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尾道発 - カメラ屋の独り言 -  Presented by せいのカメラ店



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デジタルカメラとフィルムカメラと、どちらが優れているかと言う話は、私には無意味に感じます。
それぞれにいい所もあれば悪い所もあります。
個別の良し悪しについては語り尽くせませんのでここでは触れませんが、使うシチュエーションで考えた時、仕事で使うなら当然デジタルと言うことになります。
しかし趣味で使うとなると、個人的にはやっぱりフィルムの方が面白いです。
では趣味の写真を撮る場合、本当にフィルムカメラにアドバンテージがあるのか、ここまでデジタルカメラの性能が上がった今、間違いなくそうだと言える後ろ盾は既になくなっている感じがします。
では今回は改めて、フィルムカメラとデジタルカメラで撮り比べてみましょう。
IMG_0845.jpg
比較の仕方は色々有りますが、ここは趣味性の高い方向で比較してみます。

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※Ver.1では今後更新されません。
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拍手[8回]

比較に使ったカメラは、デジタルはキヤノンEOS5D。
フィルムの方は、チノンCE-3です。
フィルムカメラは基本的にどんなカメラを使っても同じですので、今回はレンズで選びました。
趣味で写真を撮るなら、ズームレンズより単焦点レンズの方が面白い。
単焦点レンズを使うなら、世界中で生産され様々なブランドが存在するM42マウントのレンズが断然面白い。
と言うことでフィルムカメラはM42マウントのチノンCE-3。
そしてフィルムカメラと比較するならデジタルとしても当然フルサイズでないと面白くありません。
ですのでデジタルはEOS5DにM42マウントアダプターをつけての比較です。
使ったレンズはスーパータクマー55mm,F1.8です。
DSCF7020.jpg
チノンCE-3につけた状態はこんな感じです。
※エンブレムの「CONTAX」はウソです。
このカメラは私が趣味で使うものの中で、最も新しいものだと思います。

では比較してみましょう。
一番最初の写真はEOS5Dでの撮影です。
つまりデジタルです。

そして
8bfebce6.jpg
こちらがチノンCE-3。
つまりフィルムです。
絞りは開放の1.8、シャッタースピードは1/250秒でISO400です。
同じ位置から撮影して、ペーパークラフトのバイクのヘッドライトにピントを合わせました。

この条件ではほぼ同じような感じに写っていますね。
発色や明るさは少し違っていますが、コントラストは同じ位の感じです。

では次の写真ではどうでしょう。
IMG_0849.jpg
店内の窓際に置いたシクラメンです。
こちらがデジタル。
F4の1/500秒です。
逆光ですがよく発色しています。

0d2f273e.jpg
こちらはフィルム。
コントラストが不足して沈んだ感じになっています。
発色も鮮やかではありません。
同じ露出で撮ったはずですが、フィルムを見ると少しアンダー気味のようです。
だからコントラストが出にくいんですね。

では次、
IMG_0856.jpg
こちらはデジタル。
F1.8で1/500秒。
845c35a9.jpg
こちらはフィルム。
この場合はほぼ同じですが、フィルムの方が少しだけコントラストが高いですね。

では屋外ではどうでしょう。
IMG_0847.jpg
F16,1/125秒、デジタルです。
3895114b.jpg
こちらはフィルム。
明るい環境では明らかにフィルムの方がコントラストが高くなっています。
フィルもの方が印象がいい感じです。

続いてこちら、
IMG_0850.jpg
F16, 1/250秒。
0c6e95c4.jpg
デジタルはやはりレタッチのために階調に余裕を持たせているのでしょうね。

開放で最短撮影距離での比較です。
IMG_0852.jpg
F1.8, 1/1000秒。
1d0ad774.jpg
質感再現はフィルムの方が上のような感じがします。
被写界深度も同じ条件で撮影すれば同じになりますね。

