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尾道発 - カメラ屋の独り言 -  Presented by せいのカメラ店



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カメラ以外にも、テレビのリモコンやら、プリンターやら、刈払機やらを直していると、何でも直す店かと思われるのかもしれませんが、必ずしもそういうわけではありません。
が、出来れば何でも直したいところです。
ということで今回の修理は、ストップウオッチ?
DSCF8990.jpg
プリンターが付いたストップウオッチですね。
ラップを押すと、その都度時間がプリントされるようなものらしい。

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拍手[2回]

これの何が壊れているかといいますと、プリントアウトするための紙が送られないらしいのです。

DSCF8991.jpg
用紙はロール状で、赤矢印のところから入って、緑矢印のところから排出されます。

紙をセットして空送りしても、ストップウオッチを操作しても、プリンタの印字ヘッドは動いて印刷されているのですが、紙が送られないのでずっと同じ所に重ねて印字されます。

原因として予想できるのは、紙送り関係のギヤなどが欠けてしまったとか、紙送りのローラーが痩せてしまったとか、それとも回路の不良か。
ま、場合によっては直せるかもしれませんので、とりあえずバラしてみましょう。

DSCF8992.jpg
裏面の矢印のプラスネジ4本と、

DSCF8993.jpg
電池室内の3本を外します。

DSCF8995.jpg
こちらがプリンタユニット。
隙間から見える矢印のものが、どうやら紙送りのローラーのようです。

裏からも見てみましょう。
DSCF8998.jpg
赤矢印が紙送りのローラーですね。
おそらく紙送りは、このローラーの両サイドのゴムの部分で行うのでしょう。
しかしこの間の螺旋構造は何でしょうか。

そして緑矢印の部分。
割れてしまっていますね。
こんな所が割れるようなもんでしょうか。
まぁここは接着剤ででも付けておきましょう。

DSCF9005.jpg
プリンタユニットがあった所を見てみると、矢印のように、位置決めのピンとか、穴とかが破壊されていますね。
これは多分何回も落としたりしたんでしょうね。
でもこれは直すのはちょっと大変ですから、このままにしておきましょう。
とりあえず位置決めはできてるようだし。

ではプリンタユニットをバラしていきましょうか。
DSCF8999.jpg
まずは印字ヘッドのリミットスイッチを外します。
隙間に細いドライバーを差し込んで、ここは慎重に行きましょう。
無理に力を入れると割れてしまいそうですからね。

DSCF9001.jpg
続いて反対側にあるギアを外します。
まずは矢印のギアを、これも隙間に細いドライバーなどを入れて起こすように外します。

DSCF9002.jpg
続いて右隣のギアを外します。
持ち上げるだけで外れます。
そして矢印のピニオンギアを見て下さい。シャフトがD型になっています。
このピニオンギアも引っ張れば外れます。

DSCF9003.jpg
そしたら矢印の2本のプラスネジを外して、モーターを外します。

DSCF9017.jpg
こちらが外れたモーターです。

DSCF9004.jpg
モーターを外したあとはこうなっています。
矢印のスプリングは印字ヘッドの裏から紙を押さえるためのスプリングです。
小さいので無くさないように気を付けましょう。

ここで印字ヘッド周りをよく観察して、動かない原因が分かるか見てみました。
しかし、印字ヘッドを動かすギアはありましたが、紙送りのローラーを動かす仕組みがわかりませんね。
ギアはどこにもないですし、どうも動力が伝わる仕組みもわかりません。

しかしよく見てみると、
DSCF9008.jpg
どうも印字ヘッドに付いた矢印の突起が、印字ヘッドと一緒に左右に動くことで、
紙送りローラーの螺旋に作用して、紙送りローラーを動かしているようです。
どうやら紙送りができない原因は、このヘッドに付いた突起の不具合のようですね。

では印字ヘッドを外しにかかります。
DSCF9006.jpg
印字ヘッドは、斜めに溝が入った、シャフトが回転することで左右に動きます。
まずはその溝に位置決めする部品を外しましょう。
位置決め部品を青矢印の方向に抜きますが、
その前に、位置決め部品の位置決めをしている部品を赤矢印の方向に抜きます。

DSCF9007.jpg
そしたら斜めの溝が入ったシャフトを留めているEリングを外して、このシャフトを外します。

DSCF9012.jpg
次に、印字ヘッドの位置決めシャフトを抜きます。
これはちょっと力を加えれば抜けます。

これで印字ヘッドが外れました。

DSCF9014.jpg
先ほどの紙送りローラーの螺旋に作用していると思われるピンがこの矢印の部分です。
押し込んでみると、動きが渋いですね。
この動きが軽くなればいいのではないでしょうか。

DSCF9015.jpg
ピンを抜いてみますと、スプリングでテンションが掛かるようになっていましたが、汚れやサビがついていますね。
ではこれをワイヤーブラシで磨いてやって、ちょっとだけグリスを付けておきましょう。
スプリングはすごく小さいので飛ばさないように。

DSCF9016.jpg
綺麗になって組み付けた状態がこちら。
ピンを押してみると軽く動いて、スプリングによって位置が復元されます。

ではもとのように組み直しましょう。

組みあがったら動作テスト。
DSCF9018.jpg
うん。
ちゃんと印字されて、紙が送られていますね。

ということで、印字機能付きストップウオッチの修理、完了です。

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◎ 拍手コメントより

カメラ修理のノウハウが、どんどん広がっていきますね。頼りになる島の精密機械屋さん、「せいのリペア」に人が集う様子が察せられます。こういった少しひねった仕組みは、PenEEやフジカST-Fに通じる感じで、大好きです。

ジャン亀 2011/09/22(Thursday)11:33:45 Edit
◎ Re:拍手コメントより

ジャン亀さん、拍手コメント有難うございます。
機械を直すのは面白いですね。
とはいえ、直して使おうという人もそれほど多くはありませんので、家に集うってほどでもありませんよ。
でも今回のプリンターは、印字ヘッドの動きで紙送りするという構造は面白かったです。

【2011/09/2211:38】
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