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尾道発 - カメラ屋の独り言 -  Presented by せいのカメラ店



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29日の記事でコムラー35mmのレストアに入りまして、まずは鏡胴の分解清掃を行いました。
今回はヘリコイドの分解清掃、それとピント調整に入っていきましょう。
ところで前回も書きました語尾に「er」が付いて人をあらわすと言うウチナーグチの続きを書きます。
詳しく書くと「安室」の場合「amuro」の最後の「o」が取れて「er」が付くことによって「amurer」(アムラー)になりますし、例えば「散髪」ですと「danpachi」の最後の「i」が取れて「danpacher」(ダンパチャー)になります。
これは英語とよく似てますが、英語の場合動詞に「er」を付けて人をあらわすのに対して、ウチナーグチの場合は名詞に「er」を付けることが多いです。
時々動詞にも使いますが。
で、これって沖縄古来の文法なんでしょうかそれともアメリカ渡来なんでしょうか。
その辺ご存知の方がおられましたら教えて下さい。

と言うことでヘリコイドの分解に入ります。
R0013993.jpg
まずは赤矢印の3本のマイナスネジを外しましょう。

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と、その前に、緑矢印に注目です。

ここには、絞りリングのクリックのための部品が入っています。
R0013994.jpg
こちらはその部品を抜いたところ。
無くさないように注意して下さい。

ではマイナスネジを外してピントリングを外します。
R0013996.jpg
結構油がまわっていますね。

R0013997.jpg
そしたら矢印のマイナスネジを外しましょうか。
これはピントリングのストッパーです。

DSCF7978.jpg
これを外して、矢印方向に締め込んでみましょう。
そしてどの位回ってどの位置で止まるかを記録しておきます。

DSCF7980.jpg
そしたら次に、ピントリング側のフランジを外します。
これは矢印のところに回り止めのネジが入っていますのでそれを抜いて、ヘリコイドを固定してフランジだけ回してやれば外れます。
正ネジになっています。
そしてこの時も、一旦締め込み方向に回してやって、どこまで締め込めるか確認して下さい。
しかし今回の場合、これ以上締め込むことが出来ませんでした。
つまりいっぱい締めてあったというわけです。

DSCF7981.jpg
で、こちらがフランジが外れた状態。

DSCF7995.jpg
そしたら今度は裏返して、連動距離計用のヘリコイドをいっぱいに締め込んで止まった位置が分かるようにマーキングして下さい。

DSCF7997.jpg
で、ついでに、距離計用のヘリコイドとピント用のヘリコイドの位置関係をマーキングしておきましょう。
このレンズの場合位置決めのピンが180度反対側にも付いていますので、半回転ズレた状態で組んでしまうかもしれませんのでその対策です。

DSCF7996.jpg
そしたらまず外側の距離計用のヘリコイドを外しましょう。
緑矢印の方に回せば外れます。
で、この時、外れる瞬間の位置を記録しておくと組む時便利です。

DSCF7998.jpg
では次にピント用のヘリコイドを反対側から抜きます。

DSCF7982.jpg
これでヘリコイド関係が全部分解できましたので、洗浄します。
まずはCRCのエレクトロニッククリーナーで古いグリスを洗い流します。
そして細かいところはベンジンと歯ブラシや、綿棒を使ってキレイにしましょう。

きれいになったら組んでいきますが、まずはグリスをつけずに仮組みしてみましょう。
分解前にピントが合っていなかったことも気になりますし、少しガタが有るようですのでそれも確認したいところ。
グリスを塗ってしまうとまた分解する時に都合がよくないですから。

で、バラす時のマーキングを元に組み直してピントを見てみますと、やっぱり合っていませんね。
ピントリングを無限まで回しても、ピントはもっと手前で合っていて、無限遠にピンが来ません。

こういう場合はレンズをフィルム面に近付ければいいわけですから、本来ならピント調整用のシムを削ると言う作業に入ります。
しかしこのレンズにはそのシムが入っていません。
じゃぁどうしましょう。

掟破りですがレンズ後玉にシムを入れますか?
それは最終手段と言うことで、他に方法が無いか考えましょう。

レンズがもっとフィルム面に近付くためには、ピント用のヘリコイドがもっと奥まで入っていけばいいわけですよね。
ピント用ヘリコイドが奥に入るのを制限しているのはピントリング用のストッパーピンですね。
じゃぁその位置を変えますか?

