明日は明日の風が吹く

12月29日の記事でプラクチカノバに付いていたドミプランというレンズをバラしたら、ヘリコイドグリスが劣化していた話をしました。
この時レンズをバラしたのは、そもそもヘリコイドグリスを入れ替えるためと言うわけではなく、このレンズの最短撮影距離を何とか短く出来ないものかと思ってのことでした。
なので今回はその様子をお伝えします。

ネットで色々と情報を集めていると、何かクセが有って使い方によっては面白くなりそうなレンズのようですので、ちょっと使ってみようかと思ったものの、最短撮影距離は75cm。
ちょっとこれは使い勝手が悪いです。

[1回]

ですので何とかもうちょっと短く出来ないものかと思って改造に挑んでみました。

改造といってもやることは簡単です。

ヘリコイドのストッパーの位置を変えるだけです。
元々は黄色矢印のストッパーから左回りに赤矢印のところまでなんですが、この赤矢印のストッパーを抜いて、緑矢印のところまで持って来ました。
1回転させてもいんじゃないかとも思われるでしょうが、この位置より回していくと絞りの部品が干渉して、レンズが繰り出し出来ません。

ストッパーのピンは圧入してあります。
と言っても大した力ではありませんので、もう少し細いピンを刺して金槌でたたけば簡単に抜けます。

ピンの移動先のした穴は1.4mmにしました。
ピンの径が1.5mmでしたのでこのくらいでちょうど圧入できる感じです。

改造自体はこれだけ。
では組みなおしましょう。

組み上がってヘリコイドを回してみますと、

はい、このとおり、最短撮影距離の75cmを大きく超え、ここまで回ります。
まぁ黄矢印の部分に隙間ができるのがちょっとカッコ悪いですが、良しとしましょう。

これでカメラをのぞいて最短撮影距離の確認をしてみますと、大体50cm程です。
これなら実用の範囲ですね。
OK。

と思ったんですが、何かへんです。
一度最短撮影距離まで繰り出すと、今度は無限遠まで回せなくなります。
なぜでしょうか。

よく観察してみるとですね。
75cmより繰り出してしまうと、自動絞りのリンケージが外れるようです。

じゃぁここも改造しないといけませんね。


リンケージのピンに同じ位の径の針金を1mm程足して接着し、補強のためにアルミテープで巻いてみました。


問題の部分がここ。

拡大してみますと、

こうなっています。
これでヘリコイドをいっぱい繰り出してもリンケージが外れることはなくなりました。
が、
今度は足した分が長すぎて、無限遠近くになるとピンの先端が干渉してしまいます。
しかもアルミテープで巻いてピンの径が太くなったおかげで、ピンが常にある程度押されている状態と同じになり、絞りが開放になりません。
こりゃダメですね。
他の方法を考えないと。

うーん。
色々考えてみたけどいい方法を思いつきませんね。

仕方が無い、ちょっと保留です。