明日は明日の風が吹く

6日の記事の続きです。
インダスター50のピント調整をします。
前回の話で、ピント調整にはシム調整しかないかなと言うことで、そのあたりをやってみたいと思います。
元々ついていたシムの厚みが1.6mm程度。
これを薄いものに替えれば、きっと無限遠が出るはずです。
ではシムとして使えそうなものを探してみます。

ちょうど合う形のシムなんて作る以外に手に入らないと思いますので、他の物で代用します。

[3回]

針金状の物を使えば、形を合わせるのも簡単ですし、厚みも一定のはずです。
で、まず目をつけたのがゼムクリップです。
普通のはちょっと線径が細かったので、この写真のものならどうかと思って線径を測ったら1.24mm。
ちょうどいいくらいの寸法ですね。

ではこれでシムを作ってピント確認をしてみましょう。

こんな感じ。
これで組み直してカメラに装着してピントを確認してみますと、
ほぼいいですね。ちゃんと無限遠は出てます。

が、
レンズユニットと鏡胴の締結を、締め込むほどに微妙では有りますが、ピントがズッてきます。
これは多分このゼムクリップが樹脂巻だからでしょうね。
やっぱ樹脂巻はダメですか。
じゃぁ裸線を使いましょう。

一応寸法的には1.2mm程度でいいことが分かりましたので、そのあたりのものを使えばいいわけです。

1.2ｍｍの銅線がありました。
これを測ってみると、1.18mm。
いい感じの寸法ですね。

でもちょっと薄過ぎるかもしれません。
とは言っても調整用のシムなんて有りませんから、代用品を作ってみます。

こんなのどうでしょうか。
これは何かというと、アルミテープを貼り合わせて切ったものです。
これの厚みを測ってみると、0.2ｍｍ程度でした。
これだとちょっと厚過ぎる気がします。
まぁちょっと試しに組んでみましょうか。


こんな感じです。
しかしこれで組み直してピント調整してみますと、無限遠は出ませんでした。
やっぱりちょっと厚過ぎたようです。

ではアルミテープシムは外して、

これで行きましょう。
組み直してピントを調整すると、ヘリコイドの無限位置のほんの少し手前で無限大になる感じです。
でもこれならいいでしょう。
このレンズのオーナーはマウントアダプターを使ってデジタルで使うらしいですので、無限位置にある程度余裕が有った方が、アダプターの製造誤差があったとしても吸収できるでしょう。

ピントリングの表示で言うと、

このあたりがちょうど無限位置になります。

試しにEOS 5Dにマウントアダプターを介して装着し、上の写真に位置と、いっぱい無限大に回した位置とで撮り比べてみました。

こちらがピントリングをいっぱい無限側に回した状態。
つまり、ちょっとだけ無限大を通り過ぎた状態。


こちらがピントリングを少し戻した状態。
つまり、本当の無限位置です。
どちらも絞りは開放の2.8での撮影です。
この画像では違いは分かりませんね。

ではピクセル等倍まで拡大してみましょう。

こちらが前者。


こちらが後者です。
これを見てもほとんど違いは無く見えますね。
このブログ上では少し画像が縮小されていますので、クリックして拡大して比べてみて下さい。
上の方にある標識の文字のはっきり具合がちょっとだけ違っていますね。
やっぱりちょうど無限に合わせた方がいいようです。
が、それはピクセル等倍まで拡大しての話です。
もちろん一絞り絞っただけでも違ってきます。

ということで、今回の調整はこれで良しとしましょう。

では次はインダスター69を調整していきましょう。

それと、ここでお知らせ。
間もなくカウンターが30000になります。
またキリ番を用意していますので、みなさん、キリ番ゲットにチャレンジしてみて下さい。
でもまだ記念品を用意していません。
どうしよう。