明日は明日の風が吹く

コムラーと聞いて何を思い浮かべますか?
アムラーみたいに、古村なんとかさんのマネっこする人のことかと思う方もおられるかもしれませんね。
そういえば、アムラーという言葉がはやった時に、シノラーとかマヨラーとかという言葉も派生してきましたが、あれは活用間違いですね。
本来「アムラー」というのは「安室」に「er」が付いて音便変化したもので、直訳すると「安室の人｣、意訳すると｢安室みたいな人｣と言う意味のウチナーグチです。
例えば山原の人のことを「ヤンバラー｣と言ったり、アメリカ人のことを｢アメリカー｣と言ったりします。
だから言葉の最初の2文字を取って「ラー」を付けたわけじゃないのです。
ですので「シノラー｣は本来なら｢シノハラー｣。
「マヨラー｣は本来なら｢マヨネーザー｣にならなければいけません。
｢マヨ｣だけにかけるなら「マヤー｣になってしまって猫と間違えてしまいます。
ちなみに｢クルマヤー｣と言うと、「車屋｣ではなくて｢黒猫」です。
※ネイティブな方、訂正があったらお願いします。

話はのっけから脱線しましたが、この「コムラー｣と言うのは三協光機という会社が作っていたカメラ用レンズのブランド名です。

今回はコムラー35mm F3.5と言うあまり見ないレンズをレストアしていきます。

[2回]

コムラーの35mmと言うと、F2.5を良く見ます。
F3.5の情報はあまり見つかりませんね。

このレンズを横から見ると、

こんな感じです。
結構なパンケーキタイプですね。
マウントはライカL互換。
距離計にも連動します。

事前の確認として、ピントを見てみましたが、無限遠が全く合っていませんね。
どうやらピント調整が必要のようですが、それにしてもちょっとズレ過ぎでは?
一瞬ロシア物かと思いましたが違います。

ではそのあたりも含めてバラしていきましょう。


ではこの黒いプレートを外します。
これは多分、内面反射防止用の化粧プレートです。

これを外すと、

こうなります。
ではそこに見えるカニ目をまた外しましょう。
この時、緑矢印の穴に注意してください。
実はここには回り止めのマイナスネジが入っています。
これを先に緩めてからカニ目を回してください。


するとこのようにヘリコイド部と、レンズ鏡胴部に分かれます。
しかし、ピント調整用のシムは入っていませんでした。
微妙に困りました。
ま、とりあえずは先に進みましょう。


今回は鏡胴の分解からやっていきましょう。
まずは例によって前面の化粧リングを外します。


そしたらその奥に見えているレンズ前群を外します。

続いて、

レンズ後群を外します。


そしたら次に、赤矢印のマイナスネジを外します。
これは、絞り羽根と絞りリングの位置決めをするピンになっています。
絞りリングはネジ式になっていますので、このピンを外して回せば外れます。
ですがその前に、緑矢印方向に回して締め込んでいき、何回転回るか確認しておいた方がいいです。
そうすることで、今度組む時にどこまで締め込めばいいか分かります。


絞りリングが外れたら、矢印の位置にはまっていたCリングを外します。


そしたら絞りの上のカバーが外れます。

続いて絞り羽根が外れるはずなんですが、なぜか外れませんね。
このレンズの場合、下のカバーも外れそうですのでちょっとやってみましょう。


横から3箇所マイナスネジで押さえ込んであります。
緩めると自由に回るようになりますので、最終的に絞りの開度を確認して位置決めをしないといけないようです。


で、外れた状態がこちら。
やっぱり後ろのカバーから絞り羽根は外せません。
なんででしょうか。
よく分からないけど、外れないなら外れないでその方が便利がいいです。
ではこのままベンジン浴という事にしましょう。

周辺の部品も全て脱脂して、きれいになったら逆の手順で組みなおします。

と言うことで鏡胴のレストア終了です。

次はヘリコイドいきますか。