明日は明日の風が吹く

史上最強のスメ8に向かって一歩ずつ進んでいる「ハチ公」ことスメナ8Mです。
スメ8ユーザーの方ならご存知でしょうが、こいつのファインダーは、どういう意図で造られたのかよく分からない造りをしています。
一見接眼部と対物部にただの板が貼ってあるだけのように見えて、実はプラスチック製のプリズムと言いますか、直方体のブロックが入っていると言う構造。
だから等倍ですので視界は良好ですが、ライカばりのファインダーなのかと言うとそうではなく、その視野はスメ8の40mmの画角とは程遠いもので、まるで望遠レンズが付いているのかと思わせてくれます。
なのでここはちょっとファインダーを改造するべきでしょう。

ということでレンズ付きフィルムの登場です。

[4回]

何でかって言うと、これらの中から移植できそうなファインダーを探そうと言うわけです。

実はちょっと前に、フジの現行の「写ルンです」が使えるかと思って検討したんですが、接眼レンズから対物レンズまでの距離が短くて、移植にはマッチしませんでした。
なので、古いのやら、他のメーカーのものやらをピックアップして検討する事にしました。

するとですね。
フジのものは前のタイプもAPSのものも、やっぱり前後長の短い構造で使えません。
コダックのは、長さはまぁまぁだったんですが、対物レンズが小さめで、これをスメ8にセットするとカッコ悪くなりそうな気がしてやめました。
最終的に使ったものは、DNPの「撮りっきりの」現行品です。
これなら大きさがかなり近いです。

「撮りっきり」のカバーを外して、ファインダーの上に「ハチ公」のファインダーを載せてみました。
ほぼ同じ大きさです。

ではファインダーを取り出します。
と言うか、切り出します。


これがファインダー部分。
レンズのホールド部分が確保できるように、下側をカッターで切ります。
材質はそれ程硬くありませんので、比較的容易に切れます。

で、切り出した状態がこちら。

左にあるのが切り出した残り。
右が「ハチ公」の軍艦部カバー。
そしたら余分な出っ張りも切り落として、必要ならヤスリで整形しましょう。


レンズをはめて完成した状態がこちら。
矢印の角の部分をレンズが保持できる程度に削ります。
じゃないと軍艦部カバーにうまくはまりません。

では、はめてみましょう。

対物レンズと接眼レンズがうまい位置に来るように微調整します。
結構ぴっちりなんで、特に締結の必要も無いと思います。
そしたら軍艦部を組みなおして、

ファインダーの改造、完了です。

のぞいてみると、
すばらしく眺めのいいファインダーになりました。
レンズ付きフィルム恐るべしです。
では、出来上がったので悦に入りましょう。

ああ、それから、「撮りっきり」の仕様を見てみると、レンズの焦点距離は33mmだそうです。スメ8は40mmですので、ちょっと広角過ぎる感じかも知れませんが、まぁいいでしょう。

追伸。

1. 取り付けたファインダーのフレームがほんの少しだけですが、巻き戻しの軸に干渉しているようです。ほとんど気になりませんので今のところ放置です。
2. もっと荒っぽいやり方として、ファインダーのレンズを軍艦部のカバーの裏に直接貼り付けるというやり方も考えられます。ただしこの時は、光軸やピントがずれる可能性があります。そういった所に気を配りながら、厚めの両面テープなどを使うといいかもしれません。