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尾道発 - カメラ屋の独り言 -  Presented by せいのカメラ店



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私はロシアには行ったことがありません。
そのロシアで好きな事があります。
それは旧ソ連時代のSF映画です。
惑星ソラリス」はあまりにも有名ですが、私が最も好きなのは「不思議惑星キンザザ」です。
この映画は実に面白いです。
ハリウッドとは全く逆です。
少ない予算で一所懸命作った感じがよく伝わってくる映画です。
この映画を見ると、ほっぺをたたいて「クー」と言いたくなります。
皆さんもぜひ見て下さい。

ところで今回ご紹介するのはそのロシアから来た二人です。
名前を「インダスター」と言います。
DSCF6640.jpg
キンザザのように、なんとも不思議なレンズです。

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※Ver.1では今後更新されません。
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拍手[4回]

彼ら二人のうち黒い方は「インダスター69」、銀の方は「インダスター50」と言います。
これらのレンズは、両方ともマウントがライカLマウントと同じネジになっています。
DSCF6643.jpg
が、ネジが同じと言うだけで、Lマウントとの互換性はありません。

裏返してみるとこんな感じです。
DSCF6644.jpg
これを見る限り、距離計とは連動しそうにありません。

この黒い方のは多分「フェドマウント」と呼ばれるものだと思います。
Lマウントのフランジバックが28.8mmであるのに対して、フェドマウントは28.3mm+-0.2mm程度、と、いい加減な寸法です。
ですのでそのままでLマウントのカメラに使っても無限遠が出ません。
もし使うのならピント調整をする必要があります。
焦点距離28mm、開放F値が2.8です。

そして、銀の方はと言うと、ネジ部がLマウントと同じであるにもかかわらず、フランジバックは何でもプラクチカマウント(M42)と同じらしいのです。
焦点距離50mm、開放F値は3.5です。
どうやらこれは初期型ゼニットマウントと言うものらしいです。
これについてはネジ部を変換するアダプターが有ります。
DSCF6664.jpg
この黒いの。
これで、M42と同じネジになりますので、M42マウントのカメラでそのまま使えるはずです。

ではそれぞれ、ちょっとカメラに装着してみましょう。
まずは黒い方、インダスター69です。
DSCF6667.jpg
このレンズはLマウントに近いので、キヤノン7につけてみました。
昨日の記事で、キヤノンの35mmをつけた話をしましたが、その時はカメラがでかいのでちょっとアンバランスな感じがしていました。
しかし、このレンズのようにここまで小さくなってしまうと、何だか違和感が薄れてきた気がします。

角度を変えてみますと、
DSCF6669.jpg
なんと言えばいいのでしょうか。
レンズをつけてるというより、先っちょがのぞいていると言う感じに見えます。
結構面白いですね。

では銀の方、インダスター50をM42マウントのプラクチカ ノバIBにつけてみました。
DSCF6665.jpg
こちらも大柄なノバに対してすごく小さいレンズです。
ですのでやっぱりちょっと間延びした感じがありますね。

DSCF6666.jpg
同じ東側同士の組み合わせですが、やっぱりちょっと別々の人種のような感じです。
悪く言えば本家とコピー。
話によるとインダスターはテッサーを模倣したものらしいですので。

でですね、銀の方のインダスター50をノバにつけてファインダーをのぞいてみますと、何と無限遠が出ません。
こっちもですか。

この2本のレンズ、それぞれのマウントで使えるように改造及び調整と言う依頼です。
さすがロシア。いい加減なつくりです。
そこで思い出しました。
去年の4月22日の記事で、ハチ公ことスメナ8Mのピント調整をしたことがありました。
その時に分かったのは、元々製造段階でちゃんとピント調整するつもりが無いと言うこと。
ピント調整すると絞り指標がズッてしまう。しかしその指標には調整シロが無い。
だから仕方なく絞り指標にピントリングをあわせます。
そしたら当然ピンボケです。

今度のレンズを眺めていると、
DSCF6685.jpg
何かハチ公のレンズとよく似ている気がしてきました。
しかも現状としてピントが合っていない。

さてさて、この二人のピント調整、うまくいくのでしょうか。
続きはまた今度。
キュー!