と言うことでとりあえず4番目の写真にあるストッパーピンを抜いた状態で、ヘリコイドが一番奥に入った位置でのピントを見てみましょうか。
が、しかし、それでも無限遠になりません。
まぁ少ししか回りませんのでそんなもんでしょうね。

ではどうしましょうか。
そういえばこのレンズのヘリコイドはフランジ部が別物でネジ込み式になっていましたね。
これを1回転緩めてやったら、ヘリコイド全体が奥に入りませんかね。
そういえばこのフランジ、これ以上締まらない所まで締め込んでありましたね。
6番目の写真を見てください。
フランジの位置決めのネジがありますが、1回転戻してもちゃんとはまりそうですね。

では位置決めのネジを外してフランジを1回転緩めて、そしたらそこで位置決めのネジを挿して、またレンズを組んでピントを確認してみましょうか。

すると、なんと、ピントピッタリです。
よかったよかった。
これで何とかなりますね。

このレンズは前にバラした人が組み間違えていたんですね。

ではついてに、もう1回点ずらしてみるとどうでしょうか。
そうすると今度は距離計用のヘリコイドとの位置関係が維持できずに、途中で回せなくなったり、ヘリコイドのネジ部が足りずに外れてしまったりしました。

ですのでフランジはこの位置ですね。
あとは、それに対する距離計用のヘリコイドの位置を出さなくてはいけません。
しかしこれについても、完全に動作する位置は1箇所しかありませんでしたのでそれで間違いないでしょう。

その状態でもう一度カメラにセットして連動距離計を確認してみますと、ちゃんと合っていました。

と言うことでピントについてはうまくいきました。
では、もうひとつの問題。
ヘリコイドにちょっとガタがある。

これをよく観察すると、
距離計用のヘリコイドと、ピント用のヘリコイドの連携部分にガタがあるようです。
DSCF8000.jpg
ですので、距離計用のヘリコイドの矢印の溝の部分に、コの字になるようにアルミテープを貼ってみました。
しかしこれはちょっと厚過ぎたようですので、1辺を切ってL字型にしたら、まぁまぁいい感じになりましたのでこれで良しとしときましょう。

と言うことで最終組み立てです。
しかし、ヘリコイドグリスを付けて組んでみると、ちょっとグリスが軽過ぎですね。
では距離計用のヘリコイドのグリスをもっと硬いシリコングリスにしてみましょう。
それでも若干軽い感じですが、いいでしょう。

そしてもうひとつ問題点。
絞りリングが非常に硬いんです。
でもこれについては簡単に直せますね。
29日の記事にも書きましたが、このレンズの絞りリングはネジ込み式になっています。
ですので、180度緩めるとか、360度緩めるとかして、ちょうどいい硬さになるように調整すればいいわけです。

と言うことで、コムラー35mm F3.5。レストア完了です。

今回はちょっと記事が長くなってしまいましたね。
ところで44444のキリ番ですが、今日がXデイか。

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◎ 拍手コメントより

とても丁寧な解説で勉強になりました。近頃ジャンクレンズ漁りに嵌ってしまいコムラーのレンズ(カビだらけ)を手に入れたところでした。自分で清掃したいと思っていたので大変助かりました。ありがとうございました!

にわかクラカメファン 2011/11/26(Saturday)07:57:56 Edit
◎ Re:拍手コメントより

にわかクラカメファンさん、拍手コメント有難うございます。
ジャンクを直すのはとっても楽しいですね。
出来上がった時はぜひ悦に入って下さい。
記事がお役に立てたようで嬉しく思っています。

【2011/11/2608:01】
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