明日は明日の風が吹く

12日の記事でチョロッとだけ紹介しました黒い新しめのテッサーを、今回は直していきます。
このテッサーは、Nutscoさんから頂いた物です。
まぁ言ってみれば、修理代の現物支給といったところでしょうか。
Nutscoさんありがとうございます。

で、このレンズ、何が悪いかといいますと、
ピントリングが空回りしています。

[5回]

ですのでピントが全然合わせられません。
しかし絞りはちゃんと動いていますし、レンズの玉もきれいです。

ではとりあえずバラしていきます。

まずは化粧リングを外します。
この化粧リングはただのカバーではなく、ここにフィルターネジがあります。
で、赤矢印のカニ目のリングネジを緩めれば、ピントリングが外れそうです。

が、既に緩んでいますね。
ははーん。
これが空回りの原因ですね。
試しにこのリングネジを締めてみましょう。

すると、
はい。
ピントリングの動きに合わせてヘリコイドが動くようになりました。
と言うことでこれにて終了。

とはいきません。
明らかに距離表示はズレています。
それに、ヘリコイドの動きがとっても重いです。
なのでピントリングを回すと、レンズがボディーから外れます。

ではせっかくなのでもうちょっとバラしてヘリコイドグリスを入れ替えましょう。

先程のカニ目のリングネジを外すと、

このようにピントリングが外れます。
このレンズの場合は、ピントの微調整が出来る構造ですね。
しかも簡単に。

レンズ前群も外してもいいのですが、今回は手抜きです。

では裏から、

黒い大き目のマイナスネジ3本と、銀色の小さめのマイナスネジ2本が見えます。
ここでは黒い3本を外します。


すると、マウント部と、絞りのオートマニュアル切り替えレバーと、絞りリングが外れます。
この時ベアリングが2つ落ちてきますので気をつけてください。
どこから落ちてくるのかと言うと、

ひとつはここ。
絞りのオートマニュアル切り替えレバーのクリック用です。

そしてもうひとつ、

こちら。
絞りリングのクリック用です。

そしたらヘリコイドをバラしていきますが、

それにはまず、赤矢印の回り止めを外します。
外したらヘリコイドをくるくる回せば、

このようにバラせます。
いつものように、バラす前には締め込んでいってどこまで回転するかを確認しておくと後で便利です。

では古いグリスを洗い流して、新しいヘリコイドグリスを塗ってやって、また元通り組みなおしましょう。

そしたらピントリングをつける前に

カメラに付けてみて、無限遠位置を確認します。
一眼レフだとファンダーを見ればピント調節が出来るので楽ですね。
本当ならフィルム面で合わせるべきでしょうが、確認用のカメラではフィルム面とファインダーでのピントのズレは無いと言うことにしといて、ファインダーであわせます。
言ってみれば手抜きです。

で、無限遠が出たら、

ピントリングの無限マークをあわせて、リングネジで固定すれば、修理完了です。
このレンズは私個人用として使いますので、無限ピッタリにあわせましたが、一般的には無限より少し手前にしとく方がいいですね。
カメラによっては無限遠までならないこともありますから。

ではこのレンズの暇な時に使ってみましょう。
それともマウントアダプターでデジイチで遊んでみますか。