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◎ 後から調整

ロシアレンズって安いけど後から調整がいるんですね。
この黒いパンケーキ気になってたことがありました。
ロシアのトイカメラでも3台に1台の確率でハズレを引きましたよ。

ロシアと言えばロシア経由でイギリスに行く時、モスクワ空港で一人行方不明になり足止めくらいました。
その後、通路が真ん中だけの小型ジェットに乗ったんですが天候が荒れバウンドして着陸し乗客から拍手が沸き上がりました。
飛行機って怖いですね。
昨晩、沖縄から子どもが無事帰って来てほっとしてます。

minato URL 2011/02/05(Saturday)11:32:39 Edit
◎ Re:後から調整

minatoさん、コメントありがとうございます。
私にはロシアものの設計思想が理解できません。
こんないい加減な設計はスメナだけかと思っていたんですが、他のレンズも同じみたいですね。
ですので調整と言うより「改造」してみます。
minatoさんもハズレを引いたと思っているかもしれませんが、多分それで正常なんだと思います。
良くこんなので宇宙に行けたなと思います。
お子さんは修学旅行でしたか。
ANAはロシア製の飛行機は使ってないと思いますので心配ないでしょう。

【2011/02/0512:00】
◎ ロシアといえば

1976年9月6日、ベレンコ中尉操縦のMIG25戦闘機が日本の防空レーダー網かいくぐり函館空港へ強制着陸、上へ下への大騒ぎ。
MIG25は、当時最高速度マッハ3.2を誇る西側脅威の幻の超高性能戦闘機。(西側対抗機がまだF4ファントムの頃) 
現物が手に入り、ペンタゴンが躍起になって調査。数々のローテクが暴露されました。
チタン合金と思われた機体は、ただのステンレス鋼板。電子回路にはなんと真空管使用。買いかぶりに安心して開発したのが、今現役の平凡なF15イーグルとか・・・

勢理客館長 2011/02/07(Monday)11:45:11 Edit
◎ Re:ロシアといえば

1976年と言えば、私は小学校ですね。
でもなんとなくミグが日本に降りたと言う話は覚えています。
しかしローテクが暴露されたと言う話は知りませんでした。
とは言え、それでもマッハ3を越える飛行機を作れるというのも事実。
はたしてソ連の技術はすごいのか、ダメなのか。
技術は低くても性能はいいというのは、カメラ用レンズに通じるところがありますね。
はたして名機なのかそれとも駄作なのか。
そんなこと考えていると、もっとロシアを体験したくなります。

【2011/02/0713:16】
◎ 実はロシアびいき

強制着陸直後、現場保存・初期調査は世界に誇る日本の警察(函館署)でした。なんと巻尺で事故現場?や機体を計測している牧歌的姿、TV画面の記憶にあります。
「MIG25 is not so hot!」とペンタゴンは安心して、機体をソ連に返却しました。これ以後戦闘機の技術革新は停滞しております。
電子回路での真空管使用は、核爆発の際発生する電磁パルスによる半導体回路の焼損を避けたものだとの擁護論もあります。又、エンジン冷却用の搭載アルコールは純度が高く美味との噂もあります。映画<インディペンディンスデイ>のように宇宙からの侵略反撃戦闘機は唯一、妨害電波を跳ね返す真空管パワー搭載のロシア機が有効ではないでしょうか。技術・性能論は、ワンサイドに陥りやすく誠に難しい。
小生はこの議論回避して、ロシアカメラ・レンズを愛用しています。実はロシアびいきなのです・・・・

勢理客館長 2011/02/07(Monday)13:49:55 Edit
◎ Re:実はロシアびいき

勢理客館長さん、コメントありがとうございます。
私が愛用しているロシア物と言えば、現状ではスメナ8Mだけじゃないかと思います。
前々から気になってはいるものの、なかなか手が出せずにいます。
実はLマウントのジュピター12とか、M42のゼニット11とかの出物が無いかと時々ネットをのぞいてはいるんですけど。
ジュピター12もキヤノン7につけてみると面白そうですし。
それに、今回のようにピント調整などすれば、本来の性能が引き出せると思いますので、これもまた楽しみの一つと考えます。
と言いますか、もしかしたら多くの方はロシア製レンズの本来の性能を引き出さないまま使っているかもしれませんので、このブログでそういった情報もお届けできればとも思っています。
でもまだまだロシア系は初心者ですので、面白い情報があればまた教えて下さい。

【2011/02/0714:57】
◎ インダスターのフランジバック

インダスターのフランジバックについて、下記英文資料のレンズ構成図(ロシア語)に明記されてます。
http://www.triskell-online.de/fileadmin/images/photografie/CHAIKA/Buch/Chaika%20lenses%20part%201.pdf

Fed用は間違いで、チャイカ(Chaika, 18x24mmハーフサイズ)用Indastar 28mm f2.8は、27.5mm。
ハーフ用なのでイージーサークルが不足し、周辺はケラレます。

ゼニット(Zenit)用 Industar 50mmは、45.2±0.02mmです。

isac 2012/06/06(Wednesday)10:54:37 Edit
◎ Re:インダスターのフランジバック

isacさん、コメントありがとうございます。
なるほど詳しい資料があるんですね。
私としてもよく分かりませんでしたので、いろんな所からちょっとずつつまんできた内容を統合したものでした。
ですので正確ではなかったようですね。
しかも交差が0.2mmではなく、0.02mmなんですね。
それなら納得です。

【2012/06/0801:12】
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