明日は明日の風が吹く

昨日に引き続きアグファ・オプティマ200センサーについてです。
昨日もお伝えしましたが、大きなトラブルは巻き戻しができないこと。
それから小さいトラブルが、2つで、1つはブライトフレームの遮光板のようなのがねじれていること、もう1つがホットシューがねじれていること。

小さい2つは多分すぐ直るでしょうから、まずこの辺から手を付けましょうか。

[1回]

ではホットシューのところから。
シューのカバーを外してみると、シュー自体はネジ留めではなく、リベットで固定して有りました。
これでは軍艦部カバーを外すしかありませんね。
外した上でリベットをキリでもんで飛ばしましょう。

と、言うことでちょっと後回し。
軍艦部カバーを外すなら、こちらを先に進めましょう。
ブライトフレームの遮光板のねじれです。

分かりにくいかもしれませんが、矢印のところ、スリガラスの向こうに透けて見えている四角い枠がねじれています。
こちらを見てみましょう。

軍艦部カバーを外すのはとっても簡単です。
巻き上げレバーも巻き戻しノブも無いので、左右のマイナスネジ2本を外すだけです。

で、見てみると、本当に外れていただけでした。
接着もネジ留めもされていません。
引っ掛かるようになっているだけで、それが何かの衝撃とかで外れていただけのようです。
と言うことでこちらは完了。

で、次に、ホットシューを固定しているリベットを、キリで揉んで飛ばします。
そして外れたシューを曲げ直していると、

やっぱりそう来ましたか。
鋳物は折れますね。
仕方ありませ ん。
元々リベットで固定されていたものですから、また外すと言うことを考えなくてもいいでしょう。
と言うことで、エポキシで軍艦部に貼り付けま す。
その上にリベット穴を利用して短いネジを無理やり突っ込んで補強とします。
OK。これで良し。
エポキシが硬化するまでほっときましょう。

さて、次がいよいよ巻き戻しです。
底面カバーを開けてみます。
まずは巻き上げのカニ目は正ネジ。
これを外せば、

後はプラスネジを3本外してやれば、カバーは取れます。
なんかちょっと汚れた感じがしますね。
不穏な空気が漂います。


でも開けてみるとそうでもありませんね。
結構きれいです。
で、矢印の部分が、問題の巻き戻し関係のギアボックスのようです。
ではバラします。

するとどうでしょう。
蓋が取れません。
なんで？
と思ってちょっとドライバーでこじってやると、少し浮きました。
ははーん。思いっきり粘ってますね。

外の大きなギアも、真ん中の軸のギアも、3個の遊星ギアも、全てネバって言うか、ガシって言うか。
とにかく硬くて動かない状態です。
原因はこの赤茶色の古いグリスです。


ギアの裏もべっとりです。
ひっくり返しても真ん中のギアも遊星ギアも落ちてくるどころか、まるで一体もののようにびくともしません。
でもまぁ、破損していたわけでもありませんので、洗えば済みそうです。

ベンジンに漬けて流してやって、ボディー側や蓋に付いた汚れもふき取って、新しく薄くグリスを塗って、組みなおせば、

はい、巻き戻しが動き始めました。
この巻き戻しの動作、面白いです。
レバーに掛かるテンションも心地いいです。

ではフィルムを入れて、その辺を歩いてみましょう。
あ、でもこのカメラ、ストラップを付けるところが有りませんね。