明日は明日の風が吹く

9日の記事でほとんど整備が終わったキヤノン7です。
で、シンクロのテストをしてみるとですね。
シャッターが切れるよりはるか前の、シャッターボタンを押してすぐ位にフラッシュが光ってしまいます。
レンズシャッター機であればシャッターユニットを見てみないといけませんが、このカメラはフォーカルプレーンです。シンクロ機構はどこにあるんでしょうか。
と言うことで底蓋を開けてみると、

どうやらここのようですね。

[1回]

原因はすぐに分かりました。
上の写真の赤矢印のところ。

ここでまずシンクロ機構の説明をしておきます。
巻き上げられると黄矢印の黒い円盤が右回りに回転して赤矢印の接点を押し上げます。
そしたら接点が離れて、シンクロ準備完了となります。
ちなみにこの時、緑矢印の接点も下がって接続が切れます。
で、シャッターボタンを押すと、

この写真の赤矢印の部分が押し上げられて、ここの接点がつながり、シャッターが切れる直前の準備が行われます。
そしてシャッターが切れると、前の写真の黄矢印の黒い円盤が左に回転し、それに伴って赤矢印の接点が接続され、続いて緑矢印の接点が接続されることで、シンクロします。
もう一つちなみに、赤矢印の接点につながったリード線は、シャッタースピードダイヤル辺りまで伸びています。

その先はこの矢印の接点につながっていて、シャッタースピードを1/60秒以上にするとつながって、1/30秒以下にすると切れます。
つまりこれはFP級用のシンクロ機構です。
発光時間の長いFP級をシンクロさせるために、1/60秒以上ではシャッターが開く前から発光し始めるようになっているんですね。
逆に言うと、1/60秒以上のシャッタースピードに設定してストロボを使っても、ケラレすら発生せず、全く同調していない状態になるというわけです。

と言うことはFP対応ストロボを使えば、1/1000秒でもシンクロできると言うことかな？

まぁそれは置いといて、
不具合の原因ですが、最初の写真の赤矢印の接点が、常につながりっ放しになっていました。
1/30秒以下にしておけば問題ないのですが、私がシンクロテストするのに1/60に設定していましたのでこの不具合が発覚したと言うわけです。
キヤノン7をよく知っている人だと見つけにくい不具合だったかもしれませんね。

それともう一つ。
どうも振れ過ぎる露出計を直してみました。
やることはと言えば、抵抗を入れるだけです。
とは言ってもどの程度の抵抗を入れればいいのか分かりませんので、可変抵抗を入れてみることにしました。

セレンからの接点にに接触する所と、メーターの間に可変抵抗を入れてみます。
可変抵抗自体は、上の写真のようにに持っていけば、何とかカメラに収まりそうです。


カメラに付けるとこんな感じ。
今回使った可変抵抗は最大50KΩのものです。
で、調整して大体15KΩ位になったと思います。


これで大体ちゃんと動いているようです。
ただし、高輝度用に切り替えるとやっぱりちょっと振れ過ぎるみたいですが…

もう一つついでに、

ボディー側面をはずしてみました。
外すのは簡単です。
マウントを外して、その下にある2本のマイナスネジを外して、それからボディー前面にある4本の黒塗装のマイナスネジを外せば、上の写真のように裏蓋と一緒にガバッと外れます。
分解も簡単ですし、整備性もいいですね。
せっかく外したんで、各部の朽ちたモルトを貼り替えました。

だいぶいい感じになりました。
うちにあるレンズをつけて試写してみましょうか。
と言っても、カメラ本体の性能は写りに反映されないですけどね。