尾道発 - カメラ屋の独り言 - Presented by せいのカメラ店
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14日の続きです。 折れたスプリングを直したら調子良くなるかと思ったキャノンフレックスですが、残念ながら調子はほとんど変わりません。 ではどうも動きの悪いシャッターをバラしに掛かりましょう。 まずはこれから外します。
[3回]
これは何かというとセルフタイマーのユニットです。 マイナスネジ2本で留まっています。 次に隔壁と言いますか、ガイドと言いますか、シャッター幕の下側をカバーしている赤矢印の部品を外します。 写真はファインダースクリーンの方から下を見たところです。 緑矢印の3本のマイナスネジで留まっています。 そしたらいよいよシャッター幕のドラムを外しにかかります。 それにはカメラ底部の部品を外します。 このドラムはそれ自体にバネが入っていて、常にテンションが掛かった状態です。 それによってシャッター幕を高速で動かしているわけです。 そのテンションの掛かったドラムの軸を、青矢印のナット状の部品で締めて固定してあります。 そのゆるみ止めが赤矢印の部品です。 ゆるみ止めを解除して、青矢印の部品を外したら、緑矢印のマイナスネジ2本を外すことで、ドラムを押さえている黒いプレートが外せます。 はい外れました。 この写真は手前がカメラの上方向です。 そしたら今度はもう一方のドラムを外しにかかります。 赤矢印の4本のネジを外します。 この時ネジにスプリングが掛かっていますので気を付けて下さい。 その前でも後でもいいのですが、 シャッターセットの軸に付いているフランジ状の部品を外しますので、赤矢印のマイナスネジを外します。 シャッターをボディーから外し、シャッターセットの軸とギアを外した状態がこちら。 赤矢印の部品は、後幕用のブレーキで、緑矢印のスプリングが巻き付く事で抵抗が掛かり、ブレーキとして働きます。 しかしここのブレーキがどうも掛かり過ぎのようです。 このカメラ、各部の油が固まったり、乾いたりして、油の機能がほとんど失われています。 可動部が硬かったり、キーキーいったりしています。 ここのブレーキの同様のようで、金属同士の摩擦がしっかり掛かって、ブレンボ並みに効いているようです。 だから後幕が完全に閉まらずに、ちょっと開きっぱなしになってしまいます。 なのでここのスプリングに、少しだけグリスを塗ってみます。 その他は特にシャッターの不具合部分は発見できませんでした。 巻き取りドラムのスプリングもちゃんとテンションが掛かるようですし、巻くもスムーズに動いているようです。 ではここはこれだけにして、もう一度シャッターを組んでいきます。 組んでみてまた他のところに不具合がないか探っていきましょう。 でもなんとなく、いろんなところがちょっとずつ悪くて、それが積み重なってシャッターの不具合になっているような感じがしてきました。 だからその時によって症状が違うし、それもいつも起こるわけじゃないと言う状況を作っているのではないでしょうか。 で、シャッターを組みなおして、空シャッターを切っていると、今度は巻上げが全く動かなくなりましたよ。 このカメラもリペアスパイラルに陥るのか。