

ということで、ヘリコイドの修正が完了しましたので、掃除したレンズを組み付けていきましょう。

レンズの組み付けはただ締めて固定するだけですので簡単です。

マウント部の付け方は、

マウント部から出ている赤矢印の平たいレバーを、本体の緑矢印の部分にはまるようにして取り付けます。


組んだら絞込みボタンを押してみて、ちゃんと絞り込まれるか確認して下さい。

最後は絞りリングの組付けです。

絞りリングの赤矢印の部分が、レンズ本体の緑矢印の部分にかみ合うように取り付けます。


次に絞りリングのクリックリングを取り付けます。
緑矢印の部分と赤矢印の部分が合うように取り付けます。

次はフィルターねじ用のリングの取付です。

これも同様に緑矢印の部分と赤矢印の部分を合わせます。
最後に化粧リングを締め込んで、組み立て終了です。

ここでちょっと落下によってついたキズをカムフラージュしときましょう。

矢印の部分がちょっと削れて地金が出ていましたので、つや消し黒のマーカーでタッチアップです。

ではピントリングの位置がちゃんと合っているかどうか、カメラに付けて確認してみましょう。
すると、ほんのちょっとズレているようです。
ピントリングの革をはがせば、固定ネジが4本あります。
カメラのファインダーで無限遠にピントが合うようにして、固定ネジをゆるめてピントリングを無限位置に直します。
そして固定ネジを締めて革を貼り直せば、

修理完了です。