コントラストについては、フィルムではアンダー気味になると低くなる傾向がありますが、全体的には高くなっているようです。
しかしこれはもしかすると、今回スキャンに使ったミニラボ機「フロンティア」の特性なのかもしれません。
しかも比較のステージがパソコンのモニター上ということになりますので、フィルムにとっては本来の楽しみ方とはいえません。
できればフィルムをアナログプリントしたものと比較してみたいところですが、当店を含め、多くのカメラ店の環境ではフィルムもデジタルプリントしかできない状態になっています。

今回の比較を見て皆さんはどう感じますでしょうか。
私の利己的な思いとしては、フィルムの方がエキサイティングな仕上がりになっていると思います。
ですがそれもなかなか微妙と言わなければいけないかも知れません。
と言うのもこちら、
IMG00852.jpg
デジタルで撮ったものをフィルムの画像に近くなるようにレタッチしてみました。
この二つに明らかな違いは見出せません。
しかし逆にフィルムであっても、スキャンしたデジタルデータとしての扱いがメインになるのであれば同じことです。

となるとフィルムカメラの面白さは、デザインの良さや操作の面白さに限定されてしまうのでしょうか。
後は消えつつあるアナログプリントを復活できればまた面白いかもしれませんが。

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◎ 無題

デジタルとフイルムって、見比べると違うものですね。。。
驚きました。

全然関係の無い話なのですが、ひとつ聞いても良いですか?

最近の卒業アルバムとかは、USBで写真をデータとして渡すこともあるのですか?
これだけデジタルの時代ですから、不思議な話ではないとは思うのですが・・・。

やまちゃん 2011/03/10(Thursday)22:49:44 Edit
◎ Re:無題

やまちゃん、コメントありがとうございます。
フィルムカメラには独特の味があります。それに撮ってから写真になるまで、ある程度のタイムラグがあることで、出来上がりの楽しみが膨らみます。
たまにはフィルムもいかがでしょうか。
それと卒業アルバムの件ですが、場合によってはUSBメモリーでデーターだけ渡すこともあるかもしれませんね。
業者がやるならせめてDVDに入れるなり、知らないうちに消えることがないようにするとは思いますが。
それとうちでも製本された卒業アルバムに加えて、写真をスライドショーにしてDVDプレーヤーで再生できるようにしたものなどを追加することもあります。
この頃は先生もデジカメで沢山写しますが、卒業アルバムに載せられる写真は限られますので、撮り貯めたものを渡したいと言う気持ちがあるんだと思います。
でもやっぱり写真はアルバムで見るのが楽しいと思いますけどね。

【2011/03/1107:48】
◎ デジタルとフィルム

今回の比較検証、興味深く拝見しました。
デジタルに今だ抵抗感のある私ですが・・
フィルムのDPEを自家処理できないアマチアとしては、外注先の環境が失われて行くのが辛い所です。

勢理客館長 2011/03/11(Friday)10:55:14 Edit
◎ Re:デジタルとフィルム

勢理客館長さん、コメントありがとうございます。
懸念されているように、デジカメの普及に伴いフィルム本来の能力を引き出せる環境と言うものが、急速に衰退していきました。
うちの店でも同様にミニラボ機をアナログ機(ロッキー)からデジタル機(フロンティア)に変えました。
それによりフィルム本来の写りを再現するプリントが出来なくなりました。
もちろんデジタル機にそのあたりの性能も期待してはいたのですが、やはりフィルムを通った光を直接印画紙に当てることほどの再現力は無いと言うしかありません。
逆に、どんな状態のネガでもきれいに仕上げることが出来るのも事実です。
しかしフィルムカメラのほとんどが趣味性の高いものとなった今、アナログプリントの重要度が増してきたと思います。
ところが今では、アナログのミニラボ機は製造されていないのはもちろんですが、メンテナンスすら難しい状態です。
私としても、アナログプリントを再開させたいところですが、なかなか簡単にはいきそうにありません。
何とかうまい手は無いものかと、毎日思案しております。

