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尾道発 - カメラ屋の独り言 -  Presented by せいのカメラ店



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今年は大出現の予想もあった「10月りゅう座流星群」ですが、確かに大出現はあったようですが、それは尾道ではすでに明るくなってから。
あと1時間、日の出が遅かったらきっと沢山の流星が見れたことでしょう。
おかげで気合を入れて撮影に出掛けたものの、不発に終わってしまいました。
仕方有りませんので、次の「オリオン座流星群」に期待しときましょう。
でも今回の撮影ではちょっとチャレンジしてみたことがあるんです。
そのチャレンジのために道具を作ってみました。
DSCF9132.jpg
それがこちら。
コレは何かといいますと、

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※Ver.1では今後更新されません。
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拍手[1回]

実は撮影用の簡単な赤道儀なんです。

星はそんなに明るい被写体ではありませんので、綺麗に写そうと思うと長時間露光しなくてはいけません。
つまりシャッターを長く開いて多くの光を採り入れるわけです。
しかし長くシャッターを開けていますと、それだけ時間がかかりますので、その間に星は動いてしまいます。

28mmレンズを使って、10秒程度の露光であれば、星の動きは気になりませんが、今回のように、30秒位露光していますと、星が動いたのがわかるようになります。

星が同心円に動いた様子も写真としてはなかなか綺麗なんですが、天の川や星雲を写真にしたい場合は動いたのでは写らないわけです。
その対策が赤道儀ですね。
赤道儀は星の動きに合わせて一緒に動く装置です。
つまりカメラを星と一緒に動かせてやれば、止まった状態の星を長時間露光できるというわけです。

モーターを使って自動追尾するようなものまで作れれば言うことないのですが、そんなの作るとなると、精度を求め始めてキリが無くなりますし、お金がいくらあっても足りなくなります。
ついには製品を買った方うが安いという事にもなるでしょう。

そこで今回の赤道儀ですが、動力は手です。
そして簡単で安く作ることを目的にやってみました。

DSCF9116.jpg
材料はこちら。
30cm程度の長さがの適当な板。
適当な蝶番(ちょうつがい)。
蝶番を留めるための短い木ネジ。
1/4のインチネジ(長さ16mmのボルトとナットセット)。
M6の並目ねじ(写真では30mmですが、実際に使ったのは長さ50mm。と、ナットのセット)。
M6の袋ナット。
適当な金属板(今回は大きいワッシャーを使いました)。

まず板を縦に半分に切ります。
DSCF9117.jpg
幅20cmの板を買いましたので、半分にすると1枚10cmです。
この幅は何でもいいです。

そしたら次に蝶番の可動部を叩いてある程度つぶします。
DSCF9118.jpg
高価な蝶番を用意すればこんな作業は必要ないのですが、安いのは動きに余裕があるように作ってありますので、このまま使うと赤道儀の動きがガタガタになってしまいます。
それを防ぐために可動部をある程度潰してガタが無くなるように調整します。

DSCF9119.jpg
そしたら板を貫通しない程度の短い木ネジで、板と締結します。

そしたらM6ボルト用の穴を開けます。
DSCF9121.jpg
穴あけ位置は蝶番中心から229mmのところ。
それはなぜかといいますと、このM6のボルトの締め具合で板を動かす魂胆ですので、動きが分かりやすい方がいい。
分かりやすいのは、例えば1分間にボルトを1回転させると丁度良くなるという感じですかね。
M6のボルトのピッチは1mm。
つまり1回転させると1mm移動する。
ところで星は、24時間で大体1回転しますよね。
と言うことは、1分間では、360÷(24×60)=0.25度。
0.25度回転させて1mm移動する位置は、
1÷tan0.25=229
蝶番の中心から229mm離れた位置ということになります。

で、その229mmの位置にナットがはまらなない程度の穴を開けて、
DSCF9120.jpg
ボルトで締めてナットを埋め込みます。

そして次に、そこに使うボルトに細工をします。
DSCF9129.jpg
これは100円で売っていた時計です。
そのケースに穴を開けて、時計の針の中心と重なるようにケースに穴を開けてボルトを取り付けます。

そしたらこの時計付きボルトを先ほど埋めたナットに挿して、
DSCF9127.jpg
その先端に袋ナットを取り付けます。

DSCF9122.jpg
その袋ナットが当たる位置に大きいワッシャーを貼り付けます。

横から見ると、
DSCF9123.jpg
こんなふうになるようにします。
つまり袋ナットの先端が直接木に当たらないように、金属板を置いておくということです。

では次に、雲台を取り付けたり、三脚取り付けネジを取り付けたりします。
DSCF9128.jpg
まず青矢印の辺の適当なところに、M6のナットを取り付けた時と同様に穴を開け、ボルトで締めこんで1/4のナットを埋め込みます。

そして次に赤矢印の適当なところにボルトのネジ部が通る程度の穴を開け、ボルトの頭の逃がし穴を緑矢印のように開けます。

赤矢印のように1/4のボルトを挿して、自由雲台を取り付けます。
DSCF9136.jpg
そしたら次に、先ほどの時計の中心あたりを目指して針金などで赤矢印のように指針を取り付けます。
これはどういう意味かといいますと、時計の秒針(黄色の針)は、1分間で1回転します。
つまりその秒針を、針金の指針に添い続けるように、緑矢印の方に時計を回転させてやれば、時計についたM6ボルトは1分間で1回転することになるというわけです。

DSCF9141.jpg
横から見るとこんな感じ。
秒針を指針に沿わせるように、時計を赤矢印方向に回転させると、ボルトが回って、上の板が緑矢印の方に下がってくるというわけです。
ボルトを1分間で1回転させれば、計算上、0.25度板が回転するはずです。

指針は下側の板に取り付けて、ボルトが回転しても高さが変わらないようにしました。

これで赤道儀自体は完成ですね。

DSCF9140.jpg
この赤道儀を使う時は、カメラを自由雲台に乗せて、蝶番の軸の延長方向に北極星が来るように位置あわせすればOKです。
あとは自由雲台の向きを変えて、写したい方向にカメラを向けます。

そして露光中は、時計の秒針を指針に合わせるように、手で回していけば、理論上ほぼ動いていない星が撮影できるはずです。

さてその結果は…

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◎ 無題

懐かしいです。中学生の頃、仲間が同じようなのを作っていました。手を抜いて、30秒ごとに半周回していたら、星がv字型の軌跡になっていたのを思い出します。地軸の設定が結構むずかしいですね。私はというと、自転車のフレームとフォークを使って赤道儀っぽく仕上げましたが、三脚の固定部分などの振動が抑えられず、撮影もできない見かけ倒しでした。

ジャン亀 2011/10/13(Thursday)02:56:18 Edit
◎ Re:無題

ジャン亀さん、コメント有難うございます。
楽しい思い出ですね。
私が作ったものでも一番考えなければいけないのは可動部の動作精度ですね。
それと、手で動かすために起こる振動でしょうか。
今度天気がいい日に天の川の撮影に挑戦してみようかなと思ってます。

【2011/10/1308:28】
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