明日は明日の風が吹く

オリンパスPEN EE-2のレストア解説の4回目。
前回までで、レンズとシャッターのユニットの摘出を行いましたので、今回はそれを分解していきましょう。
絞りが動きにくかったり、シャッターが動きにくかったりと言う場合は、絞り羽根やシャッター羽根に油が回って粘っていることが多いです。
ですのでバラして洗ってやりましょう。

ではまずは、矢印の3本のプラスネジを外します。

[10回]

すると

このように、レンズユニットとシャッターユニットが分離できます。
そして、その間には矢印のようにシムが入っていました。
上の写真では2枚が両方に分かれています。

ではレンズユニットを分解しましょう。

レンズ裏面はカニ目になっていますので、カニ目用の工具か、このようにラジオペンチの先を削ったようなもので外します。


外れた状態がこちら。
これでレンズ後群と前群が分かれました。
そしてその間には絞りがありますね。

ではこの絞りを外すために矢印のマイナスネジ3本を外します。


ネジを外すと、絞りユニットはスライドして抜けます。
こちらが抜けた状態。
絞りユニットの下には矢印のようなシムが3個、締結部に入っていました。
小さいのでなくさないように気を付けましょう。

では外した絞りユニットを、

ベンジンに漬けて洗います。
この絞りユニットは、ベース部品と絞り羽根がカシメてありますのでこれ以上分解できません。
そのままどっぷり漬けてやって、サワサワ洗ってやりましょう。
洗い終わったら、ティッシュペーパーなどの吸水性のあるものの上に置くなどして乾かします。
ほっといても乾きますが。

では次に、シャッター羽根をバラして洗ってやります。

矢印の3箇所のプラスネジを外して、黒い円形のカバーを取ります。


こちらが外した状態。
シャッター羽根も外れますので気を付けてゆっくり外して下さい。
黒い部品の方を下にして外した方が、シャッター羽根がバラバラになりにくいかもしれません。
それと、シャッター羽根の重ね具合も確認しておいて下さい。

そしたらこのシャッター羽根もベンジン浴にして洗ってやりましょう。


それとあわせて、シャッター羽根が動く範囲もベンジンできれいに拭いてやります。

きれいになったら元の状態に組んでいきます。
ここで気を付けないといけないのは、2枚のシャッター羽は同じ形のように見えますが、実は微妙に違うと言うことです。

2枚を重ねてみると一目瞭然です。
外側の角の部分がちょっと違うのが分かると思います。

ではこの違いはなぜあるのか。

黒い部品の方にシャッター羽根を組んでみると分かります。
矢印の部分に注目。
正しく組むと、ここの穴がちゃんと見えてますね。

もしシャッター羽根を反対に組んでしまうと、

このように穴が隠れてしまいます。
この穴はこの黒い部品を締結するネジが通る穴ですので、この組み合わせではシャッターが完全に開かなくなってしまいます。
そうなると、シャッター羽根が破損したり等の問題が起こってきますので、組む時はよく確認して下さい。

では次の注意点。

赤矢印のところと、緑矢印のところにバネが掛かるようにして下さい。
そして青矢印のように、溝に突起がはまるようにして下さい。
それと黄矢印の部分ですが、この位置では間違っています。
赤矢印のレバーの、向こう側に行ってないといけません。
もし組んだ時にこうなっていたら、黄矢印の部分を押し下げて、レバーの下をくぐらせて向こう側に持っていって下さい。
それぞれが曲がってしまわないように気を付けて。

正しい位置は、6個前の写真（黒い円形の部品のネジを外すところの写真)を参考にして下さい。

といったところで、シャッターと絞りのレストアは終わりです。
次は露出計周りかな？