【2011/03/1113:09】
◎ 写すということ

せいのさん、コメント恐れ入ります。

写真の歴史は、そもそもピンホールや銀塩版の技術を背景に今日まで発展してきたことを考えるとき、フィルムに肩入れしてデジタル技術を敵視するのはおかしいでしょう。今日<写しの再現(プリント)技術>や<商品応用加工>を見れば、もはや両者遜色なく(今回貴君の検証=リタッチでも証明されてます)、むしろデジタルが凌駕しているかもしれません。人の行為としての<写すということ>、両者は共にこの道具に過ぎません。
う~ん! ここが両者比較の優劣論や意義論の難しい所です。

勢理客館長 2011/03/11(Friday)14:41:14 Edit
◎ Re:写すということ

勢理客館長さん、引き続きありがとうございます。
沖縄は津波警報ですね、心配です。
瀬戸内海でさえ津波注意報が出ています。

ところでコメントの件ですが、書かれている通り、私も既にデジタルの再現力はフィルムを超えていると思います。
味と言う部分も含めて全てにおいてフィルムを上回る日も近いと思います。
そうなるとフィルムカメラ(クラカメ)はまさしく趣味のアイテムと言うことになってきそうです。
私はヒストリックカーも大好きですが、クラシックカメラと言うのはそれに似たものだと思います。
デジタルとフィルムはどっちがいいかという話は置いといて、クラカメの楽しみ方を模索するは面白いと思いますし、私としてはできるだけたくさんの人がクラカメを楽しめるように、何らかのサービス(このブログも含めて)を提供して行きたいと思っています。

【2011/03/1118:36】
◎ 大伸ばしぐらいは

同時プリントはデジタルでも、大伸ばしぐらいは、アナログプリントが残って欲しい気がします。
デジタルプリント機でも、印画紙と現像薬品は使っているはずですから、カラーの引き延ばし機さえあれば、手焼きとなっても、継続できる、と素人は考えます。
もちろん価格は上がりますが、20数年前は、四つ切りカラープリント一枚が数千円なの当たり前と受け容れてたのですから、趣味として考える人なら、同程度は覚悟の上かと。
昨年せっかくフィルムを大伸ばしに出したのに、デジタル画質でがっくりだったので、そんなことも考えてみました。

東北の方は大変なのに、趣味の話ですみません。私も、西宮で被災したときは、大阪の人が遊んでいるのが恨めしかったのですが、半面、楽しんでいる姿には励まされたのも事実です。

ジャン亀 2011/03/12(Saturday)23:24:06 Edit
◎ Re:大伸ばしぐらいは

ジャン亀さん、コメントありがとうございます。
うちの家の玄関に、10何年か前にツアイスで撮った風景写真を飾ってあるんですが、このプリントはアナログ機で焼いたものなんです。
この写真の線の繊細さは、今日のデジタルプリントでも再現できていないと思います。
これがフィルム本来の再現力なんだと常々思っています。
まぁ手焼きの対応は、プロラボで何とかやってくれていますが、これもいつまでやるのかと言う話になってきます。
もし、フィルムの代わりに使える撮像素子が出たとしたら、そっちにシフトします?

【2011/03/1317:02】
◎ film vs degi

私は、基本的にモノクロ写真撮影+自前のDPEですから無論フィルムです。カメラは35mmから中判まで使います。デジで同等以上のプリントを得ようと思えば撮影機材、ソフト、プリンターに軽く200万以上の投資が要ります。断念!!要するに何をどう撮るか、どう見せるかで機材はかわりますね。投資額も変わりますね。普通の写真をモニターで見るなら安いデジカメで充分。趣味の世界の中であれば機材の比較は無意味。世の中にはピンホールカメラで楽しんでる人もおりますね。私はクラカメデの撮影が大好きです。

koro4167 2013/05/22(Wednesday)11:45:08 Edit
◎ Re:film vs degi

koro4167さん、コメント有難うございます。
フィルムを通った光を、直に印画紙に当てたプリントというのは本当に綺麗ですね。
しかしこの頃は、フィルムからのプリントも、スキャンしてからプリントする方式がほとんどで、とても残念に思っています。
写真の楽しみ方も千差万別ですので、それに合った機材というのも変わってきますね。
ただ、モニターで見るにあたっても、カメラ(レンズ)によって味が出てきますので、それを楽しむのもまたいいですね。

【2013/05/2516:57】
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